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【被殻出血+片麻痺】レポート・レジュメの作成例【実習】

2021年12月24日

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師を目指す学生に向けた、レポート・レジュメの作成例シリーズ。

今回は、「被殻出血+片麻痺」の患者のレポート・レジュメです。

実習生にとって、レポート・レジュメの作成は必須です。

しかし、書き方が分からずに寝る時間がほとんどない…という人も少なくありません。

当サイトでは、数多くの作成例を紹介しています。

紹介している作成例は、すべて実際に「優」の評価をもらったレポート・レジュメを参考にしています(実在する患者のレポート・レジュメではありません)。

作成例を参考にして、ぜひ「より楽に」実習生活を乗り切ってください!

 

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今回ご紹介するレポートの患者想定

 

今回ご紹介する患者想定

  • 病院に入院中
  • 被殻出血を発症

  • 左片麻痺を呈する

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「被殻出血+片麻痺」のレポート・レジュメ作成例

A.はじめに

今回、右被殻出血より左片麻痺を呈した症例を担当したので、以下に報告をする。

 

B.症例紹介

【職業】なし

【利き手】右

【主訴】左上下肢がわかりにくい・感覚がない、夜は特に左上下肢が重く感じる、夜十分に寝れない、左肩が痛い

【ニーズ】歩きたい

【病名】右被殻出血

【障害名】左片麻痺

 

C.社会的情報

【趣味・生き甲斐】料理や読書。孫との対面。発症前は2回/週、図書館や本を購入するために徒歩やタクシーを利用して外出していた。最近では、余暇を利用し色ぬりをしている。

【嗜好】タバコ無し、アルコール無し

【経済状況】娘からの仕送り

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D.社会的情報 

【家族状況】現在、次女が1回/週来院しているが退院後は長男の転居後同居を予定。そのため、退院後のKey personは長男になる。

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【家屋構造】県内に住宅改修可能な賃貸住宅を見つけられており、長男が転居予定。エレベーターは設置してあるが、その間に4~5段の段差がある。近くにバス停はある。

【家族の要望】息子との同居が予定されてはいるが、日中は対象者1人になることが多いため、手すりを使用し屋内歩行を自立させ、トイレだけでも1人で行けるようにして欲しい。新居の入り口にある4~5段の段差を手すりを使用して昇降できるくらいまでに回復して欲しい。出来る限り外出をさせてあげたい。

 

E.医学的所見

【診断名】右被殻出血(発症;〇〇年〇〇月○○日)

【現病歴】発症後、A病院にて手術を行いリハビリテーションは無かった(臥床)。その後、〇〇年〇〇月○○日に現在のB病院へ転院(手術から20日後)し、リハビリテーションを開始。 

【手術日】〇〇年〇〇月○○日(発症から7日後)

【手術様式】血腫除去術

【合併症】高血圧症

【既往歴】両側の変形性膝関節症(10年ほど前から)、肥満症、高血圧症

【入院初期の状況】

〇〇年〇〇月○○日に、外出する際に歩けなくなり近医受診しA病院に入院。術後、家族と対面するが自分には子どもはいない等の記憶障害があった(BP252/134、JCSⅠ-3)。

【画像所見】                      

T1、T2 FLAIR axial viewおよびMR angiographyを施行した。右被殻の少量の血腫の残存とその周囲に広汎に広がる脳の損傷および浮腫を認める。しかしながらmass effectはほとんど見られない。その他、脳実質には両半球深部白質に散在性穿通枝梗塞が見られる。また右前頭葉には、CT誘導血腫除去術時にできた挫傷の跡が見られる。MRAでは主幹動脈にやや強い蛇行を認めるが明らかな狭窄、動脈瘤などは見られない。

〇〇年〇〇月○○日にPlain CT Scanを施行した。前回のMRI(B病院 入院 2日後)と比較し、右被殻出血の血腫は完全に吸収されmass effectも消失、むしろ周辺にfocal atrophyが見られる。その他の変化は見られない。

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【薬剤情報】

薬品名

作用

副作用

アテレック錠

血圧を下げる

血圧低下に伴うめまい 等

ブロプレス錠

血圧を下げる

体のだるさ、めまい感、頭痛、過度の血圧低下、血管浮腫、急性腎不全、高カリウム血症皮下出血 等

セルベックスカプセル

胃粘膜を保護・修復

発疹、食欲低下、下痢、便秘、口渇、頭痛 等

ラミシールクリーム

白癬菌の抗菌作用

発赤、紅斑、かゆみ、かぶれ

マグミット

便通をよくする、胃酸を中和

軟便、下痢、高マグネシウム血症

マイスリー錠

寝つきをよくする

翌朝に眠気やふらつき、けん怠感や脱力感などが残ることがある

ノルバスク

Ca拮抗剤、Caの筋肉細胞への流入を抑制し、血管を広げ血圧を下げる

動悸、頭痛、めまい、便秘、歯ぐきのはれ

【一般情報】

身長:cm

体重:kg

BMI:

血圧(mmHg):安静時121/78  リハ時141/106

脈拍数(拍/分):安静時80  リハ時85

性格:多弁、謙虚、繊細であり、検査や測定の結果、自身がとる姿勢について気にすることが多い。病前から行動は何でも早めに行っていたこともあり、治療、訓練の際は焦りがでる。また、病棟生活では周囲の患者様に対して食器を渡すことや、同室の患者様、スタッフに話しかける等の気配りをしている。

食生活:食欲は正常、間食はない。肥満を気にして減食することもある。また、排泄の際に看護士、スタッフには迷惑はかけたくないと考えており、水分はあまりとらないようにしている。

睡眠:服薬後、入眠するが2時間ほどで目覚め、しばらくして再び入眠するが1時間後に起床と不規則になっている。起床後の気分は安定している場合、不安定な場合と様々である。

食事:スプーン、箸で自立。坐位保持は可能。

排泄:リハパンツを着用しているが尿意、便意があり排泄はトイレにて自立。移乗に監視または軽介助を要する。下衣の上げ下ろしは麻痺側が完全にはできず介助を要する。

移動:非麻痺側上下肢により車椅子自操。

更衣:上衣の更衣は自立。下衣の更衣の際は、重心の前方移動が見られ前方転倒の危険があるため見守り、または介助。

入浴:移動、移乗動作以外は見守り。入浴様式はシャワーチェアを利用し、かけ湯を行っている。

精神状態:安定

コミュニケーション:言語、理解力に問題は無い

知能状態:HDS-R 30/30

高次機能障害:なし

モチベーション:リハビリテーションに積極的であり、ご家族も治療状況や対象者の身体変化に目を向けている。しかし、対象者は動作失敗や結果をとても気にし、ご家族の応援を負担に感じることも多い。焦らせるような言動に注意し、可能な動作や獲得できた動作を少しずつ自覚させ、さらにモチベーションが高める配慮が必要である。

