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今回ご紹介する加算は、「緊急時訪問看護加算」です。
・看護師が訪問していない月に緊急時訪問看護加算は算定できる?
・緊急訪問していない月でも緊急時訪問看護加算は算定できる?
・緊急の電話が来たら必ず訪問しなければならない?
この記事では、緊急時訪問看護加算を解説するとともに、現場の悩みを解決していきます。
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緊急時訪問看護加算とは
緊急時訪問看護加算とは、24時間365日緊急の連絡や緊急の相談、緊急時の訪問依頼等に対応する時に算定することができる加算です。
現場では「オンコール」とも呼ばれていますね。
つまり、利用者からすると365日24時間いつでも相談ができて、必要時にはいつでも訪問してくれる加算です。
要介護状態の人が安心して在宅生活を送れる加算といって良いでしょう。
ただ、裏を返せばその電話を受ける看護師がいなければなりません。
確かに、看護師の負担が大きくなることは容易に想像できます。
ちなみに、「緊急時訪問看護加算」は介護保険の加算であり、医療保険の場合は「24時間対応体制加算」と呼びます。
実際、オンコールの辛さに悩む看護師は一定数いるようです。
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緊急時訪問看護加算の料金
以下が、緊急時訪問看護加算の料金です。
訪問看護 | 緊急時訪問看護加算(Ⅰ):600単位/月 緊急時訪問看護加算(Ⅱ):574単位/月 |
介護予防訪問看護 | 緊急時訪問看護加算(Ⅰ):600単位/月 緊急時訪問看護加算(Ⅱ):574単位/月 |
【緊急時訪問看護加算(Ⅰ)】
以下の基準の全てに適合すること。
- 利用者またはその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制にある
- 緊急時訪問における看護業務の負担の軽減に寄与する十分な業務管理等の体制の整備が行われている
【緊急時訪問看護加算(Ⅱ)】
- 緊急時訪問看護加算(Ⅰ)の1に該当するものであること。
緊急時訪問看護加算のQ&A
それでは、緊急時訪問看護加算にまつわる、現場の悩みにQ&A形式でお答えしてまいります。
「緊急時訪問看護加算」で話を進めていきますが、「24時間対応体制加算」も同様の考えです。
緊急時訪問看護加算は必ず訪問しなければならない?
緊急時訪問看護加算を算定している利用者から緊急の電話がきたら、絶対に訪問行かなきゃいけないんですよね?
私だってプライベートあるし、お酒も飲みたいし。。
看護師にとってはやっぱり不安ですよ!
緊急時の電話がきたら絶対に訪問しなければならないという事ではありません。
訪問看護ステーションごとで解釈が異なるかもしれませんが、電話内容を聞いて、緊急性がなさそうな内容だったり、利用者本人や家族で対応できそうな内容なら、電話で対応を終わりにしても問題はないと思います。
ただ、次の日に訪問を朝一に入れるなどのフォローは必要かもしれません。
とはいっても、緊急訪問はあり得る事なのでお酒は控えた方が良いでしょう。
緊急訪問をしなくても緊急時訪問看護加算を算定できる?
もし、1ヶ月間緊急連絡や緊急訪問がなくても、緊急時訪問看護加算は算定することができます。
当該月に看護師の定期訪問がなくても緊急時訪問看護加算を算定できる?
その月に看護師の定期訪問がなかった場合は、緊急時訪問看護加算を算定できないと考えます。
例えば、理学療法士などのリハビリ提供(訪問看護(Ⅰ-5))のみの訪問実績で、看護師による訪問実績が何らかの理由で当該月に無かった場合は、計画された訪問看護が実施されていたとはいえず、当該加算は取れないと考えます。
もし、定期の訪問看護が無かった場合でも、緊急時に訪問看護を実施した場合は、訪問日に緊急時訪問看護加算を算定できます。
緊急訪問時の算定は?
緊急訪問の算定は、「特別管理加算」を算定している利用者かどうかで取り扱いが異なります。
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緊急時訪問看護加算は准看護師でも算定できる?
利用者からの電話連絡は、原則として看護師または保健師が対応しなければなりません。
看護師または保健師が連絡対応をした後、准看護師に指示をして緊急訪問を行った際は所定単位数の90/100を算定できます。
緊急時訪問看護加算は知らない利用者の対応もしないといけない?
