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【腰椎圧迫骨折+脳梗塞】レポート・レジュメの作成例【実習】

2021年12月31日

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師を目指す学生に向けた、レポート・レジュメの作成例シリーズ。

今回は、「腰椎圧迫骨折+脳梗塞」の患者のレポート・レジュメです。

実習生にとって、レポート・レジュメの作成は必須です。

しかし、書き方が分からずに寝る時間がほとんどない…という人も少なくありません。

当サイトでは、数多くの作成例を紹介しています。

紹介している作成例は、すべて実際に「優」の評価をもらったレポート・レジュメを参考にしています(実在する患者のレポート・レジュメではありません)。

作成例を参考にして、ぜひ「より楽に」実習生活を乗り切ってください!

 

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今回ご紹介するレポートの患者想定

 

今回ご紹介する患者想定

  • 病院に入院中
  • 腰椎圧迫骨折を呈する患者

  • 既往に脳梗塞あり

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「腰椎圧迫骨折+脳梗塞」の患者のレポート・レジュメ作成例

<基本情報>

【患者氏名】

【年齢】歳代

【利き手】右手

【診断名】第1腰椎圧迫骨折

【障害名】 腰痛

【合併症】パーキンソン症候群

【現病歴】〇〇年〇〇月〇〇日、自宅で布団をベッド上にあげようとして後側の畳の上に殿部より転倒。腰背部痛あったが自宅で安静にし様子を見ていたが、疼痛軽減せず、デイケア利用している際に内科受診。X-P上に骨折見られ、安静目的にて当院に入院となる。

【既往歴】

〇〇年〇〇月〇〇日 脳梗塞 軽度右片麻痺 内服治療

〇〇年〇〇月〇〇日 脳梗塞 軽度右片麻痺

〇〇年〇〇月〇〇日 パーキンソン症候群 内服治療 

【主訴】腰痛、右手のしびれ   

【患者のneed】腰痛を治し病院を退院したい 

【患者のdemand】故郷に里帰りしたい

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<個人的、社会的背景>

【家族構成】※Key Parson:長女

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【家屋構造】二階建ての一軒家(ほとんど一階で過ごしている)、自宅に入る前に15~20cmの階段18段あり(左側に手すりあり)

【介護保険】介護度:要介護2

住宅改修あり(玄関、トイレの手すり)

福祉用具貸与(ギャッジベッド、車椅子)

通所サービス週3回利用

【病前の生活】 妻と長女と自宅で生活しており、週に3回デイサービスに通所し、入浴はその時に行っていた。大型犬を飼っていて毎朝約2km散歩に行っていた。バランスがとれず転倒傾向にあるので入院前は散歩には行かず外出の機会減っていた。

 

<医学的情報>

【入院日】〇〇年〇〇月〇〇日

【生化学データ】

検査項目

基準値

測定値

臨床的意義

LDH

230~460 IU/ℓ

361IU/ℓ

組織・臓器の損傷、心筋梗塞、肝疾患、悪性腫瘍、肺疾患など

GOT(AST)

8~40 IU/ℓ

69IU/ℓ↑

急性心筋梗塞、急性肝炎、筋肉疾患など

GPT(ALT)

5~35 IU/ℓ

99IU/ℓ↑

急性肝炎

【薬剤状況】

薬剤名

適応

作用

副作用

①カバサール

パーキンソン病

ドパミン受容体を刺激して、ドパミン様作用を示すことで、パーキンソン症状改善する。

幻覚、妄想、狭心症、間質性肺炎、循環器、消化器、肝臓、呼吸器、その他

②コバシル

高血圧症

プロドラックであり、経口吸収後ジアジド体に加水分解され、降圧作用はACEの特異的阻害によるアンジオテンシンⅡを介する降圧系の増強によると考えられている。

血管浮腫、急性腎不全、過敏症、腎臓、血液、精神神経、循環器、消化器、肝臓、呼吸器、その他

【他部門からの情報】

Dr.から:室内を独歩で歩いているが、ポータブルトイレへの移乗、立ち上がりの際に転倒の危険性あるため注意必要。禁忌事項は現在はなし。

Nsから:隣の患者さんのところまで独歩で歩いている。いつも病室では側臥位でテレビを見ていることが多い。排泄はポータブルトイレで自立しており、食事もベッド端に腰掛け、自立している。