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【他部門からの情報】

 Dr:病態は比較的良好。カルテ上、両側の変形性膝関節症は診断されてないので整形外科医に確認が必要である。リスク管理は転倒予防と痙攣発作に注意する。現在の状態では自立は困難と考えている。体重の減量が必要である。

Ns:看護目標・リスク管理は、転倒防止が中心である。対象者は、リハビリテーションや入浴以外の時間は病室にて臥床あるいは、病棟内にて椅子坐位をしている光景がたびたび見られる。排泄は、尿意・便意がありトイレにて移乗のみ介助を必要とし、その他は自立している。食事動作も利き手は右(非麻痺側)であるため自立している。整容も自立している。

PT:リハビリテーションの目的は、起立動作訓練、日常生活動作訓練、減量を目的に実施。立位、歩行の際に膝折れが見られる。また、基本動作時に麻痺側へ倒れることもあるため近監視、リスク管理に努めて欲しい。高血圧に対しては、医師から特別注意を払うほどのこともなく、疲労に考慮するようにとの指示があった。

OT:坐位時などに体幹の筋を活動させない姿勢をとるため、体幹の回旋や屈曲、伸展の機能が低下している。治療目標は、体幹機能の向上、ADL面では病室で行うトランスファーの自立、トイレ介助量の自立または軽減である。非麻痺側の上下肢に依存しているため、特に右上肢では筋緊張が高くなり疼痛が生じている。そのため、右肩甲帯へのアプローチも行う。リハビリテーション時に困難なことは、トランスファーの際に麻痺側下肢の膝折れが見られることであり、リスク管理が重要になる。

MSW:自宅の受け入れは長男。発症前の経済状況は、娘(次女)からの仕送りにより独居であった。現在、介護保険のサービス内容や申請については本人、家族に説明している。住民票が以前住んでいた県外の住所であるため、在宅支援サービスを効果的に利用するために〇〇月末までに変更する予定である。介護保険の申請はその後になる。現在、対象者本人はリハビリテーションに集中しているため、住宅改修を中心としたサービス等の具体的な内容の説明や進行は退院時期近くに行い、そのために必要な手続きや資料の準備は家族に行ってもらっている。家族は、週に1回来院し対象者と連絡を密にとっているため、家族の協力で進行した方が円滑である。

 

F.理学療法評価

Brunnstrom stage

上肢:Stage Ⅱ   下肢:Stage Ⅲ   手指:Stage Ⅱ

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関節可動域検査

(単位:゜、疼痛:P)

上肢

参考可動域

右側(非麻痺側)

左側(麻痺側)

  

Active

Passive

Active

Passive

肩関節 屈曲

180

160

170

 

120(P)

肩関節 伸展

50

45

50

 

60

肩関節 外転

180

150

160

 

80(P)

肩関節 内転

75

20

30

 

30

肩関節 外旋

60

40

50

 

35

肩関節 内旋

80

70

70

 

40

肩関節 水平内転

135

125

130

 

120(P)

肩関節 水平外転

30

25

25

 

15

肘関節 屈曲

145

135

145

 

130

肘関節 伸展

 

前腕 回内

90

90

100

 

95

前腕 回外

90

95

110

 

60

手関節 背屈

70

65

70

 

40

手関節 掌屈

90

60

65

 

60

手関節 橈屈

25

30

30

 

25

手関節 尺屈

55

50

50

 

35

体幹 回旋

60

45

45

 

45

※肩関節内転は、肩関節45°屈曲位から開始

下肢

参考可動域

右(非麻痺側)

左(麻痺側)

  

Active

Passive

Active

Passive

股関節 屈曲

125

110

125

 

120

股関節 伸展

15

15

15

 

10

股関節 外転

45

40

50

 

45

股関節 内転

20

20

20

10

10

股関節 外旋

45

30

50

 

35

股関節 内旋

45

50

55

 

45

膝関節 屈曲

130

125

140

 

135

膝関節 伸展

-20

-15

 

-10

足関節 背屈

20

10

10

 

-20

足関節 底屈

45

55

55

 

50

 ※股関節伸展は側臥位にて計測

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徒手筋力検査

(非麻痺側に実施)

上肢

判定

下肢

判定

肩関節 屈曲

股関節 屈曲

肩関節 伸展

股関節外転

肩関節 外転

股関節屈曲・外転

肩関節 内転

膝関節伸展

肘関節 屈曲

 

肘関節 伸展

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感覚検査

表在感覚(触覚)
 

1回目

2回目

3回目

大腿部

2/10

2/10

2/10

下腿上部外側

2/10

3/10

4/10

下腿上部内側

1/10

3/10

3/10

下腿下部外側

2/10

3/10

2-3/10

下腿下部内側

1/10

1/10

1/10

足背部

3/10

3/10

3/10

足底部

1/10

0/10

0/10

 

1回目

2回目

3回目

上腕内側部

2/10

2/10

3/10

上腕外側部

3/10

3/10

3/10

前腕内側部

2/10

3/10

3/10

前腕外側部

3/10

3/10

3/10

手背部

尺側2/10

橈側1/10

尺側2/10

橈側1/10

尺側2/10

橈側1/10

手掌部

3/10

3/10

3/10

深部感覚

①位置覚

 ・上肢(肘関節);0/5

 ・下肢(膝関節);5/5

②運動覚

 ・上肢(母指IP関節);1/5

 ・下肢(母趾IP関節);4/5

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反射

<判定基準>

消失(-) 軽度減弱(±) 正常(+) やや亢進(++) 亢進(+++) 著名な亢進(++++)

腱反射

右側(非麻痺側)

左側(麻痺側)

上腕二頭筋反射

++

+++

上腕三頭筋反射

+++

腕橈骨筋反射

++++

膝蓋腱反射

アキレス腱反射

胸筋反射

+++

病的反射・クローヌス

左側(麻痺側)

ホフマン

トレムナー

バビンスキー

チャドック

膝クローヌス

足クローヌス

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疼痛検査

安静時痛:左肩(僧帽筋部)から放散痛が腕まで走る(VAS;5/10)。麻痺側上肢を持続的に下垂している時に生じる。背臥位では軽減または消失する。                   

運動時痛:左肩(僧帽筋部)から放散痛が腕まで走る(VAS;5/10)。安静時痛と同じ痛み。関節可動域測定時に肩関節屈曲120°肩関節外転80°、肩関節水平内転120°の各々の動作を行った際に出現した。

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筋トーヌス

・静止時(被動性検査)

非麻痺側は全て正常であるのに対し、麻痺側は体幹と骨盤、肩甲帯周囲は低下し、手関節、足関節の末梢部では亢進している。

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SIAS

1)膝-口テスト→0(まったく動かない)

2)手指テスト →0(まったく動かない)

3)股屈曲テスト→3(課題可能、ぎこちなさ著明、足部が床から離れるまでの屈曲)

4)膝伸展テスト→0(足部は床から離れるが膝の伸展が不十分)