緊急時訪問看護加算の緊急連絡って、知らない利用者の電話も対応しなければならないとか、精神疾患の利用者から電話がきて夜中に何時間も電話対応したなんて話も聞いたことあります。。
私にできるかしら・・・。
確かに、ステーションの規模にもよりますが、自分の担当以外の利用者から電話がくることはあります。
そのため、ステーションの対応として、
・電子カルテ上で利用者の情報が見れるようにしておく
・電話がきそうな利用者は事前に申し送りをもらっておく
このような仕組みを構築しておく必要があります。
緊急時訪問看護加算は精神疾患の利用者を対応することも多い?
訪問看護ステーションの特徴にもよりますが、精神疾患の利用者からのオンコールはあります。
ただ、夜中に長時間相手の相談を聞くということは、お互いにとって健全ではありません。
そのため、「できるだけ早く電話を終わらせて、日中の訪問で対応をする」という方向に流れを持っていく技術も必要かと思います。
対応策として、精神科訪問看護に力を入れているステーションは、契約時に「オンコールは○○分まで」と提示するところもあります。
この点は、各訪問看護ステーションの方針、地域の実情に合わせて決めていくことが望ましいと考えます。
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緊急時訪問看護加算算定時の注意点は?
緊急時訪問看護加算を算定するに当たっての「契約の仕方」は非常に重要です。
訪問看護ステーションによっては、緊急時訪問看護加算を「魔法の加算」かのように説明してしまうことがあります。
利用者に安心してもらいたいがために、
「24時間いつでも行きますよ〜」
「なんかあったらすぐに電話くださいね〜」
など、本当にその体制が整えられるのであればいいんですが、実際働いているスタッフの現状とはかけ離れていることがあります。
「オンコール契約しているのに看護師が来てくれなかった!」
「電話をすぐ切られた!」
など、後々のトラブルにつながらないよう、契約の段階で「私たちのステーションができるのはここまでです」と、内容を提示した方が良いでしょう。
失敗しない契約の方法は、コチラの記事(ひな形に沿った訪問看護の契約方法を完全解説!【説明の仕方】)を参考にしよう!
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ちなみに、緊急時訪問看護加算を算定していない人からも緊急連絡がかかってくることってあるんですか?
う〜ん。ステーションによってはあり得ちゃうのかな。。
ただ、これはあってはならないことです。
まず、緊急時訪問看護加算を算定していない人が緊急連絡先を知っているのはおかしいです。
なぜなら、緊急時訪問看護加算は、利用者もお金を払って契約をしています。
それが、契約をしていない人、つまりお金を払っていない人も夜間に看護師と電話ができるというのは望ましくありません。
そのため、、緊急時訪問看護加算を算定している人のみ緊急連絡先を知れるという仕組みを整えるべきです。
もし、夜間に代表電話に緊急時訪問看護加算を契約していない人の留守電が入ったとしても、次の日に掛け直すくらいに徹底してもいいかもしれません。
このようなことが続くようなら、ケアマネジャーと相談して翌月から緊急時訪問看護加算を追加するのが良いと思います。
訪問看護ステーションの連絡先は、「緊急時訪問看護加算を算定している人」と「していない人」の2パターン作成しておこう!
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緊急時訪問看護加算のまとめ
緊急時訪問看護加算に関しては、会社がどうフォロー体制を整えているかで変わります。
中には1ヶ月2~3人の看護師で回しているステーションもありますし、オンコールがかかってきた時に上司への相談ができず1人で悩み抱えてしまうケースもあります。
実際、オンコールが辛くて訪問看護を辞める人も多くいます。
この点、不安が大きいようでしたら、入職する時に面接で聞いてしまう方が良いと思います。
「夜間のオンコールは必須ですか?」
「夜、困った時でも上司に相談しても良いですか?」
など、確かに聞きにくいことですが、就職した後に気づいても遅いです。
この点、転職サイトを使って仲介会社の担当の人に聞いてもらっても良いかもしれません。
*管理人が実際に働く中で都道府県や市区町村に聴取した内容も含まれています。住んでいる場所によっても捉え方が異なる場合がありますので、各々関係各所に確認を取るようにしましょう。
その他の加算も知りたい人はコチラ!
当サイトでは、訪問看護に従事する上で抑えておきたい加算を数多く解説しております。
以下にまとめておくので、ぜひ参考にしてみてください。