訪問看護は、看護師やリハビリ(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)の国家資格があれば働くことはできます。
しかし、昨今は訪問看護に求められることが多岐に及んでおり、国家資格+αの資格・スキルアップを身につけることが求められています。
今回は、訪問看護スタッフにオススメの資格・スキルアップをランキング形式で発表いたします。
・もっとケアに幅を持たせたい!
・もっと利用者や家族とうまく関係性を構築したい!
・もっと年収を増やしたい!
このように考えている方は、きっとお力になれると思います。
私は長年、訪問看護ステーションで所長・エリア統括を経験し、今では人事業務も行っています。
今回紹介する資格・スキルアップは、すべて私が関わったスタッフが取得していたものに限ります。
明日からすぐに活かせるものばかりです!
訪問看護スタッフにオススメの資格・スキルアップランキングTOP10
それでは、訪問看護スタッフにオススメの資格・スキルアップランキングTOP10を発表します。
【第1位】
介護食アドバイザー
「介護食アドバイザー」は、介護食のスペシャリストとして証明される資格です。「介護食コンサルタント」とも呼ばれます。
介護食アドバイザーでは、高齢者の心理をはじめ、高齢者に見られるそしゃく力の低下・内臓機能低下などの身体的特徴、栄養学、病気と食生活の知識など、体調に合わせた食事の作り方を学びます。
例えば、栄養の低い利用者から「どのようなものを食べたらいい?」と聞かれたとします。
介護食アドバイザーを学べば、
「〇〇さんは〇〇の病気を持っているので、お味噌汁のお塩は〇〇gまでにしてください。〇〇製のお味噌をスプーン一杯くらい入れると良いでしょう!」
「〇〇さんは栄養値が低いので、週3回は魚を取り入れるようにしましょう。夕飯に〇〇g食べるのがオススメです!」
のように、より具体的なアドバイスができるようになります。
★高齢者の食事メニューや作り方が分かる
★健康状態に合わせた栄養バランスや食具の選び方が分かる
★誤飲や脱水症状など事故時の応急処置の方法が分かる
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【第2位】
ケアビューティスト
ケアビューティストは、高齢者にお化粧をして綺麗にしてあげるスキルです。
介護現場では、お年寄りの方に対してメイクやネイル、アロマ、タッチケアといった美容のアプローチを行うことによって、リハビリや社会参加への意欲がわいたり、穏やかでいられる時間が増えたり、入浴や食事を拒む回数が減ったりといったさまざまな実例が報告されています。
美容の技術で自分らしさや生きる力を届け、笑顔のある暮らし方を支援するのがケアビューティストのお仕事です。
実際、私が関わっていた100歳の利用者に対してメイクを施したところ、初めてその方の笑顔を見ることができました。
女性はいくつになっても潜在的に「美」に対する意識があり、お化粧は人生の楽しみを再認識するキッカケになり得るのです。
苦手意識を持っていた利用者とのコミュニケーションが円滑にできるようになりましたよ!
★高齢者のメイク・ネイルの方法が分かる
★美を通じたコミュニケーションの方法が分かる
★資格を活かして独立をすることもできる
【第3位】
心理カウンセラー
心理カウンセラーは、さまざまな悩みをもつ利用者の話に寄り添うように対話し、利用者自身が解決していけるよう支援する資格を指します。
訪問看護の利用者は、「ケアの技術」よりも「メンタルに寄り添ってくれる部分」を大事にしているという統計が出ています。
つまり、「あなたがきてくれるだけで元気が出る」と、心のケアを望んでいる人が多くいるのです。
もし、あなたが利用者から満足な声をいただけていない、訪問しても何かモヤモヤが残るという人は、看護の知識や技術はあるかもしれませんが、相手の心理に寄り添えていない可能性が高いかもしれません。
また、心理カウンセラーの知識や技術は、自分自身のメンタルも安定して保つことができます。
心理カウンセラーを学ぶことで、「なぜ私は悩んでいるのか」に気づき、自分なりの解決方法を習得することができるようになります。
★相手が何を望んでいるのかを察することができる
★適切な相槌やアドバイスができる
★自分のメンタルを良好に保つことができる
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【第4位】
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は、認知症ケアに対する優れた学識と高度の技能、および倫理観について学んだことを証明する資格です。
認知症ケア専門士の資格を取得すると、「認知症ケア専門士のいる施設・団体」に掲載されるため、認知症のプロがいる事業所として世間から認知されるようになります。
例えば、家族から「認知機能が落ちているような気がする」と相談を受けた時、
「受診をしてみましょう」
「薬を変えてもらいましょう」
以外の提案ができるでしょうか。
もちろんそれも重要ですが、家族は「どのように対応をしたらいいのか」「こういう場合はどう接したらいいのか」ということを聞きたいのです。
認知症ケア専門士の資格を取得することにより、
「この場合はゆっくり話したほうがいいですよ」
「この場合は何度も伝えたほうがいいですよ」
など、より現場に即したアドバイスをする事ができるようになります。
これからますます需要が高まる資格といえるでしょう!