5)足パット・テスト→2(足背屈可能、足部不十分)

6)上肢反射→1-A(中等度亢進)

7)下肢反射→1-B(消失)

8)上肢筋緊張→1-B(中等度低下)

9)下肢筋緊張→1-B(中等度低下)

10)上肢感覚→1(重度、中等度低下)

11)下肢感覚→1(重度、中等度低下)

12)上肢位置覚→0(わからない)

13)下肢位置覚→3(ROMの一割未満でもわかる)

14)上肢肩関節外転→1(90°以下)

15)下肢膝伸展時足関節背屈→0(‐10°以下)

16)原疾患由来の疼痛→1(中等度の痛み)

17)静止坐位→3(正常)

18)45°傾斜坐位→1(腹直筋MMT3)

19)50cm中央指し→3(問題無し)

20)失語症→3(なし)

21)坐位時非麻痺側膝伸展→3(正常)

22)坐位時麻痺側膝伸展→0(重力に抗しない)

23)非麻痺側握力→16.4kg

24)麻痺側握力→0kg

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脳神経検査

1)視神経:視野→正常

2)動眼神経/滑車神経/外転神経:眼球運動→正常

3)三叉神経:顔面の触覚→正常  開口時の偏倚→なし

4)顔面神経→中枢性顔面神経麻痺(右側の鼻唇溝が深い、左の口角に唾(泡)が溜まる)

5)聴神経:リンネ試験→正常  ウェーバー試験→偏倚(左は聞こえない) ※左耳は耳鳴がある

6)舌咽神経/迷走神経:軟口蓋、咽頭の観察→正常  嚥下→正常

7)副神経:胸鎖乳突筋触診→収縮有り

8)舌下神経:舌の偏倚→正常

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認知機能

・改訂長谷川式簡易知能検査(HDS-R):30/30

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バランス検査

1,functional reach test(立位):28.1cm

2,functional reach test(坐位):52cm

3,坐位の立ち直り反応

  • 麻痺側へ重心移動:頭・上部体幹の立ち直り反応の出現
  • 非麻痺側へ重心移動:頭の立ち直り反応の出現、非麻痺側上肢の保護伸展反応の出現

4,Functional Balance Scale(FBS)

①椅子からの立ちあがり→手を使用して一人で可能

②支持無しに立位保持→介助無しに30秒間保持不可能

③2分間の腕組み坐位→安全に可能

④着坐→手を使いしゃがみこみを制動

⑤移乗→言語指示、監視下で可能

⑥閉眼立位保持→転倒防止の介助が必要

⑦閉脚立位保持→自分で閉脚可能だが30秒保持不可能

⑧上肢前方到達→25cm以上可能

⑨床から物を拾う→監視下で可能

⑩振り向き動作→片側のみ可能で他方は体重移動が少ない

⑪立位で360°回転→回転中介助必要

⑫段差踏み越え→転倒予防の介助が必要、施行困難

⑬片側を前方に出し立位保持→自分でわずかにずらし30秒保持可能

⑭片足立ち→転倒防止の介助が必要、施行困難

合計 26/56

5,リーチ測定(坐位)

前方:25cm  非麻痺側(右):16.8cm  麻痺側(左):14cm

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歩行試験

10m歩行試験→SLB、麻痺側の振り出しと膝折れを介助し 4分22秒06

 

ADL評価  

1,FIM機能的自立度評価表

<採点基準>

7:完全自立 6:修正自立(時間がかかる、安全性の考慮、装具自助具の使用) 5:監視 4:最小介助(患者75%以上、触れる程度) 3:中等度介助(50%以上) 2:最大介助(25%以上) 1:全介助(25%未満)

セルフケア

 

食事

咀嚼、嚥下を含めた食事動作

整容

口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔など

入浴

風呂、シャワーなどで首から下(背中以外)を洗う

更衣(上半身)

腰より上の更衣および義肢装具の装着

更衣(下半身)

腰より下の更衣および義肢装具の装着

トイレ動作

衣服の着脱、排泄後の清潔、生理用具の使用

排泄管理

 

排尿

排尿コントロール、器具や薬剤の使用を含む

排便

排便コントロール、器具や薬剤の使用を含む

移乗

 

ベッド、椅子、車椅子

それぞれの間の移乗、起立動作を含む

トイレ

便器へ(から)の移乗

風呂、シャワー

風呂おけ、シャワー室へ(から)の移乗

移動

 

歩行、車椅子

屋内での歩行、または車椅子移動

階段

12から14段の階段昇降

コミュニケーション

 

理解

聴覚または視覚によるコミュニケーションの理解

表出

言語的または非言語的表現

社会的認知

 

社会的交流

他患、スタッフなどとの交流、社会的状況への順応

問題解決

日常生活上での問題解決、適切な決断能力

記憶

日常生活に必要な情報の記憶

総得点   84点/126点

  • 整容:洗顔、口腔ケア、手洗い、整髪の4つ。歯磨きは準備と後片付けは看護士。
  • 入浴:右上肢、殿部は介助。
  • 更衣(上衣):かぶりシャツは、肩までは可能。引き下げに介助が必要。
  • 更衣(下衣):麻痺側の靴下、靴とリハパンツの引き上げ、ズボンは介助
  • トイレ動作:服の上げ下げは介助
2,Barthel index

項目

得点

摘要

食事

10

自立。自助具などの装着は可。標準時間内に食べ終わる

 

5

部分介助(例えば、おかずを細かくしてもらう)

 

0

全介助

車椅子からベッドへの移乗

 

15

自立。ブレーキ、フットレスの操作ができる。歩行自立を含む

10

軽度の部分介助あるいは監視を要す

 

5

座ることは可能だが、ほぼ全介助

 

0

全介助あるいは不可能

整容

5

自立(洗面、整髪、歯磨き、髭剃り)

 

0

部分介助または全介助

トイレ動作

 

10

自立。衣服の操作、後始末やポータブル便器などをの場合は洗浄も含む

5

部分介助。体を支える、衣服・後始末に介助を要する

 

0

全介助または不可能

入浴

 

5

自立

0

部分介助または全介助

歩行

 

15

45m以上の歩行。補装具(車椅子、歩行器は除く)の使用は可

 

10

45m以上の介助歩行。歩行器使用を含む

5

歩行不能の場合、車椅子にて45m以上の操作可能

 

0

上記以外

階段昇降

 

10

自立。手すりなどの使用の有無は問わない

 

5

介助または監視を要する

0

不能

着替え

 

10

自立。靴、ファスナー、装具の着脱を含む

5

部分介助。標準的な時間内、半分以上は自分で行える

 

0

上記以外

排便コントロール

10

失禁無し。浣腸、座薬の取り扱いも可能

 

5

時に失禁あり。浣腸、座薬の取り扱いに介助を要するものも含む

 

0

上記以外

排尿コントロール

10

失禁無し。収尿器の取り扱いも可能

 

5

時に失禁あり。収尿器の取り扱いに介助を要するものも含む

 

