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【変形性股関節症+慢性腎不全】レポート・レジュメの作成例【実習】

2021年12月28日

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師を目指す学生に向けた、レポート・レジュメの作成例シリーズ。

今回は、「変形性股関節症+慢性腎不全」の患者のレポート・レジュメです。

実習生にとって、レポート・レジュメの作成は必須です。

しかし、書き方が分からずに寝る時間がほとんどない…という人も少なくありません。

当サイトでは、数多くの作成例を紹介しています。

紹介している作成例は、すべて実際に「優」の評価をもらったレポート・レジュメを参考にしています(実在する患者のレポート・レジュメではありません)。

作成例を参考にして、ぜひ「より楽に」実習生活を乗り切ってください!

 

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今回ご紹介するレポートの患者想定

 

今回ご紹介する患者想定

  • 病院に入院中
  • 股関節の痛み(変形性股関節症)の患者

  • THAを施行
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「変形性股関節症+慢性腎不全」の患者のレポート・レジュメ作成例

Ⅰ.はじめに

 今回,リハビリの開始が熱発により遅れた方の術前の評価,治療プログラムの立案,術後の評価をさせていただく機会をいただいたので以下に報告します.

 

Ⅱ.一般情報

[身長]cm

[体重] kg

[BMI]

[職業]機械の管理. 1日に1km以下の歩行を要する.仕事復帰の意志有り.

[家族構成]キーパーソン:妻

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[家屋状況]本人1階の居間にいることが多く,2階の自室では寝るだけである.また,1階の和室で本を読んだりし過ごすこともある.

[入院以前の生活]仕事についており,週4日の出勤.

6時

8時

12時

18時

22時

起床

食事

出勤

食事

帰宅

食事

就寝

Ⅲ.医学的情報

[診断名]左変形性股関節症

[合併症]慢性腎不全

[既往歴]慢性腎不全

[現病歴]

〇〇歳ごろより左股関節痛

〇〇年〇〇月〇〇日 左股関節痛の増強により入院

〇〇年〇〇月〇〇日 人工骨頭全置換術施行

〇〇年〇〇月〇〇日 リハビリ開始

〇〇年〇〇月〇〇日 透析開始

〇〇年〇〇月〇〇日 抜鉤

[画像所見]

術前

 

CE角

30

45

SHARP角

40

40

AHI

88.90%

94.30%

術後

 

CE角

30

40

SHARP角

40

40

AHI

88.90%

[投薬]

ザイロリック Zyloric

【作用】 ヒポキサンチン類似化合物.キサンチンオキシダーゼに対して,ヒポキサンチン及びキサンチンと拮抗することによって尿酸の生合成を抑制し,血中尿酸値及び尿中尿酸値を低下させる.また,主代謝物であるオキシプリノールもキサンチンオキシダーゼ抑制作用を有する

【適応】 痛風,高尿酸血症を伴う高血圧症における高尿酸血症の是正

【副作用】 〈重大〉1)Stevens-Johnson症候群,Lyell症候群,剥脱性皮膚炎等の重篤な発疹又は過敏性血管炎(皮膚剥脱,発熱,リンパ節症,関節痛,肝障害,腎機能異常,好酸球増多等を伴うことあり)→発熱,発疹等発現した場合,直ちに中止し再投与しない.ステロイド剤投与等処置 2)ショック,アナフィラキシー様症状→中止し処置 3)再生不良性貧血,汎血球減少,無顆粒球症,→中止 4)重篤な肝障害,黄疸→中止し処置 5)腎不全,腎不全の増悪→中止し処置 6)間質性肺炎(発熱,咳嗽,呼吸困難等の呼吸器症状)→胸部X線等検査を実施,異常のときは中止し処置 〈その他〉1)過敏症(そう痒,関節痛,発疹)→中止 2)血液(貧血,白血球減少,血小板減少,紫斑,好酸球増多,リンパ節症)→中止 3)腎臓(腎機能異常)→中止 4)消化器(口内炎,食欲不振,胃部不快感,軟便,下痢) 5)全身症状(全身倦怠感,浮腫,脱力感) 6)その他(CPK上昇,味覚障害,女性化乳房,脱毛,末梢神経障害) 

 