★これから需要が高まる資格
★受診や内服以外のアドバイスができる
★特に看護師や作業療法士にオススメ
【第5位】
終末期ケア専門士
終末期ケア専門士は、エビデンスに基づいたケアの実践など、終末期の臨床ケアにおけるスペシャリストを証明する資格です。
終末期ケアについて基礎から学ぶことができ、エビデンスがまだ十分に確立されていない分野の現状も知ることができます。
日本国民において「自宅で最後まで療養したい」「自宅で療養して、必要になれば医療機関等を利用したい」と回答した高齢者は、約6割にものぼります。
もちろん、医療体制の問題など、実際に自宅療養を望んだとしても難しい場合はありますが、今後は訪問看護で看取りをする機会が増えてくるでしょう。
「どのように寄り添ったらいいか分からない」
「悲観的な言葉が聞かれた時、どう答えたらいいか分からない」
「終末期に向けて、どのような考えや気持ちでいたらいいのかなどアドバイスする事ができない」
このような悩みを抱えているとしたら、ぜひ終末期ケア専門士の取得をオススメします。
★終末期の寄り添い方が分かる
★悲観的な言葉が聞かれたときの対応が分かる
★終末期に向けたより具体的なアドバイスができる
【第6位】
リンパドレナージュ
リンパドレナージュとは、全身に流れる「リンパ液」と呼ばれる液体の流れを良くする施術方法です。
リンパ液には、余分な水分や老廃物を回収して運搬する働きがあるため、リンパドレナージュと行うことで浮腫などの症状改善を図ることができます。
ドレナージュとは広義でマッサージの一部であるため、日本では主に「リンパマッサージ」とも呼ばれています。
訪問看護の現場でも、「片足だけパンパンに腫れている」など、リンパ浮腫の利用者に会うことは少なくありません。
リンパ浮腫が原因でADLに介助を要しているというケースもあるでしょう。
リンパドレナージュは、あくまでもリンパ浮腫の改善を目的にしているに過ぎなかったとしても、訪問看護で導入すればADLの改善、QOLの向上に直結することができる、非常に現場に即した施術なのです。
終末期の緩和ケアにも応用できる技術です!
★リンパマッサージの方法が分かる
★リンパ浮腫に対するケアの方法が分かる
★緩和ケアの一助になる
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【第7位】
睡眠コンサルタント
睡眠コンサルタントは、睡眠に関わる脳の科学的な働きから夢の秘密、快適な眠りのための環境作りなど、睡眠に関わるあらゆる知識を持ち、自分自身や周囲の人の理想の睡眠をサポートできるスペシャリストです。
看護師やリハビリスタッフ(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)は、睡眠を生理学的側面から学ぶことはありますが、睡眠に対する具体的な知識を学ぶことはありません。
しかし、現場では「睡眠を薬に頼っている」「昼夜逆転がひどい」など、睡眠が日常生活に悪影響を及ぼしてしまっている状況が散見されます。
このとき、訪問看護のスタッフは薬の調整に頼ってしまいがちですが、睡眠コンサルタントを学ぶことによって、
・適切な睡眠スケジュール
・光の重要性
・適度な昼寝時間
・嗜好品の影響
・快適な眠りの環境 など
といった、このような様々な角度からアドバイスをする事ができるようになります。
こんなアドバイスができるようになる!
