理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師を目指す学生に向けた、評価ポイント解説シリーズ。
今回は、「動作分析」です。
動作分析は、患者の自立を目指すため、問題点を把握するためなど、臨床上とても大事な評価項目になります。
今回は、分析・評価ポイントの解説に加えて、「動作分析」に最適な評価シートを用意したので、ダウンロードして実習に臨んでください。
もちろん、ダウンロードは無料です。
実習に最適!「動作分析」の記録用紙(評価シート)無料ダウンロード
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動作分析の方法は、10人のリハビリスタッフがいれば10通りの方法があると言っても過言ではありません。
あなたがやりやすい方法を見出すことが重要です。
一般的に使用されている分析・評価シートを3種類用意したので、使いやすいものをダウンロードして望んでください。
歩行や動作分析の時に、「棒人間」で患者の姿勢・運動を表現したい!という人は、こちらの記事(【実習】思い通りに作成!動作分析に最適「棒人間」ダウンロード)からダウンロード可能なので、ぜひご活用ください。
【実習】思い通りに作成!動作分析に最適「棒人間」ダウンロード
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実習に必須!動作分析のポイント
それでは、ここからは各動作分析のポイントをお伝えしてまいります。
実習で分析・評価をすることが多い、「基本動作」「食事」「整容」「排泄」「入浴」を中心に取り上げます。
「歩行分析」は、こちらの記事(【実習】歩行分析のポイント!【図付き評価シートダウンロード可】)で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【実習】歩行分析のポイント!【図付き評価シートダウンロード可】
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基本動作の分析ポイント
ベッド上
ベッド上で動作分析をするポイントは、以下の通りです。
背臥位で体を上方へ移動する |
背臥位で体を下方へ移動する |
背臥位で体を右側へ移動する |
背臥位で体を左側へ移動する |
寝返り(背臥位→右側側臥位) |
寝返り(背臥位→左側側臥位) |
寝返り(背臥位→腹臥位) |
起き上がり |
ベッド上 あぐらor長座位保持 |
ベッド端座位保持 |
ベッド端座位移動 |
ベッドからの立ち上がり |
ベッド際 立位保持 |
マット上
横ずわり |
いざり |
四つ這い移動 |
膝歩き |
マットからの立ち上がり |
ベッド→マット |
マット→ベッド |
移乗
車いすからの立ち上がり |
ベッド→車いす |
車いす→ベッド |
マット→車いす |
車いす→マット |
車いす→トイレ |
トイレ→車いす |
車いす操作・駆動 |
基本動作の評価基準
基本動作は、以下の評価基準で数値化することをオススメします。
0:全介助 1:一部介助 2:口頭指示・補助物が必要 手順・安全性において指示を行う必要がある.ベッドレール・手すり・台など、安定した補助物を使用して行える. 3:監視 補助物を使用してはならない.安全性・完成度に問題あり.時間のかかり過ぎ. 4:自立 補助物を使用してはならない.同一動作を適当回数繰り返し行え、安全で動作が確立している. *歩行自立で車いす不要の場合は車いすに関する動作はすべて自立とする. |
基本動作の分析・評価にオススメ!評価シートダウンロード
基本動作の分析・評価にオススメの評価シートをご紹介します。
寝ている状態から立ち上がるまで、患者がどのような軌跡を辿っているのかが可視化されているため、順序を追うことができます。
食事動作の分析ポイント
食事動作の分析ポイント!
- 食事遂行時間
- 姿勢の安定性
- 坐位の耐久性
- バランスの良い摂取
- スムーズな動き(過剰な動きをしていないか)
- 食事動作を始める前に坐位姿勢を見る、足底が床についているか
食事動作 | 分析ポイント |
摂食道具をとる | 距離感、道具を見ているかの目線、認知、形状の把握、物品の操作(使用方法に合わせた握り方) |
食器の固定、持つ | 形状の把握 |
一口大に切る | 自分の口に合わせて切れるか(認知)、食事を切る力があるか |
わけたものをつかむ、すくう | 食べ物をうまくすくえるか(→前腕回外などの動き、食器に押し付ける)、道具の使用、肘の固定(安定性)、視線 |
口に運ぶ 場合により食器を口に近づける
| (体幹が前屈しているか)←姿勢、口にうまく運べるか(足底異常、振戦がわかる)、手首の固定 食器を持つことができるか、食器の形状に合わせて固定できるか、手の形が作られているか、姿勢の保持、食べ物をこぼさないほど役目を果たせるか(適切な距離に保たれているか)、口にうまく運べるか、手首の固定、 |
食べ物をとりこむ | 口を適切な大きさに開けられるか |
整容動作の分析ポイント
整容動作の分析ポイント!