 

<理学療法評価>

一般情報 

身長 ㎝

体重 ㎏

BMI 27(日本肥満学会基準より1度肥満)

血圧 126/74mmHg(2/25)高血圧症の薬服用 

脈拍 80拍/分(2/25)

睡眠 浅眠(尿意により頻繁に起きる)

食欲 低下

リハ開始日 〇〇年〇〇月〇〇日(入院から8日目)

PTS担当日 〇〇年〇〇月〇〇日(入院から10日目)

 

全体像

リハ室へは車椅子介助にて来室。性格は温厚で優しそうな印象をうけ表情はいつも和やかである。腰痛がひどく、今までに感じたことのないくらいと自覚しており、腰にコルセットを着用している。

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コミュニケーション

笑顔で挨拶をし、日々のモチベーションに変化は見られない。質問には返答時間要さず、認知・理解もできている様子で質問内容に沿った答えが返ってくる。指示には聞き返すことはあるがほとんど指示どうりに動作を行える。聴力は問題ない。

 

メンタル面

日々のモチベーションは変わらず不機嫌になることはほとんどない。病識はあるのだが自分が動作しているときに周囲のことが気になる様子で周りを見渡す姿がよく見られるなどそれに対する注意がかけているため自分でリスク管理を十分行えていない。よくなりたいという気持ちはあるのだがリハビリに対する意欲は強くない。時折、今日食べた食事が分からないなどの物忘れがある。

 

精神・認知機能      

障害老人の日常生活自立度(寝たきり度) ランクB1

改訂版長谷川式簡易知能評価スケール:  19/30(20点以下で認知症疑われる)

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BRS

上肢:Ⅵ

下肢:Ⅴ

手指:Ⅴ

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疼痛

部位:腰部の広範な部位

期間:発症から現在まで

いつ:

  痛み激しい時        痛み弱い時

安静時(夜間背臥位)     安静時(端坐位時)

動作時(立ち上がり時)    動作時(歩行時)

性質:鋭痛・深部性      性質:鈍痛・深部性

VAS:10/10         VAS:7/10

*VASは主観的検査のためこのような結果でているが、痛み激しい時も声を出し痛みの訴えはあるがなんとか動作遂行することができるレベルである。

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パーキンソン症状

安静時振戦:左右の手指

無動:軽度の運動開始の遅延があり、動作に緩慢さが見られる

筋緊張:端坐位 右下腿三頭筋、右大腿四頭筋(外側広筋)、ハムストリングス亢進、 

    立位  右下腿三頭筋、右大腿四頭筋(外側広筋)、ハムストリングス、右脊柱起立筋亢進

小字症:なし

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関節可動域検査

(単位 ゜) P:pain

  

右(A)

右(P)

左(A)

左(P)

肢位

股関節

屈曲

90

110

90

110

背臥位

 

伸展

5

10

0

5

側臥位 

 

外転

20

25

15

20

背臥位

 

内転

15

20

5

10

背臥位

 

外旋

N

45

N

45

背臥位

 

内旋

20

30

20

30

背臥位

膝関節

屈曲

125

130

125

130

背臥位

 

伸展

-90→-15

-10

-90→-20

-10

坐位

足関節

底屈

35→50

55

35→50

55

坐位

 

背屈

-30→10

15

-30→10

15

坐位

肩関節

屈曲

120

125

130

135

坐位

 

伸展

40

45

40

45

坐位

 

外転

150

155

150

155

坐位

肘関節

屈曲

135

140

130

140

坐位

 

伸展

0

0

0

0

坐位

前腕

回内

N

90

N

90

坐位

 

回外

70

75

70

75

坐位

掌屈

55

60

55

60

坐位

 

背屈

40

50

40

50

坐位

 

橈屈

15

20

15

20

坐位

 

尺屈

25

30

35

40

坐位

体幹

屈曲

35

45

立位

 

側屈

10

 

5

 

立位

 

回旋

20

 

15

 

立位

*腰痛あるためコルセットを装着したまま行った。体幹は痛み強いためActiveのみで動かせる範囲を検査した。

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関節可動域検査(ROM-Test)
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MMT