0

上記以外

総得点 60点/100点

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姿勢・動作分析

①背臥位

 両股関節外旋、膝関節軽度屈曲、足関節底屈位をとる。麻痺側上肢は肘関節軽度屈曲、前腕回外位で体側にある。非麻痺側上肢は肩関節外転、肘関節軽度屈曲、前腕回内位でベッド端を握っている。対象者がベッド端を非麻痺側上肢で握るのは、麻痺側上下肢の感覚鈍麻のためと考えられる。動作時、臥床時などに対象者は度々麻痺側の重みと触られても感覚が無い、あるいは感じにくいことを訴える。臥床時は特にベッドに身体の半身が着いていない感覚があり、恐怖心と違和感からベッドの端を掴む傾向にある。しかし、動作を行う際はベッドを掴む手を離して行う。問診から、恐怖心や違和感はあっても、自分がベッドの中心にいる時はそれが確認できているため離すこともできるようである。

 

②ベッドサイドの寝返り(背臥位から側臥位)

 まず、背臥位(両股関節外旋、膝関節軽度屈曲、足関節底屈位、麻痺側上肢は肘関節軽度屈曲、前腕回外位で体側にある。非麻痺側上肢は肩関節外転、肘関節軽度屈曲、前腕回内位でベッド端を握っている)の姿勢から非麻痺側上肢で麻痺側上肢の手関節部を握り、腹部の上に引き寄せる。非麻痺側の下肢を麻痺側の下肢の下に潜り込ませ、股関節外転、足関節背屈を行いベッド下へ両下肢を一緒に落とすことが出来るように準備する。

 次に非麻痺側の上腕部の位置にあるサイドレールを、非麻痺側上肢を前腕回内位にして握り、頚部の非麻痺側方向への回旋と同時に肘関節屈筋により上部体幹を非麻痺側へ回旋させ、連続して骨盤の非麻痺側への回旋が起こる。この時、麻痺側の肩甲帯周囲の筋緊張は高まらず、上部体幹により引き上げられている。MMT検査にて肘関節屈筋は5であったため、麻痺側の肩甲帯の引き上げを行うための筋力は十分にあると判断できる。 

 麻痺側では、最初に上肢を腹部の上に持ってくることを忘れ、持ってきたとしても寝返る直前に腹部から麻痺側へ落下する。その時感じる肩の重みが何の重みかが認識できず、麻痺側の疼痛を訴える。この時、非麻痺側上肢を使用した引き寄せる力を強め、麻痺側の肩甲帯をやや強引に引き上げようとする。その結果、寝返り中に麻痺側下肢は連合反応により股関節伸展位のまま後方へ残る。上下肢の忘れの原因は、感覚が鈍麻しているためであり、どういった位置にあるのかもわかりにくいためだと考えられる。

 

③側臥位から起きあがり、端坐位へ

 背臥位から側臥位への一連の動作を行い、非麻痺側上肢は肩関節屈曲、肘関節屈曲位で頭部の下に敷き、麻痺側上肢は肩関節内旋、軽度屈曲、肘関節屈曲位で腹部に前腕部が接触するようにして置かれている。非麻痺側下肢は股関節屈曲、膝関節屈曲位をとる。麻痺側下肢は寝返りの際の骨盤の回旋運動により、若干引き上げられ股関節軽度屈曲、膝関節軽度屈曲位となり非麻痺側下肢の上に置かれている。この姿勢から、体幹の回旋によりさらに少し麻痺側の肩甲帯を非麻痺側へ引き寄せ、非麻痺側の前腕部を回内外中間位で上体を支持し、上肢の伸展力により体幹を引き起こす。体幹は抗重力方向の運動を行うため、筋緊張が高まる。上体が完全に起きてしまう前に非麻痺側下肢を股関節屈曲、外転、内旋、膝関節伸展を伴いベッド下へ落とす。

 寝返りの段階で非麻痺側下肢により麻痺側下肢を引き寄せる動作を忘れているときや、寝返りの際に非麻痺側下肢の上に置かれていないために、麻痺側下肢は股関節屈曲、内旋、膝関節屈曲の状態で置き忘れとなる。対象者はその状態のまま靴を履こうとし、修正動作が見られない。口頭により注意を促すと、体幹を非麻痺側へ回旋させ、骨盤の非麻痺側への回旋と挙上を伴いながらベッド下へ落とそうと試みるが多くは足部がベッド上に引っかかり、自力では落とせない。自力ではできない場合は介助にて落とす。

端坐位になるために、上体の支持を非麻痺側の前腕回内外中間位から回内し、手掌面もベッド上に着ける。前腕部の支持から肩関節伸展、内転、肘関節屈曲により肘頭を体幹に近づけるようにしてon hand になる。この状態から肘関節を伸展し体幹を起こし、非麻痺側上下肢を使い座りなおし端坐位になる。

 

④端坐位

対象者の身長とベッドの高さから、足底部がしっかりと接地しないことが多く、非麻痺側上肢は肩関節外転、外旋、手関節背屈位で体側のベッド上についている。ベッドから支持を離し、足底部を接地していなくても静止坐位は比較的安全に保持できる。骨盤の後傾、麻痺側への回旋により、麻痺側股関節は外旋、外転し足関節は内反、底屈位となる。非麻痺側下肢の前外方に足底の外側面を接地している。体幹は非麻痺側へ回旋し、麻痺側上肢は肘関節屈曲、前腕回外位で同側の大腿部上にある。

 動作時の坐位バランスは、前方と側方のリーチ動作により確認した。非麻痺側上肢を麻痺側へ伸ばした場合、骨盤の前傾、坐骨への重心移動は見られずリーチ動作が十分に行えない。この時、頭部の立ち直り反応は出現する。麻痺側体幹の筋緊張が高まらず体幹は麻痺側へ崩れ易く、重心動揺範囲は少ない。さらに手を伸ばそうとするとバランスを崩し麻痺側へ倒れる。非麻痺側へ手を伸ばした際も、坐骨への重心移動は不十分で体幹の側屈、頭の立ち直り反応が出現する。前方へ手を伸ばした場合は、重心を足部へ移すことができず、体幹の屈曲と骨盤の後弯を強めて手を伸ばす。

 

⑤立ちあがり 

 ベッドに深く座り、麻痺側足部を前外方に接地したまま体幹に引き寄せず、足部に体重をかけることが出来ない。立ちあがりの際に、重心が後方へ移動するため、非麻痺側の膝関節を屈曲し代償し負担をかける。この動作の結果、端坐位にてベッド上についていた非麻痺側上肢でサイドレールを、肩関節外転、肘関節屈曲、前腕回内で握り、非麻痺側上肢の力で身体を引き寄せるようにして立ちあがる。同時に非麻痺側下肢に体重をかけ、股関節屈曲、外転、外旋位、膝関節屈曲から股関節軽度外旋になる。麻痺側下肢は、非麻痺側を利用し努力的に立ちあがることで連合反応が出現し、股関節屈曲、外転、外旋、膝関節軽度屈曲、足関節底屈、内反となる。この時、麻痺側下肢は非麻痺側よりも前外方に足底面の外側のみの接地しかできていないため、体重を十分にかけることができていない。腰椎は後彎し、体幹は非麻痺側へ回旋、骨盤は後傾位で麻痺側へ回旋する。頭頚部は屈曲し、視線は足元に向いている。

