歩行分析 無料評価シート

【実習】歩行分析のポイント!【図付き評価シートダウンロード可】

2021年12月15日

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師を目指す学生に向けた、評価ポイント解説シリーズ。

今回は、「歩行分析」です。

歩行分析は、歩行自立を目指すためなど、特に理学療法の業界ではとても大事な評価項目になります。

今回は、分析・評価ポイントの解説に加えて、「歩行分析」に最適な評価シートを用意したので、ダウンロードして実習に臨んでください。

もちろん、ダウンロードは無料です。

トコル
当サイトは、歩行分析以外にも実習に必要な評価のほとんどを網羅しています!記事の最後にまとめてあるので、あわせてご活用ください!

 

実習に最適!「歩行分析」の記録用紙(評価シート)無料ダウンロード

↓画像クリックで拡大↓

歩行分析の方法は、10人の理学療法士がいれば10通りの方法があると言っても過言ではありません。

あなたがやりやすい方法を見出すことが重要です。

一般的に使用されている分析・評価シートを3種類用意したので、使いやすいものをダウンロードして望んでください。

歩行や動作分析の時に、「棒人間」で患者の姿勢・運動を表現したい!という人は、こちらの記事(【実習】思い通りに作成!動作分析に最適「棒人間」ダウンロード)からダウンロード可能なので、ぜひご活用ください。

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実習に必須!歩行分析のポイント

それでは、ここからは歩容の問題点をあげて、その原因として考えられるものを列挙してまいります。

歩行分析の際に見るべきポイントにもなりますので、しっかりと抑えておきましょう。

 

立脚期

健側への体幹の傾きが見られる場合

筋力

・股関節外転筋のコントロール性の低下。

股関節外転筋は踵接地から立脚中期にかけて遊脚側の骨盤を引き上げる働きをしている。

股関節外転に働く筋としては、中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋・縫工筋・大殿筋(上部)・梨状筋・内閉鎖筋がある。

健側へ体幹が傾く異常歩行を「トレンデレンブルク歩行」という。(→MMTを実施)

 

・股伸展・膝伸展・足底屈筋のコントロール性低下。

これらの筋は立脚期において体重を支える働きをしているが、コントロール性低下により支持安定性が下がり、重心をあまり患側に移せなくなる。

その結果、体幹の傾きを生じる。(→MMTを実施)

 

関節可動域

・股関節の内転位拘縮。

内転位拘縮があった場合は、立位時のアライメント不整や、遊脚相での「はさみ脚歩行」も見られる。(→ROM-Testを実施)

 

痙性

・股関節内転筋の痙性。

股関節内転筋の痙性により内転。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

共同運動パターンの出現

・下肢伸筋パターンが出現(足底接地による陽性支持反応・股関節伸展による共同運動)し、股関節内転筋の緊張が高まり、内転する。(→片麻痺の検査を実施)

 

感覚障害

・深部感覚障害。

荷重感覚が低下し、患側へ体重がのせられない。

足元を見て感覚低下の代償をしたり、遊脚から立脚に移行する際、足底を地面に叩きつけるようにする。(→感覚評価を実施)

 

アライメント

・頸体角が小さい。

大腿骨頭から大転子までの距離が短い。

先天性股関節脱臼でも頸体角が小さくなる。

以上は全て、ベクトルの向きや、テコの柄が短くなり股関節外転筋が十分に働かないことによる。(→レントゲンを見る)

 

・内反膝(相対的頸体角の減少を招く)。

足部内反(足部の側方動揺性が大きくなり、支持性が低下する)。(→立位によるアライメント評価)

 

・脊椎の側弯。

痛みからの逃避などの場合は、側弯は立位では軽減する。(→Adamポジションを取ってもらい確認する)

 

・下肢長が長い。

下肢長差が大きい場合、両脚支持期において下肢長が短い方の骨盤が下がり、体幹が傾く。

よって、片脚支持期においても、骨盤を引き上げるには通常よりも大きな股関節外転力が必要となる。(→形態測定を実施)

 