ニバジール Nivadil

【作用】 血管平滑筋及び脳神経細胞へのCaイオンの過剰な流入を選択的に抑制することにより,血管拡張作用を発揮し,血圧降下作用や脳循環改善作用を示す

【適応】 1)本態性高血圧症 2)脳梗塞後遺症に伴う脳血流障害に基づく自発性低下の改善

【副作用】 1)肝臓(GOT・GPT・Al-Pの上昇)→中止 2)循環器(房室ブロック)→中止(血圧低下,動悸,頻脈等) 3)精神神経系(頭痛・頭重,めまい・ふらつき,立ちくらみ,眠気,不眠,しびれ,振戦等) 4)消化器(食欲不振,腹痛・腹部不快感,悪心・嘔吐,便秘,下痢,口内炎,口渇,胸やけ等) 5)腎臓(BUN,クレアチニンの上昇等) 6)過敏症(発疹,そう痒感,光線過敏症等)→中止 7)口腔(連用により:歯肉肥厚)→中止 8)その他(潮紅,顔面熱感・ほてり,のぼせ,浮腫,倦怠感,胸痛・胸部不快感,頻尿,耳鳴,血清コレステロール上昇,咳嗽,結膜充血等)

 

セタプリル Cetapril

【作用】 ACEを阻害することにより昇圧系を抑制し,降圧系を亢進させる.また,本剤の脱アセチル化代謝物であるデアセチルアラセプリルは,動脈血管壁へ良好に移行し,本剤の降圧作用およびその持続性に関与する

【適応】 本態性高血圧症,腎性高血圧症

【副作用】 〈重大〉1)血管浮腫:0.1%未満(呼吸困難を伴う顔面,舌,声門,喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫)→直ちに中止し,気道確保等処置 2)無顆粒球症:0.1%未満→中止等処置 3)天疱瘡様症状:0.1%未満→減量又は中止等処置 〈重大(類薬)〉汎血球減少,急性腎不全,膵炎:他のACE阻害薬(カプトプリル,マレイン酸エナラプリル)で報告→中止等処置 〈その他〉1)腎臓(蛋白尿,BUN・クレアチニンの上昇)→減量又は中止等処置 2)血液(白血球減少,貧血,血小板減少,好酸球増多)→減量又は中止等処置 3)過敏症(発疹,そう痒感)→減量又は中止等処置 4)循環器(動悸,起立性低血圧,胸部不快感) 5)呼吸器(咳嗽,咽喉頭異物感,喀痰増加) 6)精神神経(めまい,ふらつき感,頭重,眠気,頭痛,浮遊感,四肢しびれ感,口内しびれ感) 7)消化器(悪心,食欲不振,胃部不快感,下痢,口渇,胸やけ,口内炎) 8)味覚(味覚異常)→減量又は中止等処置(通常,味覚異常は可逆的) 9)肝臓(黄疸,GOT・GPT・Al-P・γ-GTPの上昇) 10)その他(全身倦怠感,顔面のほてり,咳嗽,咽喉頭異物感,喀痰増加,血清K値の上昇,浮腫,抗核抗体の陽性例)

 

ぺザトールSR

ベザトールSR Bezatol SR

【作用】 脂質生合成に対する作用として,コレステロール生合成抑制,トリグリセライド生合成抑制があり,リポ蛋白代謝に対する作用としてはLPL(リポ蛋白リパーゼ)活性及びHTGL(肝性トリグリセライドリパーゼ)活性を亢進し,リポ蛋白の代謝を促進する.またLDLレセプターの活性を亢進し,LDLの代謝を促進する

【適応】 高脂血症(家族性を含む)

【副作用】 〈重大〉1)横紋筋融解症:特に腎機能障害者で,筋肉痛,脱力感,CPK上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇が特徴→これに伴って急激な腎機能悪化することがあるのでこのような場合には直ちに投薬を中止し処置 2)アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状(顔面浮腫,口唇の腫脹等)→中止し処置 〈その他〉1)筋肉(筋肉痛,CPKの上昇)→減量,休薬 2)消化器(腹痛,食欲不振,嘔気,嘔吐,腹部膨満感,下痢,口内炎,便秘等) 3)皮膚(多形滲出性紅班様皮疹→直ちに中止し処置)(発疹,そう痒,蕁麻疹等の過敏症) 4)肝臓(GOT・GPT・LDHの上昇) 5)腎臓(BUN・クレアチニンが上昇)(腎機能障害患者:症状増悪→直ちに中止し処置) 6)血液(貧血,白血球減少,血小板増加) 7)その他(尿酸の上昇,低血糖,全身倦怠感,頭痛,脱毛,めまい,胆石,勃起不全,味覚異常) 

 