 

運動方向

肢位

肩甲骨

挙上

4+

4-

坐位

肩関節

屈曲

4

4

坐位

 

伸展

坐位

 

肩甲骨面挙上

坐位

 

外転

坐位

 

外旋

4+

4-

坐位

 

内旋

4

4

坐位

肘関節

屈曲

坐位

 

伸展

坐位

前腕

回外

4+

4-

坐位

 

回内

4+

4-

坐位

股関節

屈曲

4+

4-

坐位

 

伸展

4+

4-

坐位

 

外転

4+

4-

坐位

 

内転

4+

4-

坐位

 

外旋

坐位

 

内旋

坐位

膝関節

屈曲

4

坐位

 

伸展

坐位

足関節

背屈

坐位

 

底屈

4+

4-

坐位

*腰痛のためコルセットを装着したまま行った。

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COMBIT

右:股関節屈曲  9.3㎏(等尺角度75度)、 伸展 33.0㎏(等尺角度90度)

左:股関節屈曲 8.2㎏(等尺角度75度)、伸展 26.7㎏ (等尺角度90度)

 

四肢周径

(単位cm)

四肢周径

左右差

上腕周径(肘伸展)

24

24

0

前腕周径(最大部)

24

24

0

    (最小部)

16

16

0

膝蓋骨上縁

36.5

37

0.5

   5cm上

39

40

1

   10cm上

44

44

0

   15cm上

49

49

0

下腿(最大部)

37

37

0

 (最小部)

22

22

0

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反射検査

病的反射

右側

左側

ホフマン

(-)

(-)

トレムナー

(-)

(-)

ワルテンベルグ

(-)

(-)

バビンスキー

(+)

(-)

手掌頤

(-)

(-)

マイヤー

(-)

(-)

口尖らし

(-)

 

クローヌス

  

膝クローヌス

(-)

(-)

膝クローヌス

(-)

(-)

腱反射

反射(中枢)

右側

左側

上腕二頭筋反射  

(+++) 

(+++)

上腕三頭筋反射  

(+++)

(+++)

腕橈骨筋反射    

(+++)

(+++)

回内筋反射   

(+++)

(+++)

膝蓋腱反射    

(+++)

(+++)

アキレス腱反射    

(+)

(+)

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感覚検査

触覚

上腕

前腕

手指

大腿

下腿

足趾

軽度鈍麻(7/10)

軽度鈍麻(7/10)

軽度鈍麻(7/10)

軽度鈍麻(7/10)

軽度鈍麻(7/10)

軽度鈍麻(7/10)

正常(10/10)

正常(10/10)

正常(10/10)

正常(10/10)

正常(10/10)

正常(10/10)

位置覚、運動覚:正常

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バランス評価

Functional Reach Test(左上肢で測定)

1回目:17㎝

2回目:16.5cm

3回目:18㎝

 

片足立ち試験

(条件)両足裸足で床の上に立ち、閉眼して両手を自然に腰の両側にたらす。

(結果)閉眼時では両側ともに不可能

    開眼時:右足立ち1分30秒、左足立ち20秒 

*右足立ちの姿勢安定しており、バランス保持十分可能と判断したためこれ以上行わなかった。

 

立位保持時間

閉眼時 30秒

開眼時 1分30秒

*開眼時は姿勢安定しており、バランス保持十分可能と判断したためこれ以上行わなかった。

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10メートル歩行テスト

(条件)①歩行車使用 腰部にコルセット、運動靴を履き行った.

    ②独歩    腰部にコルセット、運動靴を履き行った.