失認

・半側空間無視。

障害側を無視するため、体幹が健側に傾く。(→半側空間無視の場合は線の2等分テスト、半側身体失認の場合は障害側をぶつけたりしないか観察する)

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その他

・疼痛により、患側へ体重がのせられない。(→痛みの評価を実施)

 

・患側立脚期が短い。

立脚期が短くなると立脚側への重心の側方移動が減少し、健側(遊脚側)に体幹が残る。

立脚期が短くなる原因としては、足関節・膝関節・股関節の安定性の低下(筋による支持コントロール性低下・靭帯損傷・アライメント不整などが考えられる)、感覚障害、疼痛などがある。(→立脚期が短くなっている原因をさぐり、それぞれに適したテストを行う)

 

患側への体幹の傾きが見られる場合

筋力

・股関節外転筋のコントロール性低下。

股関節外転筋は遊脚側の骨盤を引き上げる働きをしているが、この力が不足しているのを体幹を患側へ傾けることにより代償しようとする。

この歩行を「デュシャンヌ歩行」という。(→MMTを実施)

 

アライメント

・頸体角が小さい。

大腿骨頭から大転子までの距離が短い。先天性股関節脱臼。(→レントゲンを見る)

 

・内反膝。足部内反。(→立位によるアライメント評価)

 

・脊柱の側弯。

除痛のため立脚側へ体幹を傾けるとは考えがたいので、構築学的側弯の可能性が高い。(→Adamポジションで確認)

 

・下肢長が短い。

遊脚側下肢をすらないよう、体幹を立脚側へ傾けることにより骨盤を引き上げることがある。(→形態測定を実施)

 

その他

・筋性疼痛。

筋活動により疼痛が発生する場合、患側下肢に重心を近づけ筋への負担を小さくして痛みを軽減する。

ただし、骨・関節に疼痛があれば患側への体幹の傾きは起こらない。(→痛みの評価を実施)

 

健側骨盤の落ち込みが見られる場合

筋力

・股関節外転筋のコントロール性低下。(→MMTを実施)

 

・股伸展・膝伸展・足底屈筋のコントロール性低下。

支持安定性が下がり、健側骨盤が落ちる。(→MMTを実施)

 

関節可動域

・股関節の内転位拘縮。

立脚側が内転位にあった場合、床面に垂直に立とうとすると、健側の骨盤が下がる。(→ROM-Testを実施)

 

痙性

・股関節内転筋の痙性。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

共同運動パターンの出現

・下肢伸筋パターンが出現(足底接地による陽性支持反応・股関節伸展による共同運動)し、股関節内転筋の緊張が高まり、内転する。(→片麻痺の検査を実施)

 

感覚障害

・深部感覚障害。

荷重感覚が低下し、患側へ体重がのせられない。

足元を見て感覚低下の代償をしたり、立脚相に移行する際、足底を地面に叩きつけるようにする。

(→感覚評価を実施)

 

アライメント

・頸体角が小さい。

大腿骨頭から大転子までの距離が短い。先天性股関節脱臼。(→レントゲンを見る)

 

・内反膝。(→立位によるアライメント評価)

 

・脊椎の側弯。(→Adamポジションを取ってもらい確認する)

 

・下肢長が長い。(→形態測定を実施)

 

その他

・疼痛により、患側へ体重がのせられない。(→痛みの評価を実施)

 

股関節伸展が十分に出来ない場合

筋力

・股関節伸展筋のコントロール性低下。

股関節伸展に働く筋としては大殿筋・ハムストリングス・中殿筋(後部)・小殿筋(後部)・大内転筋(膝腱部)がある。

踵接地の際、慣性の力によって体が前に倒れるのを股関節伸展筋が制御するが、これが機能しなくなるので、体幹を後屈し立脚側の骨盤を後方に引いて代償する。

この歩行を「大殿筋歩行」という。(→MMTを実施)

 