 

⑥立位

 非麻痺側に台を準備し立位をとった場合、重心は前方へ移り、胸腰椎後彎、骨盤後傾位、非麻痺側の肩甲帯を少し後方へ引く。麻痺側上肢は肩関節内旋位で下垂している。非麻痺側上肢は肩関節屈曲、外転、肘関節屈曲、前腕回内位で手指を伸展し台の上に置き身体を支持する。麻痺側下肢では、股関節屈曲、外旋、膝関節屈曲、足関節内反尖足となり、足底全体が接地せず、非麻痺側足部の前外方に足先を接地している。両膝関節は軽度屈曲位となり、麻痺側の膝関節では膝折れの危険がある。非麻痺側の股関節は、軽度屈曲、軽度外旋し足底全体を接地している。体重の多くは非麻痺側上下肢にかかり、骨盤は麻痺側へ回旋、体幹は非麻痺側へ回旋している。頚部は屈曲し足元に視線を向けている。この姿勢には、足底の感覚が関与している。麻痺側足底の表在感覚は、VASにて0/10であった。対象者自身も立位をとった時、麻痺側が接地していない気がすると頻繁に訴え麻痺側の支持に対して恐怖心がある。非麻痺側の支持台から手を離すと、非麻痺側下肢だけで努力的にバランスをとろうとするために麻痺側下肢の連合反応が出現し、股関節の外旋、足関節の底屈、内がえし、足趾の屈曲が強くなる。SLB装着時には内反尖足は矯正され、股関節の外旋が強くなる。

 ROM測定の結果から膝関節には伸展制限があり、膝関節を屈曲しておくと重心がやや後方へ移る。そのため腰椎を後弯し、それに伴い骨盤が後傾することで身体を安定させている。また、対象者は動作を指示した場合、1つのことに集中しやすい。別のことに気を取られていると動作の手順や行い方をいつもと違う形になる傾向にある。立位姿勢の場合では、重心を支持基底面に収め転倒しないようにとしているため、腹部の筋緊張が高まりにくくなり潰れたような姿勢になる。

 安全に立位がとれている場合は、立ちあがりの時から非麻痺側下肢を股関節内転により体幹に引き寄せ、両足底面全体を接地して非麻痺側にも荷重している場合である。

 

⑦端坐位(ベッドサイド)から車椅子へのトランスファー

 端坐位(腰椎後弯、骨盤後傾位、両股間節は屈曲、外転、外旋位となる。上肢は、麻痺側は肘関節屈曲、前腕回外位で同側の大腿部上にある。非麻痺側上肢は、肩関節外転、外旋、手関節背屈位で体側のベッド上についている。)の姿勢から、まず車椅子を麻痺側から30°程度あるいはベッドと平行につける。平行につけた場合は車椅子右側のアームレストを挙上する。移乗にはサイドレールを利用する場合とベッドに手をつき移乗する場合がある。

 移乗の際は、ベッドに深く腰をかけているときや、麻痺側下肢を体幹に引き寄せずに移乗しようとする。その結果、ベッドから腰を持ち上げて踏み直しをほとんど行わないまま、シートの方向へ勢いよく着座しようとする。また、対象者はこのときの姿勢を変化させるとバランスを容易に崩してしまうため、立位姿勢のまま非麻痺側の足関節を軸に身体を回転させていく。このとき、下肢で体重を支持しているというよりも、非麻痺側上肢の筋力により体重を支えている印象がある。サイドレールを使用する方法とベッド上に手をつく方法は、いずれも非麻痺側の過剰努力のため、シートにきれいに着座できたとしても連合反応により麻痺側足部は内反尖足となる。

 サイドレールを使用する場合、肩関節屈曲、外転、肘関節屈曲で握り非麻痺側上肢の力で身体を引き寄せ、非麻痺側下肢に体重のほとんどをかけ立ち上がる。その状態のまま非麻痺側下肢を軸にし、身体を車椅子の方向へ回旋していく。この動作が十分に行われなければ、殿部が車椅子右側のアームレスト部分とベッド間の方向を向き、そのまま座ると転倒の危険性もある。

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⑧歩行

 ウォーカーケインとSLBを利用した、介助歩行である。ウォーカーケイン、麻痺側、非麻痺側の順に出す。麻痺側上肢を体側に下垂した立位姿勢(骨盤は後傾、麻痺側へ回旋、体幹は非麻痺側へ回旋し腰椎後彎、麻痺側の肩甲帯を後方へ引く。非麻痺側上下肢に体重のほとんどをかける)から、麻痺側下肢は非麻痺側下肢の前外方に接地しているため、口頭あるいは介助にて体幹に引き寄せてから開始する。頭部は屈曲し、常に足元を見ている。麻痺側はHeel Contactがなく、全歩行周期で股関節は外旋している。麻痺側の骨盤挙上を行い、分回し歩行になる。Foot FlatからMid Stanceにかけて膝折れの危険がある。mid stance時にウォーカーケインに体重のほとんどをのせ麻痺側下肢を伸展し、非麻痺側下肢を素早く出す。そのため麻痺側下肢の立脚期は短い。逆に非麻痺側下肢は体重のほとんどを支えているため、立脚期が長く、遊脚期がほとんどない。

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⑨車椅子の駆動

 駆動方法は、非麻痺側上下肢による駆動である。シートの前方へ大きく仙骨滑りがあり、坐骨に体重を乗せていない。腰椎は後彎、骨盤は後傾し、麻痺側肩甲帯が後方へ下がっている。体幹は麻痺側へ倒れ、肩の位置は非麻痺側の方が高い。麻痺側上肢は屈曲、内転、前腕回内位で股の間に置かれている。麻痺側下肢は股関節屈曲、外転、軽度外旋、膝関節屈曲位でフットレストの上に置かれている。非麻痺側下肢は股関節屈曲、外転、下腿の外旋から膝関節の屈伸運動により駆動する。このとき、膝関節は100°程度までの屈曲で駆動を行う。非麻痺側上肢は、肩関節屈曲、外転位となり肘関節は少しの屈伸角度で駆動する。