ガスターD

ガスター Gaster

【作用】 胃粘膜壁細胞のヒスタミンH2受容体に拮抗することにより強力かつ持続的な胃酸分泌抑制作用を示す.消化性潰瘍の攻撃因子である塩酸並びにペプシン分泌を抑制することにより,粘膜防御因子を相対的に優位にすると考えられている

【適応】 [内]1)胃潰瘍,十二指腸潰瘍,吻合部潰瘍,上部消化管出血(消化性潰瘍,急性ストレス潰瘍,出血性胃炎による),逆流性食道炎,Zollinger-Ellison症候群 2)以下の疾患の胃粘膜病変(びらん,出血,発赤,浮腫)の改善:急性胃炎,慢性胃炎の急性増悪期 [注]1)上部消化管出血(消化性潰瘍,急性ストレス潰瘍,出血性胃炎による),Zollinger-Ellison症候群 2)侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術,集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制 3)麻酔前投薬

【副作用】 〈重大〉1)ショック,アナフィラキシー様症状:0.1%未満〔呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫(顔面浮腫,咽頭浮腫等),蕁麻疹等〕→直ちに中止し処置 2)汎血球減少,無顆粒球症,再生不良性貧血,溶血性貧血:0.1%未満(初期症状:全身倦怠,脱力,皮下・粘膜下出血,発熱等)→定期的に血液検査し異常の際は直ちに中止し処置 3)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)→直ちに中止し処置 4)肝機能障害,黄疸→直ちに中止し処置 5)横紋筋融解症→高K血症,ミオグロビン尿,血清逸脱酵素の著明な上昇,筋肉痛等を認める場合は直ちに中止し処置 〈重大(類薬)〉1)間質性腎炎:0.1%未満:(初期症状:発熱,腎機能検査値異常〈BUN,クレアチニン上昇等〉等)→直ちに中止 2)不全収縮:0.1%未満 〈その他〉1)過敏症〔発疹・皮疹,蕁麻疹(紅斑),顔面浮腫〕→中止 2)血液(血小板減少,好酸球増多,白血球減少)→中止 3)消化器(便秘,下痢・軟便,口渇,悪心・嘔吐,腹部膨満感,食欲不振,口内炎等) 4)循環器(徐脈,頻脈,房室ブロック,血圧上昇,顔面潮紅,耳鳴) 5)肝臓(GOT・GPT・Al-P・総ビリルビン・LDHの上昇,肝機能異常,黄疸等) 6)精神神経(全身倦怠・無気力感,可逆性の錯乱状態,痙攣,意識障害,頭痛,眠気,不眠,鬱状態) 7)内分泌(月経不順,女性化乳房)→中止 8)([注]除く)その他(CPK上昇) 

 

ラシックス Lasix

【作用】 利尿作用は,腎尿細管全域(近位,遠位尿細管及びヘンレ係蹄)におけるNa,Clの再吸収抑制作用に基づく.降圧作用は徐々に発現し,その作用機序は,利尿による循環血漿量の減少,血管壁のナトリウム含量の減少によると考えられている

【適応】 [内]高血圧症(本態性,腎性等),悪性高血圧,心性浮腫(うっ血性心不全),腎性浮腫,肝性浮腫,月経前緊張症,末梢血管障害による浮腫,尿路結石排出促進 〔オイテンシン〕本態性高血圧症 [注]心性浮腫(うっ血性心不全),腎性浮腫,肝性浮腫,脳浮腫,高血圧症(本態性,腎性等),悪性高血圧,尿路結石排出促進 〔ラシックス100mg注〕急性又は慢性腎不全による乏尿

【副作用】 〈重大〉1)ショック,アナフィラキシー様症状→中止し処置 2)再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,赤芽球癆→中止等処置 3)水疱性類天疱瘡→中止等処置 4)難聴→中止等処置 [注] 静注は4mg/分以下となるよう投与速度を調節 5)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)→中止等処置 6)心室性不整脈(Torsades de pointes)(低K血症を伴う心室性不整脈)→中止等処置 7)間質性腎炎→中止等処置 〈その他〉1)血液(貧血,白血球減少,血小板減少等)→中止 2)代謝異常(低Na血症,低K血症,低Ca血症,低Cl性アルカローシス等の電解質失調,高尿酸血症,高血糖症)→減量又は休薬等処置 3)皮膚(発疹,蕁麻疹,発赤,光線過敏症等)→中止 4)消化器(食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,口渇等)(膵炎が現れるとの報告)→血清アミラーゼ値の上昇に注意 5)肝臓(黄疸,肝機能異常等)→中止 6)腎臓(BUN・クレアチニンの上昇)→中止等処置 7)精神神経(めまい,頭痛,知覚異常,聴覚障害等)〔(100mg注)(耳鳴り)追加〕 8)その他(脱力感,倦怠感,起立性低血圧,筋痙攣,味覚異常)〔100mg注〕(脱力感,体熱感,四肢振戦,筋肉痛,倦怠感,起立性低血圧,筋痙攣,味覚異常) 