・膝関節伸展筋のコントロール性低下。

膝関節伸展に働く筋は大腿四頭筋である。

膝関節伸展筋は踵接地から足底接地まで働く。

膝関節伸展作用が弱い場合、膝を過伸展位でロックすることにより膝折れを防ぐ。

そのため、足底接地期でのダブルニーアクションが起こらず、重心の上下動が大きくなる。

また、膝折れを防ぐため、立脚期の早い段階から立脚側の骨盤を後方へ引く動きも見られ、これが股関節伸展の制限となる。(→MMTを実施)

 

・足関節底屈筋のコントロール性低下。

足関節底屈に働く筋は腓腹筋・ヒラメ筋である。

足底接地から踵離地まで足関節底屈筋が働き、足関節を固定する。

底屈筋のコントロール性が低下し、足関節を固定できず背屈してしまうので骨盤を後方へ引くことにより代償する。

これにより股関節が伸展不足となる。

また、通常よりも早い時期に踵離床を行ってしまう。(→MMTを実施)

 

関節可動域

・股関節の屈曲位拘縮。(→ROM-Testを実施)

 

・足関節の底屈位拘縮。

足が底屈位拘縮していると、フットフラット以降の股関節伸展の動きが阻害される。(→ROM-Testを実施)

 

感覚障害

・深部感覚障害。

関節覚が低下し、股関節の伸展度が分からない。

視覚による代償を用いることがある。(→感覚評価を実施)

 

その他

・足部(特に前足部)の痛み。

足関節底屈筋の疼痛。

痛みのため蹴り出しが行えず股関節が十分に伸展しない。(→痛みの評価を実施)

 

・腰背部痛。

疼痛を避けるため体幹の前屈がおきる。

このため股関節は伸展の制限を受ける。(→痛みの評価を実施)

 

股関節内転となる場合

筋力

・股関節外転筋のコントロール性低下。

股関節外転筋のコントロール性低下がおこると健側骨盤が下がり、立脚側股関節は内転位をとる。(→MMTを実施)

 

関節可動域

・股関節の内転位拘縮。(→ROM-Testを実施)

 

痙性

・股関節内転筋の痙性。

股関節内転筋の痙性により内転。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

共同運動パターンの出現

・下肢伸筋パターンが出現(足底接地による陽性支持反応・股関節伸展による共同運動)し、股関節内転筋の緊張が高まり、内転する。(→片麻痺の検査を実施)

 

膝の過伸展が見られる場合

筋力

・膝伸展筋のコントロール性低下。

床反力作用線が膝軸の後ろを通ると、膝は屈曲方向の力を受ける。

これを伸展筋が防ぐ。

膝伸展筋の作用が弱い場合は、踵接地期から立脚中期にかけて膝折れしないよう過伸展し、骨性のロックをかける。

ダブルニーアクションが起こらないので、重心の上下への動揺が大きくなる。(→MMTを実施)

 

関節可動域

・足関節の底屈位拘縮。

尖足。下腿三頭筋の短縮などにより、足関節に背屈制限があると、踵に体重がのせられないので、体幹を前屈して立脚側骨盤を後方に引き、膝を伸展したまま立脚相をすぎる「おじぎ歩行」となる。

また、遊脚時にはつま先を引きずったり、フットクリアランス確保のため代償として膝を高く持ち上げる「鶏歩・下垂足歩行」となる。(→ROM-Testを実施)

 

感覚障害

・深部感覚障害。

関節覚が低下し、膝の伸展度が分からない。

片脚支持期の際、膝に加わる力や膝が伸びた感覚が十分伝わらないので、過伸展によりロックしてしまう。(→感覚評価を実施)

 

痙性

・膝伸展筋の痙性。

膝伸展筋の痙性が高まる。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

共同運動パターンの出現

・下肢伸筋パターンが出現し、足関節底屈筋の痙性が高まり、尖足となる。(→片麻痺の検査を実施)

 

その他

・膝伸展筋の疼痛。

疼痛のため膝伸展筋が十分に機能しない。

そのため過伸展によってロックする。(→痛みの評価を実施)

 