★薬の調整以外のアドバイスができる
★睡眠に対するより具体的なアドバイスができる
★利用者だけではなく、自分自身や家族の睡眠も改善できる
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【第8位】
リフレクソロジー
リフレクソロジーは、主に足の裏(手の平を含む事もある)の反射区(ツボみたいなイメージ)を刺激することによって、疲労回復、リンパの流れを整える、老廃物の排出などをはかる療法です。
日本での普及初期には、「フットケア」と呼ばれていました。
リフレクソロジーを行う人のことを、リフレクソロジストと呼びます。
日本ではあまり聞き馴染みのない療法ですが、イギリスでは主に看護師が医療現場で多用しており、効果が広く認められています。
リフレクソロジーで期待できる効果
- 保温(身体を温める)効果
- 浮腫の予防・改善効果
- アンチエイジング効果
- 病気予防効果
- 新陳代謝促進効果
- リラックス(ストレス解消)効果
★イギリスではホスピスにおける緩和ケアとして確立
★浮腫の予防・改善に効果あり
★精神面(リラックス)にも効果あり
【第9位】
介護予防運動指導員
介護予防運動指導員とは、高齢者の健康長寿を目指す研究などを行う『東京都健康長寿医療センター研究所』が提供する養成講座を修了した者に与えられる資格です。
主に、高齢者の心と体の健康を維持するための理論や運動法、筋力向上トレーニングの具体的な手法などを学びます。
令和3年4月の介護報酬改定により、今後はリハビリ職が訪問看護で要支援者に介入することは減っていくことでしょう。
そのため、このような利用者に対しては、看護師が介護予防の要素を踏まえたリハビリをしていく必要があります。
「要支援者だけど引きこもりがちで身体的な予防をしてほしい」というニーズがある場合は、看護師が担当することになります。
この点、介護予防専門指導員の資格を持っているのは強みに働くでしょう。
この資格を取ることにより、
・筋力訓練やストレッチの実施
・指導・誤嚥を予防するための口腔訓練
・健康に生活するための栄養指導
など、介護予防に関するアプローチを自信を持ってすることができるようになります。
★筋力トレーニングの具体的な方法が分かる
★嚥下機能に対する訓練方法が分かる
★訪問看護師にとって必須の知識・技術になる
【第10位】
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修とは、介護に必要な基礎的な知識や技術を修得したことを証明する資格です。以前は「ホームヘルパー2級」と呼ばれていました。
国の方針から見ても、今後は「訪問看護」と「訪問介護」の連携がさらに求められてきます。
しかし、「うまく指導ができない」「こっちの言っていることがうまく伝わらない」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
それは、あなたが訪問看護の知識・技術をベースにしているからです。
その点、自分が介護職員初任者研修を受けることにより、相手のテリトリーを理解することが出来ます。
「ヘルパーはここまでしか習わないから、ここから指導するようにしよう」
と、相手の視点に立った指導ができるようになります。
そして、これは家族に対しても同じことがいえます。
「どのように移乗したらいいか分からないので教えてください」
「どのように着替え介助をしたらいいか教えてください」
家族は、介護の素人です。
「なんで伝わらないんだろう・・・?」
家族への指導がうまくいっていないと感じている人は、介護の素人がどのような部分に悩んでいるのか分かっていないのです。
その点、介護職員初任者研修で介護の基礎の基礎を学ぶことで、「何も知らない人」の気持ちがわかるようになります。
★「介護の素人」の気持ちが分かる
★介護士に対して適切なアドバイスができる
★家族に対して適切なアドバイスができる
訪問看護スタッフにオススメの資格・スキルアップランキングまとめ
ランキング | 資格・スキルアップ |
第1位 | 介護食アドバイザー |
第2位 | ケアビューティスト |
第3位 | 心理カウンセラー |
第4位 | 認知症ケア専門士 |
第5位 | 終末期ケア専門士 |
第6位 | リンパドレナージュ |
第7位 | 睡眠コンサルタント |
第8位 | リフレクソロジー |
第9位 | 介護予防運動指導員 |
第10位 | 介護職員初任者研修 |
正直、ランキング形式で発表はしましたが、興味を持つ資格・スキルアップは人それぞれ異なります。
資格・スキルアップは勉強なので、あなたが興味を持たないと続けることができません。
今回ご紹介した資格・スキルアップは、どれも確実に訪問看護において味方になってくれるものばかりです。
ぜひ、あなたが興味のあるものを習得して、訪問看護ライフをより豊かなものにしてください!