 

メイラックス Meilax

【作用】 ベンゾジアゼピン系抗不安薬に共通した中枢神経作用を有し,鎮痛作用,意識水準の低下,筋弛緩作用及び協調運動抑制作用は,比較的弱い反面,抗痙攣作用や抗コンフリクト作用が強い点が特徴的である.

【適応】 1)神経症における不安・緊張・抑うつ・睡眠障害 2)心身症(胃・十二指腸潰瘍,慢性胃炎,過敏性腸症候群,自律神経失調症)における不安・緊張・抑うつ・睡眠障害

【副作用】 〈重大〉1)大量連用で薬物依存(0.1%未満)→用量を超えないよう慎重に〔急激な減量ないし中止:痙攣発作,せん妄,振戦,不眠,不安,幻覚,妄想等の禁断症状(0.1%未満)〕→中止する場合には徐々に減量等慎重に 2)刺激興奮,錯乱(0.1%未満)(精神分裂病等の精神障害者,高齢者への投与で出現)→中止等処置 3)幻覚(0.1%未満)→中止し処置 4)呼吸抑制(0.1%未満)(呼吸機能が高度に低下している患者)→中止し処置 〈その他〉1)精神神経〔眠気,頭がボーッとする,めまい,ふらつき,頭痛,霧視,舌のもつれ,しびれ感,健忘,不眠,いらいら感,複視,耳鳴,言語障害(構音障害等)→中止等処置,味覚倒錯〕 2)消化器(腹痛,食欲不振,嘔気,便秘,口渇,胃痛,心窩部痛,胸やけ,下痢,口内炎) 3)肝臓〔肝機能障害(GOT・GPT・γ-GTP・LDHの上昇)〕 4)血液(貧血,白血球数減少,好酸球増多) 5)泌尿器(残尿感,頻尿) 6)過敏症(発疹,皮膚そう痒感)→中止 7)骨格筋(倦怠感,脱力感,易疲労感,筋弛緩) 8)その他(性欲減退,ウロビリノーゲン陽性,発赤,冷感,いびき) 

 

ロキソニン Loxonin

【作用】 鎮痛・抗炎症作用を有する.特に鎮痛作用が強力である.作用機序は経口投与されたとき,胃粘膜刺激作用の弱い未変化体のまま消化管より吸収され,その後速やかにプロスタグランジン生合成抑制作用の強い活性代謝物に変換されて作用する

【適応】 1)以下の疾患並びに症状の消炎・鎮痛:慢性関節リウマチ,変形性関節症,腰痛症,肩関節周囲炎,頸肩腕症候群 2)手術後,外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎 3)以下の疾患の解熱・鎮痛:急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

【副作用】 〈重大〉1)ショック→中止し処置 2)溶血性貧血→中止し処置 3)Stevens-Johnson症候群→中止し処置 4)急性腎不全,ネフローゼ症候群→中止し処置 5)間質性肺炎(発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎)→中止し,副腎ホルモン剤の投与等処置 6)消化管出血(重篤な消化性潰瘍又は小腸,大腸からの吐血,下血,血便等に伴うショック)→中止し処置 7)肝機能障害,黄疸→中止し処置 〈重大(類薬)〉再生不良性貧血 〈その他〉1)過敏症(発疹,そう痒感,蕁麻疹等)→中止 2)消化器(消化性潰瘍)→中止 (腹痛,胃部不快感,食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,便秘,胸やけ,消化不良,口内炎等) 3)精神神経(眠気,頭痛等) 4)血液(貧血,白血球減少,血小板減少,好酸球増多) 5)肝臓(GOT・GPT・Al-Pの上昇) 6)その他(浮腫,動悸) 

 

[主治医からの情報]

変形性股関節症の重症度:末期股関節症

手術:〇〇月〇〇日に人工骨頭全置換術(前外側アプローチ)予定.腸脛靭帯を切開,小殿筋・中殿筋を剥離し,関節包を切開する.術後,2日で立位全荷重.