膝が十分に伸びない場合

筋力

・股関節・膝・足関節伸展筋のコントロール性低下。

膝関節伸展筋の作用が低下すれば、膝折れの危険がある。

一般には骨盤を後ろに引いたり股関節を伸展することによって膝を過伸展ロックするといった代償がおきるが、股関節伸展筋にコントロール性低下があればこれが出来ず、立脚期に膝が十分伸びなくなる。

また、股関節が十分に伸展しないと、床反力作用線が常に膝軸の後方を通ることになり、膝伸展を阻害する。(→MMTを実施)

 

関節可動域

・膝関節屈曲位拘縮。(→ROM-Testを実施)

 

・腓腹筋の短縮による足関節背屈制限(ただし、膝を屈曲すれば足関節背屈が出来る)。

足関節を背屈させようとすると、腓腹筋は2関節筋なので膝は屈曲して伸びない。(→膝屈曲・膝伸展位での足関節の背屈ROM-Testを実施))

 

・足関節背屈位拘縮。

足関節が背屈位で固まっているため、フットフラット時に膝が屈曲してしまう。(→ROM-Testを実施)

 

感覚障害

・深部感覚障害。

関節覚が低下し、膝の伸展度が分からない。(→感覚評価を実施)

 

痙性

・膝関節屈曲筋の痙性。

屈筋に痙性があるため膝を伸ばすことが出来ない。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

共同運動パターンの出現

・下肢屈筋パターンが出現。

遊脚後期から踵接地にかけて股関節は屈曲するので、屈筋共同運動が出現し、膝が伸展しないまま踵接地する。(→片麻痺の検査を実施)

 

その他

・疼痛。

疼痛回避歩行のパターンは様々だが、患側立脚期を短くするために、膝・股関節屈曲のまま伸展せずに遊脚期に移行することがある。(→痛みの評価を実施)

 

膝の動揺が見られる場合

筋力

・膝伸展筋のコントロール性低下。

踵接地から立脚中期にかけて、荷重により膝が屈曲するのを大腿四頭筋が遠心性収縮して固定する。

この働きが低下するので膝に動揺がおきる。(→MMTを実施)

 

・足関節底屈筋のコントロール性低下。

底屈筋と前脛骨筋などの背屈筋が共に働き、足部を安定させる。

足部の不安定は膝の動揺となって現れる。(→MMTを実施)

 

感覚障害

・深部感覚障害。

関節覚や荷重感覚の低下により立脚側に十分に体重がのせられなくなり、歩容が乱れる。(→感覚評価を実施)

 

靭帯

・膝の側副靭帯の緩み。

側副靭帯の損傷により、側方安定性が低下する。(→内外反ストレステスト)

 

・膝の十字靱帯の緩み。

十字靱帯の損傷により前後安定性が低下する。(→前方引き出し(ACL)・後方押し込み(PCL)テスト)

 

・前距腓靱帯と踵腓靱帯の緩み。

これらの靱帯が損傷することにより、足関節の側方安定性が低下し、下腿の不安定を招く。(→踵骨を内がえしして、前距腓靱帯・踵腓靱帯の触知を行う)

 

その他

リウマチ・変形性膝関節症などによる関節の破壊やアライメント不整。(→レントゲンを見る、アライメント評価)

 

膝屈曲制限(立脚後期)が見られる場合

筋力

・足関節底屈筋のコントロール性低下。

踵離床から足尖離床にかけて足関節は底屈し、蹴り出しを行うが、これが出来ないため膝は屈曲しない。

また、足関節底屈の主動作筋である腓腹筋は膝屈曲も行う2関節筋なので、腓腹筋にコントロール性の低下があれば膝屈曲の力は弱くなる。(→MMTを実施)

 

関節可動域

・足関節の底屈位拘縮。

背屈制限があるので、立脚中期以降の膝屈曲の動きが制限される。(→ROM-Testを実施)

 

痙性

・膝伸展筋の痙性。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

・足関節底屈筋の痙性。

足関節が背屈できなくなり、膝関節に屈曲制限がおこる。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

過度の足関節底屈位が見られる場合

筋力

・膝伸展筋のコントロール性低下。

膝折れを防ぐため、患側骨盤を後方へ引いて膝を過伸展位でロックする。

床反力作用線が膝軸の後方を通らないようにするため、足関節は底屈位にとどまる。(→MMTを実施)

