ご存知の通り、訪問看護は大変な仕事です。
「移動が大変です…」
「一人でケアをするので自信が持てなくなるときがあります…」
「書類が多すぎて嫌になるときがあります…」
このように、日々の業務で悩むことも多く、モチベーションが低下してしまうことも少なくありません。
この記事では、モチベーションが低下してしまいやすい原因と、維持をするためにはどのようにしたら良いかという解決策をお伝えします。
少しでも、日々の業務が楽になれば幸いです。
訪問看護でモチベーションが低下してしまいやすい原因と解決策
私は訪問看護で人事もしているため、日々多くの方々と面談をしています。
その中で、特にモチベーションが低下してしまいやすい原因は以下の5点が挙げられます。
- 業務に対してマンネリ感がある
- 体力が持たない
- 人間関係がつらい
- 自分のケアに自信が持てない
- 残業が多い
業務に対してマンネリ感がある
訪問看護の良い面でもあるのですが、相手にする利用者は比較的安定している人が多いです。
そのため、提供するケアやリハビリが単調になり業務請負に対してマンネリ感を覚えてしまうことがあります。
「成長している感じがしない」
「去年と比べて何も変わっていない」
「こんなケアを続けていて良いのだろうか」
このように考えてしまい、モチベーションが低下してしまうことがあります。
解決策
「業務に対してマンネリ感がある」に対する解決策は、以下の2点です。
- 私が関わってきたから今の安定した利用者がいると考える
- 新たな資格を取得する
業務に対するマンネリ感は、考え方一つで変えることができます。
もし、単調な業務にモヤモヤしている人は、「変わらないケアやリハビリを提供できていることは良いこと」と捉えてみてください。
私たちの目的は、できるだけ長く安定した生活を支えることです。
そのため、利用者が変わらない生活を送れているということは、私たちの目標が達成できているとも言い換えられます。
この生活が送れているのは、私たちが定期的に関わってきたからなのです。
日々同じことの繰り返しで自身の成長を感じられない人は、新たな資格を取得してみることもオススメです。
例えば、介護美容を学ぶことによって利用者に美に関するアドバイスができるようになります。
心理カウンセラーを学ぶことによって、より相手の悩みに寄り添えるようになるかもしれません。
何より、また新たに新鮮な気持ちで訪問看護と向き合うことができるようになります。
訪問看護にオススメの資格は、コチラの記事(訪問看護スタッフにオススメの資格・スキルアップランキング【TOP10】)にまとめているのでぜひ参考にしてみてください。
【2023年版】訪問看護スタッフにオススメの資格・スキルアップランキング【TOP10】
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体力が持たない
訪問看護は移動を伴う仕事なので、少なからず体力勝負の側面があります。
特に都心部では自転車で毎日6件〜7件ほど訪問することも多く、帰ったらすぐにバタンッ…という人も少なくないはずです。
このような現状が続くと、「もう私には訪問看護は無理なのかな…」とモチベーションが低下してしまいます。
解決策
「体力が持たない」に対する解決策は、以下の3点です。
- 上司に訪問件数を減らしてもらうようお願いする
- 良い運動になっていると考える
- 移動時間をお金に変える
まず、最も手取り早い解決策が「上司に訪問件数を減らしてもらうようお願いする」です。
ただし、モチベーションが低下するくらい悩んでいる人は、事務所の関係上、訪問件数は減らせないことも多いかと思います。
そのような人は、「この移動がいい運動になって考える」という考え方を変える必要があります。
人間は30歳代から筋力が低下していきます。
何も運動をしなければ老いていく一方ですが、日々運動が定着していれば年を取った時に元気に過ごすことができます。
「貯筋」という言葉がある通り、今の運動が老後に繋がっていると考えれば、少しは気が楽になるのではないでしょうか。
人間関係がつらい
訪問看護に限ったことではありませんが、人間関係がつらいと本当にモチベーションが上がらないですよね。
「今日もあの上司と会わなきゃいけない…」