 

(結果)      ➀    ②      

歩数(歩)     34            55

時間(秒)       22             28

歩行率(歩/分)   93.6         117.9

 

姿勢分析・動作分析

背臥位

左右対称で正中位である。股関節、膝関節軽度屈曲しており、足幅は開いている。

 

寝返り:自立レベル

軟性コルセット装着しており、手すりなどの物的介助を使用せずに可能。体幹前傾し肩、肘関節を屈曲し、骨盤後傾位にあるため股関節、膝関節も屈曲している。体軸内回旋行えないため左右両側とも丸太様に側臥位になっている。

 

起き上がり:自立レベル 

手すり使用で左右両側に可能。起き上がりは1度寝返りを行い側臥位になり、片手で手すりを持ち上肢の力で体幹をひきつけ下肢を下ろしながら起き上がる。腰痛により、坐位になることができない場合は腋窩部分を支持し少介助を行う。

坐位から臥位の状態へはまず手すりを持ち、体幹側方に傾きon elbowの状態となり、下肢をベッド上にあげ側臥位となり背臥位の状態となる。腰痛により背臥位になれないときには肩関節を支持し少介助を行う。

 

坐位:坐位保持自立レベル 

円背姿勢で頚部は屈曲、伸展の中間位である。足を肩幅に開き、両側足底接地しており、坐骨で支持し安定している。手すりなどを必要とせず、手は大腿部に置くことができ手を座面につかなくても安定した坐位とれる。

坐位バランス(ベッド端坐位にて両下肢を床につけた状態から行った。)

・右からの刺激

右側方からの外乱刺激に対して頭部は体幹同様に左に傾き、右上下肢に立ち直り反応見られた。保護伸展反応見られなかったためさらに強い刺激を加えると左上肢の保護伸展反応見られた。

・左からの刺激

左側方からの外乱刺激に対して頭部は体幹同様右に傾き、左上下肢に立ち直り反応、保護伸展反応見られた。

右側のほうが左に比べてバランス能力低下している。

 

立位:立位保持自立レベル

何もつかまらずに立位保持可能。骨盤後傾により重心が後方にあるのを前方に移すため、円背姿勢となり、体幹伸展、頭部前方へ突出、股関節、膝関節軽度屈曲した肢位をとっている。右肩が下がっていて足幅は肩幅に開いており、立位姿勢は安定している。

立位バランス(ロクボクの後方に立ち行った。)

前方への刺激

肩甲帯の後ろから刺激加えると体幹が棒のようにそのままの姿勢で倒れ、保護伸展反応により、前方のロクボクを持つ。

 

立ち上がり:近監視レベル

床から40cmの車椅子座位から物的介助(手すり)あれば可能。

・側方からの物的介助

車椅子の両側のアームレストを持ち、骨盤後傾位のため後方重心で体幹伸展位のまま上下肢の力で立ち上がる。立位から坐位になる時は両側のアームレストを持ち、後方重心で軽度体幹伸展位のまま坐位となる。

・前方からの物的介助

前方に手すり(床から75㎝)ある場合は上肢を前に伸ばし、上肢を前に伸ばすことにより体幹を前傾させながら股・膝関節伸展させ立ち上がる。立位から坐位になる際は骨盤後傾位のため後方重心で体幹伸展位のまま衝撃大きくお尻を強く打つように座る。前方からの物的介助(手すり)より体幹伸展位強いため坐位時の体にかかる衝撃が大きい。

 

移乗:近監視レベル(車椅子からベッド)

手すり使用で左右両側から行うことが可能。

車椅子からベッドに移る際は片手で手すりを把持し、把持した上肢に力をかけるように体幹を軽度前傾し立ち上がり、足をベッドに近づけ小刻みに回転し方向転換十分に行えず、後方重心で体幹伸展したまま衝撃大きくお尻を強く打つように座る。坐位になる際は腰部の痛みを訴えた時のみ少介助。

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歩行:近監視レベル

歩行車を使用し腰部にはコルセットをつけている。歩幅が狭く両足ともに遊脚期が短い。左右差見られず小刻み歩行である。足角大きく特に右側が大きい。体幹に回旋少なく、上肢の振りも少ない。立位時すでに円背で頭部前方突出しており、体幹、股関節、膝関節は軽度屈曲した状態から歩き始める。これは重心が後方にあるのを前方に移すため、円背姿勢となり、骨盤が後頚し股関節、膝関節の屈曲がおこっていると考えられる。片足立ちでは右足立ちに比べ、左足立ちの支持性落ちており、閉眼では行うことができない。10メートル歩行テストでは歩行車に比べ、独歩は歩数増加し歩行速度が遅く小刻み歩行が増強する。50m歩行可能である。