- 上肢の動き(巧緻性など)
- 物品の操作ができるか(観念失行の有無など)
- 安全性
- 注意力
整容動作 | 分析ポイント |
洗面所まで行く | 歩行の状態(安定性・安全性) |
歯ブラシをとる、歯磨きチューブをとる | 上肢のリーチ動作、体幹の重心移動、歯ブラシ・チューブの形状に合わせた握り |
ふたを開ける、歯磨きペーストを搾り出す チューブを保持、チューブを絞る | 指の巧緻性(つまみ動作)、ピンチ力、歯磨きペーストを適量分出せるか ピンチ力 |
歯ブラシにペーストをつける チューブを保持・動かす | 振戦がないか、歯ブラシにペーストをつけられるか(違う場所につけていないか) 振戦がないか、手関節の動き |
歯を磨く | 歯にあったブラシの動かし方(磨き残しはないか→半側空間無視)、力の加減、手指の巧緻性、歯ブラシの柄の形状に合わせた持ち方(握り・保持・把握) |
水道をひねって水を出す、手で水をすくう(コップに水をいれる) | 握力、取っ手の形状を把握、水を手やコップの中にいれられるか、体幹前屈、手を口元に持っていけるか(リーチ動作) |
口をすすぐ | 水を口から出すとき体幹が前屈しているか、水をグチュグチュとする口腔の動き、水を飲み込まず吐き出せるか |
タオルをとる、タオルで口を拭く | 初めからタオル準備しているか、タオルをとる時のリーチ動作、タオルを口元に持ってこれるか、ボディーがあるか(口がどこにあるかわかる) |
洗面所から出る | 歩行の状態(安定性・安全性) |
排泄動作の分析ポイント
排泄動作の分析ポイント!
- 各動作の認知・正確性
- 清潔を保てるか
排泄動作 | 分析ポイント |
トイレのドアを開ける | 肘のリーチ動作、手指がドアノブの形状に合わせているか、立位が保たれているか |
トイレ内に入る | 歩行による重心の移動の様子 |
扉を閉める | 肘のリーチ動作、手指がドアノブの形状に合わせているか、立位が保たれているか |
所定の位置に立つ | 便器の前に立てているか(空間認知)、体幹の回旋がスムーズに行われているか |
ズボン、下着を下げる | ボタン、ファスナーをうまくはずせるか(手指の巧緻性、つまみ)、ズボン、下着をうまく下ろせるか、体幹の前傾(安定性) |
便器に座る(しゃがむ) | 体幹の前傾(安定性)、きちんと便器の形に合わせて座れるか、下肢の筋力、支持性 |
用をたす | 腹圧、尿意のコンロール |
トイレットペーパーを必要量ちぎる・ペーパーホルダーを押さえる | 手指の巧緻性、体幹の回旋、トイレットペーパーを適当な量でちぎれるか(認知) |
臀部・陰部をふく | きちんと陰部・臀部をふけているか、拭き残しはないか(測定異常)、腕を下に持っていけるか |
立ち上がる | 下肢の筋力、支持性、重心の移動ができているか |
ズボン、下着をあげる | ファスナー・ボタンをうまくつけられるか(手指の巧緻性、つまみ)、ズボン・ファスナーをうまくあげられるか |
手を洗い拭く | 清潔への意識、立位の保持(安定性)、蛇口の操作(巧緻性)、手指の動き、きれいに拭くことができるか |
回転し扉を開ける | 手指がドアノブの形状に合わせることができるか、体幹の回旋(安定性) |
トイレの外に出る | 歩行による重心の移動の様子 |
扉を閉める | 肘のリーチ動作、手指がドアノブの形状に合わせているか、立位が保たれているか |
入浴動作の分析ポイント
入浴動作の分析ポイント!
- 安定性
- 認知レベル
- 感覚(温度に対する注意)
- 洗い残しの有無
- 体幹、姿勢の安定性
- 遂行時間
入浴動作 | 分析ポイント |
脱衣室で衣服を脱ぐ (ボタンを外すなど主導的動作、補助としての使用) | 手指をボタンなどの形状に合わせることができるか、手指の巧緻性(つまみ)、上肢は脱ぐという更衣動作ができるか、体幹と下肢は衣服を脱ぐ動作は前後左右に揺れるが保たれるか(安定性、支持性)、全身運動 |
浴室に入る | 空間の認知、段を超える、滑らないなど安全に動作を行えるか、下肢の筋力、支持性 |
髪を洗う | 手指の巧緻性、上肢が肩外転・肘屈曲できるか、体幹を前屈、椅子に座れるか |
洗体(タオル・ブラシを持ちこする、背中洗いの際タオルを持ちこする) | こするときの体幹の回旋、こする強さ、ボディーイメージの有無、半側無視の有無(清潔感)、背中洗いの際に手を後ろに持っていけるか、道具を使用できるか(認知) |
浴槽に入る(縁につかまる) | 浴槽を跨ぐ時の下肢のリーチ動作、股関節の屈曲などの動き、跨いだ足の反対足での支持性・安定性、全体を通してバランス、縁に摑まるときに縁の形状に合わせることができるか、体重の指示・安定性・注意力 |
浴槽から出る | 浴槽を跨ぐ時の下肢のリーチ動作、股関節の屈曲などの動き、跨いだ足の反対足での支持性・安定性、全体を通してバランス、縁に摑まるときに縁の形状に合わせることができるか、体重の指示・安定性・注意力 |
浴室から出る | 空間の認知、段を超える、滑らないなど安全に動作を行えるか、下肢の筋力、支持性 |
体・髪を拭く、とかす | 水分をきちんと拭き取れるか(注意力・清潔感) 手の後ろまで持っていけるか、指の巧緻性、全身の動き |
衣服を着る | 手指をボタンなどの形状に合わせることができるか、手指の巧緻性(つまみ)、上肢は脱ぐという更衣動作ができるか、体幹と下肢は衣服を脱ぐ動作は前後左右に揺れるが保たれるか(安定性、支持性)、全身運動 |
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