「事務所の雰囲気が最悪…」
仕事が楽しいと思えるか否かは人間関係次第といっても過言ではありません。
解決策
「人間関係がつらい」に対する解決策は、以下の3点です。
- できるだけ事務所に戻らない
- 異動をお願いする
- 転職をする
訪問看護は良くも悪くも一人で移動をして、一人でケアをする仕事です。
そのため、現場に出ているときは一人でいることが多く、煩わしい人間関係からは解放されます。
事務所に戻った時に嫌な思いをするなら、できるだけ事務所に戻らずに外で時間を潰すのもアリかと思います。
ただし、「この時間何してたの?」と指摘されるリスクもあることは抑えておきましょう。
人間関係が悪い職場に勤めているとすぐに転職を考えてしまいがちですが、「異動」をするだけで解決できる可能性があります。
多くの支店を持つ訪問看護ステーションに勤めている人は、違う支店に異動できるか上司もしくは人事に聞いてみるのは一つでしょう。
異動ができない、異動をするのは気まずいという人は、最終手段の転職に踏み切りましょう。
コチラの記事(看護師のドロドロした人間関係にウンザリ!転職するのが一番効果的。)では、ドロドロした人間関係に悩んでいた看護師が転職に成功した経験を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
自分のケアに自信が持てない
訪問看護は基本的に一人でケアをするため、利用者の状態が悪化した時や分からない症状に出会った時に自信が持てなくなってしまいます。
この状態が続くと、「自分には訪問看護は合わなかったんだ…」という失敗体験が植え付けられ、病院や施設に転職をしてしまいます。
解決策
「自分のケアに自信が持てない」に対する解決策は、以下の2点です。
- 先輩に同行をお願いする
- フィジカルアセスメント集を参考にする
最も効果的な解決策は、「先輩に同行をお願いする(OJT)」ことです。
ただし、効果的なのは事実ですが人員の関係上、同行はできないと断られるケースも多々あります。
その場合は、自分で何とかするしかありません。
頼りになるのは訪問看護でよく見られる症状に対するフィジカルアセスメント集を持参しておくことです。
「何かあったときはこれを見ればいい」という安心感は、非常に大きな支えになります。
当サイトでは、18事例のフィジカルアセスメントを集めた印刷物を販売しています。
訪問看護に対する自身がない人は、お守り代わりにでも持っておくことをオススメします。
残業が多い
訪問看護は「訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ」「訪問看護計画書」「訪問看護報告書」、定期的にケアマネからくる「照会依頼」……本当に書類関係が多い仕事です。
そのため、特に月末月初には残業をしてしまうという人も少なくないはずです。
多少の残業なら目を瞑れますが、毎日何時間も残業をしているのは精神衛生上よろしいものではありません。
解決策
「残業が多い」に対する解決策は、以下の1点です。
- 記載例を参考にする
書類関係は必ず作成しなければならないため、量自体を減らすことはできません。
そのため、どのように効率よく作成するかが重要になるのですが、その点は「記載例を参考にする」ことが最も効果的です。
その点、当サイトでは訪問看護にまつわる書類の記載例を500例以上公開しています。
また、記載例をまとめた印刷物も販売しているので、ぜひ日々の業務にご活用ください。
訪問看護でモチベーションが低下してしまいやすい原因と解決策まとめ
- 業務に対してマンネリ感がある→「私が関わってきたから今の安定した利用者がいると考える」「新たな資格を取得する」
- 体力が持たない→「上司に訪問件数を減らしてもらうようお願いする」「良い運動になっていると考える」「移動時間をお金に変える」
- 人間関係がつらい→「できるだけ事務所に戻らない」「異動をお願いする」「転職をする」
- 自分のケアに自信が持てない→「先輩に同行をお願いする」「フィジカルアセスメント集を参考にする」
- 残業が多い→「記載例を参考にする」
これから超高齢化社会に突入するにあたり、ますます訪問看護の需要は高まります。
できるだけ多くの方が訪問看護を「楽しい」と思ってくれると嬉しいです。