*耐久性の目安は500m以上連続歩行可能。

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階段昇降:近監視レベル

昇段、降段共に12.5cmの段差で、手すりは床から80㎝である。

昇段は1足1段で両手すり把持と1足1段で両手で左の手すり把持で行っている。

降段は1足1段で両手すり把持と2足1段で両手で右の手すり把持で行っている。

注意力散漫なところがあり、周囲を見渡しながら行うため、外的刺激により、バランスくずしやすく左にふらつくことが多い。昇段に比べ、降段のほうがバランス能力低下している。骨盤が後頚し重心が後方にあるのを前方に移すため、円背姿勢となり股関節・膝関節の屈曲がおこっている状態で昇降し下肢は外転・外旋位をとっている。後方に重心がのったまま上肢の支持で昇降するため転倒しやすい。降段の際足底がしっかり床から離れず、階段のふちにつまずく姿が見られる。

 

ADL評価

Barthel index: 75/100

食事:10自立 ベッド端に座り、サイドテーブルにて食事。右手で箸にて行う

車椅子からベッドへの移乗:10最小限の介助 近監視必要。腰痛時軽度の部分介助

整容:5自立

トイレ動作:10自立 ポータブルトイレ使用により自立

入浴動作:0全介助 現在は全介助である

平面歩行:10部分介助 独歩で45m以上可能だが近監視必要

階段昇降:5部分介助 手すりの使用などの物的介助と近監視必要

更衣動作:5部分介助 靴下を履くことが困難である。

排便の管理:10自立 便意あり。現在便が一日でない時は翌日浣腸行っているが生活への支障は少ない。

排尿の管理:10自立

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統合と解釈

本症例は第1腰椎圧迫骨折を呈し脳梗塞後の右片麻痺、多発性脳梗塞によるパーキンソン症候群の既往がある方である。コミュニケーションの状態は良好で認知・理解ともに問題ないように思えたが、少し物忘れがあり、HDS-Rから軽度の認知症が疑われた。また病識はあるのだが自分が動作しているときに周囲のことが気になり、周りを見渡す姿がよく見られるなど行動に対する注意力が低下しているため自分でリスク管理を十分行えていない状況にあり自立動作の危険性高く監視や口頭指示の必要性がある。腰痛がひどく腰にコルセットを着用しており、疼痛を頻繁に訴えられている。特に夜間背臥位時、立ち上がり時に痛みがあるとのことでこの腰部の疼痛が現在の活動性低下、ADL能力の低下の一番の原因となっている。しかし疼痛に対し直接的なアプローチは難しいため痛みの増強を防ぎ、痛みのない肢位、やり方を教えるなどの痛みの軽減をはかり、痛みが消失または軽減した際に病前の状態より活動性低下することのないように疼痛が持続している時も廃用症候群に注意し、筋力、耐久性を維持しておくことが重要であると考える。活動性低下、ADL能力低下の他の原因としてはBMI27という値から軽度肥満による動きにくさ、高齢による筋力、耐久性の低下、メンタル面で意欲低下、パーキンソン症候群の症状の出現などがあげられる。

また本症例のADL活動において最も注意しないといけないのは転倒の危険性である。転倒の危険性はバランス能力の低下によるものが一番の原因であると考える。しかしバランス能力と言ってもバランスは一概には言えず望月は解釈として外部から観察される現象自体を「バランス」、バランスにかかわる身体機能全体を「バランス能力」、バランス能力を構成する要素の中核をなす神経機能を「平衡機能」と区別しており、「バランス能力」と据える立場では神経機構のみではなく筋出力、関節可動域、疼痛、認知機能、呼吸循環機能など、姿勢調節にかかわる身体要素全体による機能をバランス能力とし、各要素の異常や要素間の関連性が重視される。反射階層理論に対してシステム理論的解釈が提起されるとのことである。またShumway-CookとWoollacottはバランスは姿勢の安定性と言い換えることができる用語として据え「姿勢の安定性は、支持基底面を変化させずに身体を保持できる範囲である安定域に身体重心を収めることができる能力」と述べており、支持基底面内で姿勢崩さす有効に使用できる範囲である安定域が大きいほど、また姿勢の調節の不安程度を表す重心動揺が小さいほど、安定域から身体重心が外れる頻度が少なくなり、一定の支持基底面における姿勢の安定性は高くなると推測されている。