禁忌:術後の脱臼(伸展・外旋,過伸展)

 

[看護師からの情報]

病棟ADL自立.タバコがなかなかやめられず,よく外に吸いに行く.

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Ⅳ.理学療法評価

初期(〇〇年〇〇月〇〇日)

最終(〇〇年〇〇月〇〇日)

[第一印象]

物静かな印象を受ける.しかし,笑顔を見せることもあり,暗い方という印象はない.リハビリにも協力的で自分の状態を詳しく説明してくれる.

[印象]

以前よりも暗く,悩んでいるような印象を受ける.リハビリに対しての意欲は変わらずであるが,リハビリが積極的にできないことへの不満がたまっていた.

[全体像]

リハ室までT字杖歩行で入室.職場復帰を希望している方である.自分の病気に対して,調べることもあり,早期退院を望んでいる.普段病室では痛みのためか良く寝ているらしいが,タバコを吸いいくために外に時々出て行く.

[全体像]

術後,1日の臥床している時間が長くなっていた.トイレは看護師さんに介助してもらいながら自分で行くとのことであったが,オムツは着用していた.透析を始めており週に3回行っていた.リハビリは透析のシャントを右大腿内側へ入れているため,右下肢の動きは制限されていた.また、リハビリは術後の熱のため、ベッドサイドのみとしていた.

[主訴]左股関節痛

[主訴]積極的なリハビリ

[HOPE] 歩けるようになりたい

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[NEED]手術後の早期離床

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[バイタル]

初期

安静時血圧

106/59mmHg

脈拍

77拍/分 不整脈なし

運動後(筋力増強)血圧

111/52mmHg

脈拍

69拍/分 不整脈なし

最終

安静時血圧

 

脈拍

 

運動後(筋力増強)血圧

 

脈拍

 
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[術創]

抜鉤も終えており,腫脹,熱感もない状態であった.術創部は安定していた.

初期

[日整会股関節機能判定基準(61~63点)]

疼痛:20点(自発痛は無い.歩行時疼痛はあるが,短時間の休息で消失する)

可動域:屈曲10点,外転6点

歩行能力:5~10点

ADL:しゃがみこみ,靴下着脱,足趾の爪切り,階段昇降1点,正座未評価.

最終

[日整会股関節機能判定基準(点)]

未評価

[感覚]

初期:術前

最終:術後

触・圧覚:問題なし

深部感覚:左右5/5で問題なし

触・圧覚:問題なし

深部感覚:左右5/5で問題なし

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[疼痛]

初期

安静時痛,夜間痛無し.

痛み

荷重痛

運動時痛

部位

左股関節部前面

歩行中,杖の支持時に右側腹部痛

大きさ

NRS(Numerical Rating Scale):8

NRS(Numerical Rating Scale):2

種類

ピキッとした痛み

鈍痛

時期

10年くらい前から痛み自覚

〇〇月〇〇日

最終

痛み

圧痛

部位

左股関節の圧迫により疼痛

大きさ

NRS(Numerical Rating Scale):1

種類

皮膚性のもの

時期

術後

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[形態測定]

  

初期

 

最終

 
  

右(cm)

左(cm)

右(cm)

左(cm)

下肢長

SMD

79

76

  
 

TMD

78

75

  

大腿

膝蓋骨上縁

38

36

38.5

39

 

5cm

39

36.3

38

39.5

 

10cm

41.5

37.8

40

42

 

15cm

44.7

40

42

44

下腿

最大(膝蓋骨より下10cm)

33

32.5

29.5

40

 

最小(外果より上3cm)

21

21

21

21

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[最大荷重]

初期

最終

100%荷重可能(左股関節痛を伴う).

現在ベッドサイドのみのリハビリのため計測しておらず.

[ROM:関節可動域]

上肢:数値化はしていないが,問題となる可動域制限無し,左右差無し.

  

 

 
  

術前

術後

術前

術後

股関節

屈曲

120

 

100p

85

 

伸展

5

 

0

0度可

 

内転

10

 

10

0度可

 

外転

30

 

20p

25

 

外旋

55

 

30

25

 

内旋

30

 

30p

膝関節

屈曲

145

 

145

145

 

伸展

180

180

180

180

足関節

底屈

60

60

60

60

 

背屈

15

15

15

15

SLR

 

65

 

80

45

pはすべて大腿前面へズキンとした痛み.

術後:右股関節は透析のシャントを挿入しているため評価未実施.

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[MMT:徒手筋力テスト]

上肢・体幹:MMT問題なし.         