 

・足関節底屈筋のコントロール性低下。

足関節底屈筋は背屈筋と共に働いて、足関節を安定させているが、底屈筋の作用が低下すると、安定化作用が弱くなる。

このため、患側に体重をのせると足関節が背屈方向に折れてしまう。

これを防ぐために、足関節を背屈位にせず底屈位のまま保持しようとする。(→MMTを実施)

 

関節可動域

・足関節底屈位拘縮。

下腿三頭筋などの短縮でおこる。(→ROM-Testを実施)

 

痙性

・足関節底屈筋の痙性。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

その他

・痛み。

痛みがあるため踵を床につけようとせず、足関節は底屈位となる(爪先立ちのような感じで立脚期をすぎる)。

この場合、患側立脚期は短くなる。(→痛みの評価を実施)

 

内反が見られる場合

筋力

・外反筋のコントロール性低下。

主な外反筋は長腓骨筋・短腓骨筋である。

外反筋が内反筋に対して適切に収縮できず、内反位になってしまう。

踵接地が軽度内反で行われることから、ここで内反位となり、足底接地では外側のみが接地する。

しかし、立脚が進むにつれて荷重が強まり、足底内側も接地し、全足底接地となる。

また、踵離地から足尖離地にかけても内反に筋が収縮するため、母趾球での蹴り出しが弱くなり、推進力は低下する。(→MMTを実施)

 

痙性

・内反筋の痙性。

主な内反筋は前脛骨筋・後脛骨筋である。

足部は内反傾向を示し、患側足部の外側でのみ体重を支持することになる。

内反により全体としての脚長が短くなることから、立脚中期に膝関節の屈曲(10゜~15゜)がみられず、立脚期を通して、膝は伸展位となる。

これは体幹の前方と患側への傾きを招く。

また、踵離地から足尖離地においても、足底外側のみで蹴り出すことになる。

これは母趾球で蹴り出せないのとともに、底屈筋でもある内反筋(後脛骨筋、長母指屈筋、長指屈筋)の痙性により、推進力低下を意味する。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

共同運動パターンの出現

・足関節内反は屈筋パターン、伸筋パターンのどちらでも出現する。(→片麻痺の検査を実施)

 

その他

・内反変形。

脛骨の内果が脛骨下関節面から1㎝以上下方まで伸びていることはほとんどないが、腓骨の外果下方は脛骨下関節面最下部より2㎝以上下方に伸びている。

よって、生理的に内反しやすい傾向をもつ。(→形態測定を実施)

 

蹴り出し時の足底部の動きがない場合

筋力

・足底屈筋のコントロール性低下。

踵離地から足尖離地に足底屈筋のコントロール性低下により、蹴り出しが十分にできない。

前方への推進力低下とともに、加速期から遊脚中期に起こる膝屈曲も慣性力が弱いために減弱する。(→MMTを実施)

 

・股関節・膝関節伸展筋のコントロール性低下。

股関節伸筋のコントロール性低下により立脚期での推進力が落ちる。

また、膝関節伸展筋のコントロール性低下では踵接地に起こる膝完全伸展から立脚中期にかけての軽度膝屈曲時に膝折れとなってしまうか、膝折れが起きないように常時膝を伸展位でロックして立脚期を行なうこととなる。

そのため、足関節は背屈のみの運動しかできず、足底部の動きは出ない。(→MMTを実施)

 

感覚障害

・固有感覚の障害。

足関節の関節運動角度が分からないために、踵離地から足尖離地にかけて必要な15゜背屈から20゜底屈という動きがフィードバックされず、背屈から底屈への切り替えがうまく行なえない。

もしくは、視覚で確認しながらの歩行となる。(→感覚評価を実施)

 

その他

足趾の弯曲が生じることにより、長母指屈筋、長指屈筋などの短縮がおき、筋の収縮が弱くなる。

縦足アーチも崩れ、さらに前足部での蹴り出しもできないため、足関節による蹴り出しは減弱する。

 