本症例はパーキンソン症候群の症状の特徴である姿勢反射障害、固縮、無動が複雑に影響しあって重心線は、本来落ちるべき足関節方向とは異なっており、本来の位置より後方にあり、また支持基底面を狭くする傾向があり、重心線を落とすことがから外れたときには安定域へ重心を復位させる動きの困難さが見られる。パーキンソン症状は重心動揺が小さく重心可動域も小さい不安定型であるといわれる。また、筋緊張が常に亢進、関節可動域の制限(膝関節伸展)、腰部の疼痛、筋出力の調節がうまくできないこともバランス能力低下の原因と考えられる。行動中にバランス評価のFunctional ReachTestは前後方向の動的立位バランス指標であり文献によるとFunctional Reachが10インチ(25.4cm)以上の高齢者に対して、リーチできない高齢者の6ヶ月間の転倒発生率は8.07倍、6インチ(15.3㎝)未満では4.02倍、6~10インチ(15.3~25.4cm)では2.00倍であったと報告されており本症例は三回の測定の平均17.5㎝で考えると二倍の転倒の危険があるということが分かる。また本症例は片足立ち試験(おもに足関節の動的制御によって側方の安定性を調べるもの)で左片足立ちの支持性弱く左側に倒れやすい傾向にあるという結果となった。一般的には右側に軽度片麻痺の症状があるため右側の支持性低下すると考えられるが本症例では逆であった。筋力においても同様の結果となっている。これはBRS上肢:Ⅵ、下肢:Ⅴ、手指:Ⅴと右片麻痺軽度のためほとんど症状現れず、また利き手が右であるということで筋力、支持性があると考えられないこともないが、多くの疑問が残っている。     

本症例の長期ゴールである家庭復帰困難にしている要因として階段昇降が不安定(バランス能力低下)であり、転倒の恐れがあるということである。自宅に入る前に15~20cmの階段が18段(左側に手すりあり)あるため、安定性が得られ、近監視で介助者の負担がかからないようにならないと家庭復帰は難しいと考える。階段昇降を不安定にしている原因として、動的バランス能力の低下があげられる。動的バランスの低下には前途した、様々な原因があげられるが最も重要なのは後方重心によるアライメントの異常(パーキンソン症候群特有の症状である前傾姿勢による腹筋筋力の低下)、筋緊張亢進(下腿三頭筋、ハムストリングス)、左上下肢筋力低下であると考えこれに重点をおいてアプローチをしていきたいと考える。これらの要素が改善されれば、動的バランスは向上し階段昇降が安定して近監視レベルで行えるのではないかと考える。

 

問題点

Impairmentレベル

#1 腰部の疼痛

#2 パーキンソン症候群

#3 筋緊張亢進(下腿三頭筋、ハムストリングス、脊柱起立筋) 

#4 筋力低下(左上下肢)

#5 関節可動域低下(膝関節の伸展、体幹回旋、側屈)

#6 肥満

#7 メンタル低下

 

Activity limtationレベル

#8 バランス能力低下(#2,3,4,5,7)

#9 基本動作能力低下(#1~7)

#10   歩行能力低下  (#1~7)

#11   ADL能力低下 (#1~7)

 

Participation restrictionレベル

#12 家庭復帰困難

 

環境因子

自宅までに15~20cmの段差の階段が18段ある

 

個人因子

肥満、高血圧症、年齢

 

ゴール設定

短期ゴール(3週間):階段昇降近監視レベル(片手1足1段で可能)

長期ゴール(3ヶ月):家庭復帰

 

治療プログラム

これらの問題点にアプローチするため、以下のような治療プログラムを作成した。治療プログラム行う前に本症例は高血圧症があるため、必ずバイタルチェックを行う。

➀物理療法

ホットパック (1日1回 15分)

目的:痛み軽減により運動行いやすくするため。リラックス効果

方法:車椅子坐位で腰部の疼痛部位にあてる。運動始める前に行う。

 

②運動療法

筋の伸張訓練(1日1回)

目的:短縮筋(下腿三頭筋、ハムストリングスの伸張)

方法:他動的伸張を行う。

 