術前

初期

備考

股関節

屈曲

4

4

坐位 

 

伸展

5

5

腹臥位

 

内転

5

5

背臥位

 

外転

5

5

坐位

 

外旋

5

5

坐位

 

内旋

5

5

坐位

膝関節

屈曲

5

5

腹臥位

 

伸展

5

5

坐位

足関節

底屈

 
 

背屈

5

5

坐位

上肢・体幹:MMT問題なし

術後

最終

備考

股関節

屈曲

4

 
 

伸展

未評価

5

 
 

内転

未評価

5

 
 

股屈曲位外転

 
 

外旋

未評価

動くとP

大腿外側へ突っ張る痛み

 

内旋

未評価

 

膝関節

屈曲

5

4

 
 

伸展

5

4

 

足関節

底屈

最大抵抗に対して抵抗可

最大抵抗に対して抵抗可

坐位

 

背屈

 

[握力]

初期:術前

最終:術後

握力(立位):右―32.1kg 左―29.3kg 

未評価

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[バランス]

初期:術前

立ち直り反応,平衡反応良好.保護伸展,外転反応,足踏み反応.

立位―外乱に対しても抵抗.重心を支持基底面内へとどめる反応良好.重心を支持基底面内へ戻す反応良好.

FRT(立位):前方27.5㎝ 右21cm 左21cm 後方11.5cm

機能的バランススケール

56点/56点

最終:術後

坐位バランス―立ち直り反応,平衡反応良好.保護伸展,外転反応,足踏み反応.

外乱に対しても抵抗.重心を支持基底面内へとどめる反応良好.重心を支持基底面内へ戻す反応良好.

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[姿勢分析]

初期:術前

坐位:股関節軽度外転位,骨盤後傾位.重心はほぼ正中.

立位: 頚部軽度屈曲位であるが,重心はほぼ正中にある.

最終:術後

坐位:坐位:股関節軽度外転位,骨盤後傾位.重心はほぼ正中.

立位:全荷重許可されているが,ベッドサイドのリハビリのため立位評価しておらず.

[動作分析]

初期

歩行(自立)T字杖2点1点超え型,2動作にて歩行.病棟のリハ室から病室までの連続歩行40~50mは可能,本人よりこの距離が左股関節の痛みにより限界.

四肢の位置

重心

考察

杖支持側が軽度挙上している.杖を振り出し,右股関節伸展,左股関節屈曲する.

重心はほぼ正中だがやや後方にある.

右下肢に重心がある.

左立脚期が短く,また重心がやや右方へ移動するのは,荷重時に痛みがあるためそれを回避しようとするために本人が獲得した歩行だと考える.

足底接地期からつま先離地時に伸び上がりが見られるのは,脚長差が3cmあるのでそれを代償するために生じていると考えた.

右の杖を出すと同時に左の下肢を振り出し,左立脚期のスタンスフェイズはやや短くなっている.

左下肢に重心のってくる.重心はやや右方.

右下肢を振り出し,右足部が左足部を超えるように立脚する.足底接地期からつま先離地時に伸び上がりが見られる.

重心は正中だが,やや前方となっている.

右下肢の伸展が増強し,左下肢が屈曲してくる.

重心は正中だが,やや前方となっており,右下肢に重心がのっている.

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階段昇降(自立)―杖使用,2足1段2動作で痛みの増加なく可能.1速1段も可能だが疼痛により困難となっている.

 

足部つめ切り(自立)ー片膝立ち位となるが,殿部は床につけず上肢をリーチしつめを切る.

 

靴下履き(自立)

1相:片膝立ち位となるが,殿部は床につけず上肢をリーチし中足骨部まで靴下を履く.

2相:坐位にて左股関節外旋,膝屈曲し中足骨部まで履いた靴下を引っ張りあげる.

 

最終

ベッドサイドリハビリのため未評価.

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[日常生活動作]

初期

左つめきり動作,左靴下の着脱困難,妻の介助にて行っている.その他のADL自立.