遊脚期

骨盤の前方回旋が欠如している場合

選択的コントロールの欠如

・片麻痺では患側骨盤を常に引いた立位姿勢を取ることが多く、遊脚期に起こる骨盤の前方回旋を出せない。

歩行の際、健常者では肩甲帯と骨盤帯は逆方向へ回旋(体軸回旋)するが、これが見られず、患側上肢の振りも見られない。(→片麻痺の検査を実施)

 

立脚期での膝折れを防ぐ

・大腿四頭筋のコントロール性低下などで立脚期に膝折れがおきる場合、患側骨盤を後方に引くことにより膝を伸展ロックさせる。

このため、遊脚期でも骨盤の前方回旋が欠如する。(→立脚期の歩容を観察する)

 

股間接の屈曲が不十分な場合

筋力

・股関節屈筋のコントロール性低下。

正常では、加速期に腸腰筋・大腿直筋などによる求心性収縮が起こり、股関節が35゜まで屈曲するが、股屈筋のコントロール性低下がある場合は、これが減弱する。

それに伴い、股関節屈曲終了後の慣性による下腿の振り出しも弱まり、踵接地での完全伸展を生み出せず、膝折れが生じやすい。(→MMTを実施)

 

感覚障害

・固有感覚の障害。

35゜という必要な股関節屈曲を引き出せなくなり、股関節屈曲終了後の慣性による下腿の振り出しも弱まる。

下肢の動きが特に悪いものでは、踵接地時に膝が屈曲したままであるため、見た目の脚長が短くなり、重心の上下動が大きくなる。

もしくは、視覚で確認しながらの歩行となる。(→感覚評価を実施)

 

痙性

・大腿四頭筋の痙性。

股関節の屈曲拘縮を起こしていることも考えられ、屈曲方向への動きの減少から(大腿四頭筋に痙性があるため、十分に活動できない)股関節屈曲が不十分となる。

さらに、痙性により十分な伸展が行なえないことから、立脚期にその代償として「おじき歩行」が現れる。

反張膝になる危険性も考えられる。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

・股関節伸展筋の痙性。

股関節伸展筋に痙性があるため、屈曲に制限が生じる。

ただし、中枢神経障害では、股関節屈曲筋の緊張が高まることはまれである(股関節は屈曲を示すことが多い)。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

分回しが見られる場合

関節可動域

・股関節・膝関節の屈曲制限。

フットクリアランスに必要な下肢の見た目の短縮が行なえず、足部を床面に擦ってしまうため、外方への分回しや「伸び上がり歩行」をすることで代償している。(→ROM-Testを実施)

 

筋力

・股関節・膝関節屈筋のコントロール性低下。

フットクリアランスに必要な下肢の見た目の短縮が行なえず、足部を床面に擦ってしまう。(→MMTを実施)

 

共同運動パターンの出現

・屈筋共同運動パターンが出現する。

股関節屈曲が下肢屈筋共同運動の最強の要素であるため、遊脚期での股関節屈曲の際に外転・外旋を誘発してしまい、その結果として分回し歩行となる。(→片麻痺の検査を実施)

 

痙性

・大腿四頭筋の痙性。

痙性により膝関節の伸展位からの解放が困難となり、いわゆる棒足状態となっている。

フットクリアランス確保のため、外転位で振り出して代償する。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

膝のこわばりが見られる場合

筋力

・膝屈筋(ハムストリングス)のコントロール性低下。

下腿は慣性によって前方へ振り出されるが、ハムストリングスが遠心性に収縮することにより、この振り出しを調節している。(→MMTを実施)

 

痙性

・大腿四頭筋の痙性。

遊脚期には股関節は屈曲するが、大腿四頭筋は2関節筋なので痙性があると、膝の動き(足尖離地から加速期にかけて40゜~60゜まで屈曲を増し、加速期以降は伸展する)の滑らかさがそこなわれる。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