起立訓練 (1日1セット、1セット:50回)

目的:➀立ち上がり動作の安定と下肢の筋力増強。②腹筋の収縮力増大、意欲向上のため数を大きな声で数えながら行う。

方法:➀手すりの位置を低くししっかり体幹前傾して行うようにする。座る際は座面にゆっくり腰かけるように指導する。上肢の力より、下肢に力を入れてもらうように促す。②立ち上がり時に数を数えながら行う。

 

階段昇降

目的:動的バランス向上させ階段昇降時に安定

方法:口頭指示を行いながら、両手すり把持で2足1段可能を片手すりで1足1段可能

 

歩行訓練

目的:パーキンソン症候群による動作緩慢、小刻み歩行にアプローチするとともに耐久性を向上させる。

方法:口頭指示を行いながら、近監視で独歩で行う。口頭指示で視線は前向き、体幹伸展させ正しい姿勢をとらせるようにし、上肢の振り、足を上げることを促す。

このほかに肥満の進行防ぐため、一日の塩分量を制限、甘いものを食べ過ぎないようにするなどの食事指導をおこなっていく。また、家庭復帰に向けて外的環境の調整、介護サービスなどの社会資源を利用して対象者のQOL向上並びに家族の負担軽減を目指し、ADL動作の実用性、耐久性を重視して廃用症候群の予防を目的としてアプローチしていきたい。

 

【参考文献】

  1. PTジャーナル:第30巻第12号・1196年12月
  2. リハビリテーションにおける評価Ver.2:米本恭三著.医葉薬出版株式会社.2000,p117
  3. 理学療法学 第32巻第7号 416~422貢 2005
  4. 理学療法学 第32巻第4号 192~196貢 2005
  5. 理学療法学 第19巻第8号  2002

 

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疾患名
特徴
脳血管疾患

脳梗塞

高次脳機能障害 / 半側空間無視 / 重度片麻痺 / 失語症 / 脳梗塞(延髄)+片麻痺 / 脳梗塞(内包)+片麻痺 / 発語失行 / 脳梗塞(多発性)+片麻痺 / 脳梗塞(基底核)+片麻痺 / 内頸動脈閉塞 / 一過性脳虚血発作(TIA) / 脳梗塞後遺症(数年経過) / トイレ自立を目標 / 自宅復帰を目標 / 歩行獲得を目標 / 施設入所中

脳出血片麻痺① / 片麻痺② / 片麻痺③ / 失語症 / 移乗介助量軽減を目標

くも膜下出血

片麻痺 / 認知症 / 職場復帰を目標

整形疾患変形性股関節症(置換術) / 股関節症(THA)膝関節症(保存療法) / 膝関節症(TKA) / THA+TKA同時施行
骨折大腿骨頸部骨折(鎖骨骨折合併) / 大腿骨頸部骨折(CHS) / 大腿骨頸部骨折(CCS) / 大腿骨転子部骨折(ORIF) / 大腿骨骨幹部骨折 / 上腕骨外科頸骨折 / 脛骨腓骨開放骨折 / 腰椎圧迫骨折 / 脛骨腓骨遠位端骨折
リウマチ強い痛み / TKA施行 
脊椎・脊髄

頚椎症性脊髄症 / 椎間板ヘルニア(すべり症) / 腰部脊柱管狭窄症 / 脊髄カリエス / 変形性頚椎症 / 中心性頸髄損傷 / 頸髄症

その他大腿骨頭壊死(THA) / 股関節の痛み(THA) / 関節可動域制限(TKA) / 肩関節拘縮 / 膝前十字靭帯損傷
認知症アルツハイマー
精神疾患うつ病 / 統合失調症① / 統合失調症②
内科・循環器科慢性腎不全 / 腎不全 / 間質性肺炎 / 糖尿病 / 肺気腫
難病疾患パーキンソン病 / 薬剤性パーキンソン病 / 脊髄小脳変性症 / 全身性エリテマトーデス / 原因不明の歩行困難
小児疾患脳性麻痺① / 脳性麻痺② / 低酸素性虚血性脳症
種々の疾患が合併大腿骨頸部骨折+脳梗塞一過性脳虚血発作(TIA)+関節リウマチ

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