車椅子駆動の際に仙骨滑りが生じるのは、体幹の筋緊張が関与している。対象者は、SIASの体幹機能評価から、45°後方傾斜の椅子から抗重力活動を行って体幹を引き起こすことができ、坐位も安全に保持できる。そのため、体幹の筋緊張を高め、維持することはできる。しかし、体幹の引き起こしの際は努力的に行っていたため、体幹の筋緊張は高まりにくい状態にあるようだ。車椅子駆動では、体幹の屈伸運動が生じるため、体幹の筋緊張を高める必要が何度も生じる。これを代償するようにして仙骨滑りとバックレストに背中を押しつけたような姿勢になる。また、体幹は後方にあるため、膝関節を屈曲し過ぎると後方へ足部が引っかかり駆動が行いにくくなる。上肢はバックレストとアームレストにより肩の伸展方向の動きは制限され、前方まで駆動しすぎると体幹の動きが生じ、筋緊張の調整が必要になるため、小さな駆動になる。

 

G.問題点抽出【生活機能と障害】

<健康状態>

#1,右被殻出血

#2,肥満症

#3,両側の変形性膝関節症

#4,高血圧

#5,白癬

 

<Body functions and structures>

#6,非麻痺側上下肢の筋力残存

#7,視野は正常

#8,高次機能障害無し

 

<Impairments>

#9,左片麻痺

#10,麻痺側上下肢の感覚障害

#11,両足関節の背屈制限

#12,痙性による内反尖足

#13,両膝関節の伸展制限

#14,体幹の筋緊張低下

#15,麻痺側の僧帽筋部に運動時、安静時疼痛

 

<Activities>

#16,坐位保持可能

#17,食事動作自立

#18,排泄・処理は自立

#19,非麻痺側上下肢にて車椅子自操

 

<Activity limitations>

#20,寝返りに失敗がある

#21,車椅子移乗に失敗がある

#22,起きあがりに失敗がある

#23,立ちあがり困難

#24,立位保持困難

#25,歩行困難

#26,殿部、両下腿部、非麻痺側上肢の洗体困難

#27,トイレ動作困難

#28,入浴動作困難

 

<Participation>

#29,家族関係良好

#30,コミュニケーションに問題ない

 

<Participation restrictions>

#31,外出困難

#32,調理困難

 

<Environmental factors >

#33,家屋未整備、環境調査未実施

#34,家族の協力あり

#35,住宅改修の検討

#36,介護保険未申請

#37,歩行補助具未購入

 

<personal factors>

#38,睡眠時間不規則

#39,謙虚で自信を持ちにくい

#40,自身の姿勢、動作を気にする

#41,水分摂取量不良

 

H.目標設定

<短期目標>

1,基本動作能力の向上

2,麻痺側への体重負荷量を増加

3,体幹機能の維持・改善

 

<長期目標>

1,トイレ動作の自立

2,病棟内歩行を補助具利用により自立

3,環境調査・整備

4,体重減少

 

I.理学療法プログラム

1,他動関節可動域運動による足関節の背屈制限の改善

2,装具による足関節の痙性による内反尖足の改善

3,寝返り起きあがり動作の効率化

4,立ちあがり、立位、歩行、移乗動作の効率化と麻痺側への足底刺激と重心移動の拡大

5,体幹の筋緊張を高める練習

6,肩関節の安静時、運動時の疼痛軽減

 

J.考察

 本症例は、右被殻出血により左片麻痺を呈した歳代の対象者である。Brunnstrom stageは上肢Ⅱ、下肢Ⅲ、手指Ⅱである。多弁、謙虚、繊細であり、病棟生活では周囲の人に対して気配りをする。言語障害などはみられないが中枢性顔面神経麻痺があるため、しばしば言葉がこもるが、コミュニケーションには大きな問題にならない。

治療に対しては積極的であるが、検査や測定の結果や自分自身がとる姿勢について気にすることが多い。病前から行動は何でも早めに行っていたこともあり、治療、訓練の際は頻繁に焦りがでる。また、リハビリテーションと本人の頑張りの結果、動作面に改善が見られても自信がつきにくい。利き手は右手で、移動手段は非麻痺側上下肢の駆動で自立している。夜間は比較的早く睡眠してはいるものの、寝て起きてが不規則に生じる。服薬しても十分に睡眠できないことが頻繁にある。

 基本動作として寝返り、起き上がりはサイドレールを使い物的介助で可能であるが、麻痺側の忘れがあり部分介助あるいは監視レベルである。坐位保持は自立、移乗は手すりやサイドレール等を利用した物的介助と部分介助にて可能である。

 ADL動作の中では食事、上衣の更衣動作はボタンシャツでは自立、かぶりシャツでは肩までは自分で着ることはできるが引き下げに介助が必要になる。下衣は麻痺側を介助にて行っている。トイレ動作は部分介助にて行っている。入浴はシャワーチェアを利用し、かけ湯を行っている。シャワーチェアへの移動、移乗動作は介助で行っている。洗体は、殿部、非麻痺側上肢以外は自助具も利用し自分で行う。

 現在、対象者は家庭復帰を望んでおり、家族も受け入れの態勢を整えている。退院後は、県内の新居に長男とその子どもとの3人の生活を予定している。しかし、新居の構造がまだ十分に把握できていないこと、エレベーターは設置されているがその手前に階段が4~5段あるため、スロープ等を利用できるかどうかといった環境調査を行う必要がある。対象者のニーズは「歩きたい」であり、家族は一人でもトイレに行くことができるまでにはなって欲しいと考えている。

 対象者に最も問題となっているのは、基本動作が非麻痺側の上下肢に過剰努力が見られていることである。そのため、動作時には連合反応が強く出現し動作を阻害している場合が多く見られる。過剰努力の要因としては、左上下肢の麻痺、麻痺側上下肢の強い感覚鈍麻が考えられ、これらが麻痺側への恐怖心を生み重心移動の範囲を狭くしているようだ。さらに、麻痺の影響から体幹機能の低下が生じ、動作時に体幹の筋緊張を高める必要のない姿勢をとりやすくなっている。体幹の筋緊張を調節することが困難になれば、体幹が安定しないため重心移動はさらに困難になるだろう。また、両側の足関節には背屈制限があり、左肩関節には僧帽筋部の疼痛がある。一般に足関節は歩行時に背屈10°、底屈30°以上が必要であるとされているため足関節の可動域制限にもアプローチが必要であり、肩の疼痛も疲労の原因や訓練中の動作制限となるため改善を図る。以上の問題点の原因とそれに対するアプローチの方向性を考え、短期目標として基本動作の効率化とトイレ動作の自立、長期目標として装具着用と物的介助による歩行にて病棟内自立を目指す。