バーサルインデックス:100/100点

最終(現在,主治医よりベッドサイドのみのリハビリが許可されている.本人が許可されている動作として評価)

バーサルインデックス:60/100点

減点:車椅子の移乗(監視)-5,トイレ(部分介助,後始末はできるがズボンの上げ下ろしを看護師さんに行ってもらっている)-5,歩行(車椅子にて45m自走可能)-10,階段不能-15,更衣(看護師さんにほぼ行ってもらっており,前の紐は自分で締める),排尿(尿意を感じた後看護師さんにコールし,その後にトイレを行くので失禁すること有り,オムツを当てている)-5

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Ⅴ.統合と解釈

初期

最終

本症例は左股関節荷重痛のために効率の悪い歩行,つめきり・靴下動作不可能となっていると考えた.また,本症例は左股関節痛のために右下肢での代償をしているために右SLRの制限や右側腹部に疼痛を訴えていると考える.この右側腹部の疼痛は,今後手術により疼痛が軽減されることにより,右下肢での代償が少なくなるにつれて軽減してくるとも考えられるが,術直後は右下肢での代償が必要なので,ホットパックやストレッチングによりリラックスしていただき痛みの軽減をする必要があると考えた.

本症例は左右の脚長差3cmあり,今後手術により改善するわけだが,この脚長差を改善することにより,左股関節周囲の筋の働きやすい長さを保つことができなくなる,また筋を直接切開することでも筋力が低下すると考えた.そのため現在は股関節周囲に著名な筋力低下が見られていないが,今後筋力低下が予想されるので,股関節周囲筋の筋力強化の必要があると考えた.

現在,腎機能障害,熱によりリハビリが積極的に行えない状態であった.そのため,現在は床上でのリハビリで筋力維持,可動域維持が最も重要となると考えた.

 術創部は現在抜糸も終わり,落ち着いており,疼痛も皮膚性のNRS1程度のものであったため,問題はないと考えた.

患側股関節の可動域は問題ないと考えた.しかし,筋力は左股関節周辺に全体的な筋力低下が見られているので今後筋力増強練習をしていく必要があると考えた.また左股関節外旋時突っ張る感じがあった.これは筋性のものだと考えた.

現在評価できないものが多くあるため今後評価していく必要があると考えた.

 

Ⅵ.問題点

初期問題点:術前

最終問題点:術後

Impairment

#1.左股関節痛

#2.左股関節屈曲制限

#3.左股関節外転制限

#4.左股関節外旋制限

#5.右ハムストリングス高緊張

#6.脚長差

 

Disability

#7.左つめきり困難(#1,2)

#8.左足趾洗体困難(#1,2,)

#9.左靴下着脱困難(#1,2)

#10.連続歩行困難

 

Handⅰcap

#11.職場復帰(連続歩行困難により)

Impairment

#1.熱

#2.腎機能障害(右大腿内側へのシャント)

#3.左股周辺筋力低下

 

Disability

#6.歩行

#7.立位

 

Handⅰcap

#10. 禁忌動作による生活の狭小

  

Ⅶ.理学療法プログラム

初期:術前

最終:術後

・右腰部,左股関節部―ハムストリングスへのホットパック

疼痛の緩和を目的とする.

・徒手抵抗により下肢筋力強化

最大筋力の80%で行い,筋力増強を目的とする.

・階段昇降時の杖使用練習

・ADL練習

・  大腿四頭筋:大腿の下に枕をいれ膝伸展

・  股外転筋群:背臥位で外転

・  股内転筋群:背臥位で内転

・  大殿筋:背臥位で下肢に枕をおき下に押し込む

自室でもできる筋力増強練習として指導

・ブリッジ

ハムストリングスの筋力増強練習

・足関節低底背屈運動

術後の深部静脈血栓症の予防として施行していく.

・マッスルセッティング

大腿四頭筋の筋力増強として施行する.

・セラバンド使用による外転運動

中殿筋筋力増強を目的とする.

 

 

Ⅷ.経過

 

○日

○日

○日

○日

○日

○日

○日

○日

○日

○日

○日

下肢筋力強化

   

底背屈

     

ADL練習

 

        

ホットパック(右腰部)

         

ギャッジアップ

   

     

Ⅸ.変化

床上リハビリのため,ADL能力未評価.

 

Ⅹ.ゴール

初期

最終

術後2日~4日:車椅子へ移乗(介助)

術後5日~7日:車椅子へ移乗(自立),寝返り可能

術後8日~15日:平行棒内歩行(両手支持にて)可能

術後16日~23日:片松葉歩行の獲得

術後24日~31日:T字杖歩行可能

術後4週:実用T字杖歩行,階段昇降可能

リハ室でのリハビリ再開に伴い変化すると考えた.しかし,現在初期の5~7程度の能力はあることから,リハビリ再開後は,初期の8~15日が再開後1~7日に相当すると考えた.