共同運動パターンの出現

・屈筋共同運動パターンの出現。

股関節屈曲により屈筋共同運動パターンが出現し、膝関節の分離運動がスムーズに行なえない。

遊脚期は健側に対して長くなる。(→片麻痺の検査を実施)

 

膝の伸展が不十分な場合

筋力

・大腿四頭筋のコントロール性低下。

遊脚中期から踵接地にかけての膝関節の伸展が困難となる。

下腿の振り出しができず、膝折れや過度の重心の上下動を起こす。

さらには、ハムストリングスは下肢の振り出しの減速や、歩幅を安定させるために遠心性に収縮する筋であるため、歩幅が不安定となることも考えられる。(→MMTを実施)

 

関節可動域

・膝関節屈曲拘縮。

屈曲位のままであるため、蹴り出しも弱く、もちろん下腿の振り出しはできない。

過度の重心の上下動、膝折れが起き、足関節の動きもほとんど見られなくなる。(→ROM-Testを実施)

 

痙性

・ハムストリングスの痙性。

遊脚中期から踵接地にかけての膝関節の伸展が困難となる。

下腿の振り出しができず、膝を完全伸展で踵接地できないので、膝折れや過度の重心の上下動を起こす。

さらには、ハムストリングスは下肢の振り出しの減速や、歩幅を安定させるために遠心性に収縮する筋であるため、歩幅が不安定となることも考えられる。(→筋緊張・被動抵抗の確認)

 

感覚障害

・固有感覚障害。

踵接地に必要な膝関節の完全伸展に達したかどうかがわからないままに接地してしまう。

歩幅の不同、立脚時の膝折れ、重心の上下動をおこす。

もしくは、視覚で確認しながらの歩行となる。(→感覚評価を実施)

 

その他

・立脚肢の弱化により遊脚期が短い。

下腿の振り出しが終了する前に踵が接地してしまう。

立脚肢の足関節に問題がなければ、伸び上がり歩行で立脚期を長くするか、患側(遊脚肢)の歩幅を減らし、立脚期終了に下腿の振り出し終了を合わせる。(→歩幅の確認)

 

過度の足底屈曲(尖足)が見られる場合

筋力

・足関節背屈筋のコントロール性低下。

フットクリアランスに必要な足関節軽度背屈が不十分となる。

足尖をひきずるか、「健側での伸び上がり歩行」「分回し歩行」で代償する。

接地では、踵接地より先に前足部が接地し、続いて踵接地(足底接地)となる。

仮に踵接地から入れたとしても、足背屈曲のコントロール不十分により、フットスラップを起こしてしまう。(→MMTを実施)

 

関節可動域

・足関節の底屈拘縮。

加速期から減速期にかけてのフットクリアランスのために、足関節を軽度背屈位に保たなければならない。

それが行なえないために足尖をひきずるか、健側での「伸び上がり歩行」「分回し歩行」となる。

また、踵接地ができないことから、荷重するために股関節屈曲、膝関節伸展で踵を接地させることもある(おじぎ歩行)。

健側での踏み切りは見られなくなる。

その結果、反張膝を引き起こす。

全歩行周期を通して、股関節の伸展は起きない。(→ROM-Testを実施)

 

感覚障害

・固有感覚の障害。

関節運動角度がわからないため、足関節背屈から底屈への切り替えができない。

フットクリアランスに必要な足関節軽度背屈が不十分となる。

足尖をひきずるか、「健側での伸び上がり歩行」「分回し歩行」で代償する。

接地では、踵接地より先に前足部が接地し、続いて踵接地(足底接地)となる。

もしくは、視覚で確認しながらの歩行となる。(→感覚評価を実施)

 

共同運動パターン

・遊脚中期からの膝関節伸展により、下肢の伸筋共同運動が起こり(膝関節伸展は下肢伸筋共同運動の最強要素)、足関節が軽度背屈位から底屈してしまう。

床面に足尖をぶつけてしまうか、「健側での伸び上がり歩行」「分回し歩行」で代償する。

接地では、踵接地より先に前足部が接地し、続いて踵接地(足底接地)となる。

 

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