 基本動作では、寝返りから起きあがり、端坐位までの一連の動作の中で、最初に麻痺側上肢を腹部の上に持ってくることを忘れ、持ってきたとしても寝返る直前に腹部から麻痺側へ落下する場合がある。また、寝返り中に麻痺側下肢を股関節伸展位のまま後方へ残す場合がある。その状態のまま端坐位まで行うと、麻痺側下肢は股関節屈曲、内旋、膝関節屈曲となる。麻痺側上下肢の感覚はVAS 2/10前後であり鈍麻している。そのため麻痺側の上下肢がどういった位置にあるのかもわかりにくい。麻痺側上肢を忘れた際は、非麻痺側上肢を使用したサイドレールを引き寄せる力を強め、麻痺側の肩甲帯をやや強引に引き上げようとする。その結果、伸展優位の連合反応が出現し寝返ることができない。このとき肩に重みを感じるが、それが何の重みかが認識できていない。麻痺側上肢を忘れた際は、口頭で腕の重みであることを伝え、その状態を視覚的に確認し理解させる。一方、麻痺側下肢は、動作時に視界に入る事が無く確認しづらい。そのため、日常でも非麻痺側上下肢で麻痺側の下肢を摩るなどして、少しでも感覚刺激を送ることで常に自分の左脚がどこにあるのかを気にする習慣をつける。動作の効率化としては、非麻痺側下肢を麻痺側下肢の下へ滑り込ませ、股関節外転、膝関節伸展、足関節背屈により麻痺側下肢を引き寄せ、骨盤の寝返る方向への回旋に伴い股関節屈曲、内旋、膝関節屈曲させ非麻痺側下肢の上に置く。さらに、非麻痺側の殿部をやや後方へ引き側臥位が安定させるように指導する。

 立ちあがり動作では、ベッドに深く座り、骨盤の後傾と麻痺側への回旋により麻痺側股関節は外旋、外転し足部が前外方に接地する。体幹に引き寄せずに立ちあがろうとする結果、足部に体重をかけることが出来ずに重心が後方へ移動し、非麻痺側の膝関節を代償的に屈曲し負担をかける。原因は、足底の感覚が鈍麻(VAS 0/10)しているためであり、麻痺側への荷重が十分に学習できていないこと、体幹の筋緊張が高まらないために骨盤を後傾し、麻痺側に回旋し、体幹は麻痺側へ崩れないように非麻痺側へ回旋することがあげられ、立ちあがり動作を非麻痺側上肢に寄りかかるような状態で行う。立位時に両足底面を接地させ、その姿勢を保持するように指示すると下肢の筋緊張が増し、内反尖足が強く出現する。ベッドに深く腰掛けたまま動作を行おうとするのも、殿部を前方へ移すと支持面が小さくなり、前方転倒の恐怖心をもつからだと考えられる。アプローチとしては、端坐位時に後方やや麻痺側よりにつき、骨盤を前傾、非麻痺側へ回旋させ、体重が両側の坐骨にのるようにする。麻痺側下肢を身体の方向に引き寄せてもらい、膝関節を90°以上屈曲させて両足底を接地させる。立ちあがる際に、体幹を前傾して足部に体重をかけて、麻痺側にも体重負荷を促して立ちあがりを行わせる。

 立位、歩行でも、同様に麻痺側足底の感覚とそれに伴う恐怖心、体幹の筋緊張により骨盤が後傾、麻痺側へ回旋していることが関与している。非麻痺側の支持台から手を離すと、麻痺側下肢に体重をかけずに非麻痺側下肢で努力的に支持しようとする。その結果、麻痺側下肢の連合反応が出現し、股関節の外旋、足関節の底屈、内がえし、足趾の屈曲が強くなる。ROM測定の結果から膝関節には伸展制限があり、膝関節を屈曲しておくと重心がやや後方へ移る。そのため腰椎を後弯し、それに伴い骨盤が後傾することで身体を安定させる。動作指導では、麻痺側から骨盤を介助することで麻痺側への転倒の恐怖心を減らし、まずは支持台に手をついた状態でゆっくりと麻痺側への重心移動を行いどこまで体重をかけていくことが出来るのかを確認させる。この時、膝関節が外側へ逃げると、体重が地面の方向に作用せず外側に働く。その結果、膝折れを起こすため骨盤を前傾、非麻痺側方向へ回旋させ、股関節が外旋、外転して前外方へ接地するのを防ぎ、膝を正中位付近に誘導し荷重のかけ方を学習させる。麻痺側にも体重をかけることができるようになったら、支持台から手を離し随意的に重心移動を行う。その後、前方、後方へのステップ動作を加え、その時々の荷重量を感覚的に確認する。また、重心移動の練習を実施する前に2つの体重計でどれだけの荷重を行っているのかを確認させ、練習後に再び体重計で測定し視覚的フィードバックや次回の目標値を設定していくと、数値化されるため対象者自信も経過を追いやすい。動作指導中は、連合反応による内反尖足を防ぐために、指導者の足部で固定するか、なるべく厚みのないバンドで矯正する。歩行時は対象者の後方につき、立位と同様に骨盤から麻痺側下肢を誘導し、接地してから体重がしっかりのせることができているかを確認させて非麻痺側下肢を振り出すようにさせる。

 車椅子の駆動では、坐位保持により体幹の筋緊張を高め、維持することはできるが体幹の引き起こしは努力的であるため、体幹の筋緊張は高まりにくい状態にある。車椅子駆動では、体幹の屈伸運動が生じるため、体幹の筋緊張を高める必要が何度も生じる。これを代償するようにして仙骨滑りとバックレストに背中を押しつけたような姿勢になる。この姿勢で行う駆動は小さく、膝関節屈筋と伸筋、背筋群の活動であり非効率的である。動作指導では、シートにやや浅めに座り重心を前方へ移す。体幹、骨盤を、鏡を使って出来る限り正中位にくるように意識させる。こうすることで駆動は全身的な運動になり、習慣になれば一部の筋の働きで行う方法よりも効率的に行えると考えられる。

 また、麻痺側足底の感覚鈍麻に対して、少しでも刺激を送り足底面を接地している意識を高める。方法は、空き缶やテニスボール等の小さく転がりやすいものを足底で転がす。まずは安全に保持できる坐位で行い次に立位で行う。下肢の操作が難しい場合は非麻痺側の上肢で下腿を操作するか、麻痺側の足背に非麻痺側の足底部を置き操作する。この方法は、立位、歩行の動作指導と併用できる。動作指導の際に、対象者の性格上、ゆっくり行うようにしても焦りが強くでる可能性がある。その場合は、1、2、3、4……とリズムをつけて行う。

 姿勢全般に見られる体幹の筋緊張低下に対しては、輪投げを利用した肩甲帯の運動、体幹の回旋運動と屈伸運動、さらに体幹の2つの運動を合わせた複合運動を実施する。

 肩甲帯の運動では、対象者をベッド上に背臥位になってもらい、上肢を非麻痺側の肩関節を外転90°にし、指導者は輪を麻痺側上肢にかける。麻痺側の肩関節は水平内転位で開始し疼痛が生じる場合は枕を抱えるようにして行う。体幹を非麻痺側へ回旋させ、麻痺側の肩甲帯を挙上し非麻痺側の上肢に輪を渡す。指導者は麻痺側の肩甲帯の下に手を入れ、挙上が出来ているか確認する。