 

ⅩⅠ.考察

本症例は,術後熱発や人工透析のためリハビリが行えない状態であった.そのため,まず必要とすることは運動機能の回復よりも,内部的な腎機能障害や熱が問題となっていると考えた.

筋力は絶対安静を続けることで1日に1~1.5%の筋力低下が生じ,廃用性の筋力低下を生じさせないためには1日に最大筋力の20~30%の運動が必要であるといわれている.本症例は術前,術後と患側を除き,著名な筋力低下が生じていなかった.しかし,患側は手術により脚長差を改善するため筋力が働きやすい長さよりも伸長されることや筋を傷つけることによる筋力低下が生じていた.現在は,臥床に伴う筋力低下を生じさせないことが予後を良くするために必要であると考えた. 

術後,患側股関節屈曲85度と可動域制限が生じていた.しかし,本症例は人工骨頭全置換術を施行しているため,これ以上の可動域の獲得は治療により行う必要はないと考えた.リスク管理としては術後,脱臼の危険が伴ってくるので,術前より脱臼肢位や安全な運動パターンを指導していた.今後,リハビリ室でのリハビリが開始され,能力の向上にともない起き上がり,入浴,靴下の着脱等の指導をしていきことが必要だと考えた.その他には本症例は慢性腎不全の既往があるため,疲労感が見られないよう休息をとりながら理学療法を施行する必要があると考えた.

本症例は,術後仕事復帰の意欲があるので,早期回復が望んでいた.仕事復帰に当たって術前は連続歩行を評価していないが,職場で必要とされる1km以内の連続歩行距離の獲得が必要となる.本人より杖無しにて歩行は疼痛により困難となっており,術後,本症例は職場復帰の希望があるので,リハビリの目標として連続歩行1kmとすることを考えた.

 

ⅩⅡ.終わりに

現在,床上リハビリのみとなっているため,今後,リハ室でのリハビリ再開に伴い評価をすすめ,理学療法アプローチを進めていく必要があると考えた.

 

参考及び引用文献

  1. 高久 史麿,他:治療薬マニュアル 2001,医学書院,2000年11月
  2. 細田 多穂,柳沢 健:理学療法ハンドブック(改定第3版)第1巻理学療法の基礎と評価,共同医書出版社,2000年4月28日

 

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疾患名
特徴
脳血管疾患

脳梗塞

高次脳機能障害 / 半側空間無視 / 重度片麻痺 / 失語症 / 脳梗塞(延髄)+片麻痺 / 脳梗塞(内包)+片麻痺 / 発語失行 / 脳梗塞(多発性)+片麻痺 / 脳梗塞(基底核)+片麻痺 / 内頸動脈閉塞 / 一過性脳虚血発作(TIA) / 脳梗塞後遺症(数年経過) / トイレ自立を目標 / 自宅復帰を目標 / 歩行獲得を目標 / 施設入所中

脳出血片麻痺① / 片麻痺② / 片麻痺③ / 失語症 / 移乗介助量軽減を目標

くも膜下出血

片麻痺 / 認知症 / 職場復帰を目標

整形疾患変形性股関節症(置換術) / 股関節症(THA)膝関節症(保存療法) / 膝関節症(TKA) / THA+TKA同時施行
骨折大腿骨頸部骨折(鎖骨骨折合併) / 大腿骨頸部骨折(CHS) / 大腿骨頸部骨折(CCS) / 大腿骨転子部骨折(ORIF) / 大腿骨骨幹部骨折 / 上腕骨外科頸骨折 / 脛骨腓骨開放骨折 / 腰椎圧迫骨折 / 脛骨腓骨遠位端骨折
リウマチ強い痛み / TKA施行 
脊椎・脊髄

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その他大腿骨頭壊死(THA) / 股関節の痛み(THA) / 関節可動域制限(TKA) / 肩関節拘縮 / 膝前十字靭帯損傷
認知症アルツハイマー
精神疾患うつ病 / 統合失調症① / 統合失調症②
内科・循環器科慢性腎不全 / 腎不全 / 間質性肺炎 / 糖尿病 / 肺気腫
難病疾患パーキンソン病 / 薬剤性パーキンソン病 / 脊髄小脳変性症 / 全身性エリテマトーデス / 原因不明の歩行困難
小児疾患脳性麻痺① / 脳性麻痺② / 低酸素性虚血性脳症
種々の疾患が合併大腿骨頸部骨折+脳梗塞一過性脳虚血発作(TIA)+関節リウマチ

-書き方, 整形疾患, 病院, レポート・レジュメ, 内科・循環器