 体幹の回旋運動では、坐位になってもらい指導者は対象者の後ろに位置する。麻痺側に輪を出し、これを対象者は体幹を麻痺側へ回旋して非麻痺側の上肢で受け取る。治療者は非麻痺側に腕を構え、対象者は受け取った輪を体幹を非麻痺側に回旋させその腕にかける。

 体幹の屈伸運動では、再び背臥位になってもらい指導者は対象者の非麻痺側下肢の横に位置する。指導者は、対象者が腕を伸ばしても数cm届かない場所に輪を出し、対象者は体幹の屈曲運動で受け取り頭上に置かれた棒にかける。

 最後に、頭上・非麻痺側に輪を置き、指導者は麻痺側下肢の横に位置する。対象者は非麻痺側上肢で輪をとり、体幹を麻痺側へ回旋、挙上して指導者の腕にかける。次に棒を頭上・麻痺側に置き、指導者は腕にかかった輪を非麻痺側下肢の横にだし、対象者は体幹の挙上で輪をとり麻痺側への回旋と伸展運動により棒にかける。重心移動と輪投げを利用した訓練に回数は設定しない。重心移動であれば頭の立ち直り、輪投げであればその動作が確実に行えているかを確認し、対象者の疲労に合わせて実施する。

 次に、両側の足関節背屈制限に対してのアプローチを考える。対象者は発症後、約1ヶ月の長期臥床であった。そのため、足関節は底屈位のまま不動となり下腿三頭筋による拘縮を来したと考えられる。沖田は足関節最大底屈位にて固定した際、1ヶ月以内の不動による関節制限の責任病床の中心は骨格筋であるとしている。また、麻痺側は痙性が加わり神経性拘縮の状態であると考えられる。アプローチとしては、下腿三頭筋に対し他動関節可動域運動をゆっくりと愛護的に行う。頻度は1日に最低2回、回数は各々10回の運動を実施する。麻痺側足関節は、痙性も影響していると考えられるため他動関節可動域運動に加え、装具の装着を行う。クローヌスは陽性でないため強い痙性ではなく、プラスチック製の短下肢装具(足継手無し)を選択する。Watersらは、短下肢装具の適応として遊脚中期のつま先の引きずり、足関節背屈不良によるつま先接地または全足底接地、立脚期の足関節の内反、立脚中期から立脚後期にかけての膝の不安定性の4点をあげている。この状態と対象者の歩行を比較すると、立脚中期の膝折れ、Heel contactの消失による全足底接地が一致し、また立位時に内反尖足が出現していたことから歩行時も出現していることが考えられ、短下肢装具は十分適応すると考えた。装着時間は、他動関節可動域運動の後に装着することで持続的な伸張を図り、それ以外は歩行や立ちあがり動作を訓練で行う時、日常生活の移動の時とする。これは、対象者の両足底部には白癬があるため悪化や不衛生にならないように配慮するためであり、装着後の足部の管理を促す必要がある。

 次に麻痺側肩関節の疼痛に対するアプローチを考える。対象者は、左片麻痺により麻痺側上肢を持続的に下垂していることが多い。そのため、その重量を麻痺側の僧帽筋が持続的に緊張し支持している。その結果、循環不全と疼痛を生じているのではないかと考えた。

 この改善として超音波を行い、その後マッサージにより持続的に緊張した筋を解す。温熱効果を期待し、1.1~2.0MHzの連続波をストローク法で行う。上肢に感覚の鈍麻があるため、ホットパックやマイクロ波は避けるべきである。

 対象者は肥満症であり、これが動作を困難にしている大きな原因の1つでもある。また、両側性の変形性膝関節症があるため膝への負担からいつ疼痛を生じるようになるかわからない。1日に1200kcalの食事管理と病棟内を車椅子で移動する運動を積極的に促し、退院までに60kg程度にまで減少させたい。

 問題点に対して原因とアプローチを考えたが、在宅復帰後の支援体制を十分に考慮していくことが重要であると考える。対象者に対して長期の支援を考え、住宅改修や福祉用具の活用も積極的に考え環境調整を図っていくべきである。また、在宅生活では、介護サービスなどの社会資源を利用してQOL向上と家族の介助負担の軽減を目指す。

 

【参考・引用文献】

『PTジャーナル 第39巻 第8号』683-692(2005年8月 医学書院)

『PTジャーナル 第38巻 第4号』295-304(2004年4月 医学書院)

『PTジャーナル 第38巻 第9号』717-725(2004年9月 医学書院)

『脳卒中・その他の片麻痺 第2版』162-172 227-228 231-233(2005年1月 医歯薬出版株

 

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疾患名
特徴
脳血管疾患

脳梗塞

高次脳機能障害 / 半側空間無視 / 重度片麻痺 / 失語症 / 脳梗塞(延髄)+片麻痺 / 脳梗塞(内包)+片麻痺 / 発語失行 / 脳梗塞(多発性)+片麻痺 / 脳梗塞(基底核)+片麻痺 / 内頸動脈閉塞 / 一過性脳虚血発作(TIA) / 脳梗塞後遺症(数年経過) / トイレ自立を目標 / 自宅復帰を目標 / 歩行獲得を目標 / 施設入所中

脳出血片麻痺① / 片麻痺② / 片麻痺③ / 失語症 / 移乗介助量軽減を目標

くも膜下出血

片麻痺 / 認知症 / 職場復帰を目標

整形疾患変形性股関節症(置換術) / 股関節症(THA)膝関節症(保存療法) / 膝関節症(TKA) / THA+TKA同時施行
骨折大腿骨頸部骨折(鎖骨骨折合併) / 大腿骨頸部骨折(CHS) / 大腿骨頸部骨折(CCS) / 大腿骨転子部骨折(ORIF) / 大腿骨骨幹部骨折 / 上腕骨外科頸骨折 / 脛骨腓骨開放骨折 / 腰椎圧迫骨折 / 脛骨腓骨遠位端骨折
リウマチ強い痛み / TKA施行 
脊椎・脊髄

頚椎症性脊髄症 / 椎間板ヘルニア(すべり症) / 腰部脊柱管狭窄症 / 脊髄カリエス / 変形性頚椎症 / 中心性頸髄損傷 / 頸髄症

その他大腿骨頭壊死(THA) / 股関節の痛み(THA) / 関節可動域制限(TKA) / 肩関節拘縮 / 膝前十字靭帯損傷
認知症アルツハイマー
精神疾患うつ病 / 統合失調症① / 統合失調症②
内科・循環器科慢性腎不全 / 腎不全 / 間質性肺炎 / 糖尿病 / 肺気腫
難病疾患パーキンソン病 / 薬剤性パーキンソン病 / 脊髄小脳変性症 / 全身性エリテマトーデス / 原因不明の歩行困難
小児疾患脳性麻痺① / 脳性麻痺② / 低酸素性虚血性脳症
種々の疾患が合併大腿骨頸部骨折+脳梗塞一過性脳虚血発作(TIA)+関節リウマチ

-脳血管疾患, 書き方, 病院, レポート・レジュメ