2024年4月より高齢者虐待防止に関する研修の実施が完全義務化となりました。
介護事業者が対象になっているため、もちろん訪問看護ステーションも対象となります。
- 義務化された研修
- ・BCP(自然災害、感染症)
・感染症予防対策
・虐待防止
しかし、「いきなり研修って言われてもどういう内容にしたら良いか分からない!」という事業所も多いことかと思います。
この記事では、「高齢者虐待防止」の研修で取り込むべき内容を解説してまいります。
あくまでも推奨内容のため、各事業所用に改変してご使用することをオススメします。
BCP(自然災害編・感染症編)、感染症予防対策に関する研修は、下記の記事にて解説しています。
【2024年義務化】BCP(自然災害編)の研修内容を完全解説!【フォーマットあり】
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【2024年義務化】BCP(感染症編)の研修内容を完全解説!【フォーマットあり】
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【2024年義務化】感染症予防対策の研修内容を完全解説!【フォーマットあり】
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最後には、虐待防止研修用のフォーマット(Powerpoint)のご紹介もしています!
そのまま研修としても使えますし、Powerpointなので各事業所用にカスタマイズすることも可能です。
ぜひ、参考にしてみてください!
【推奨】まずは「虐待防止マニュアル」を作成することから始めよう
虐待防止の研修を行う際は、各事業所・会社ごとに「虐待防止マニュアル」を作成しておくことを推奨します。
今回、虐待防止の研修が義務化されましたが、詳細まで取り入れてしまうと膨大な時間を要してしまいます。
しかし、私たちは業務の特徴上、研修に避ける時間は限られてしまう事業所がほとんどかと思います。
また、長すぎる研修は相手の集中力も切れてしまうため、長くても15分程度に収めるべきでしょう。
このようなことから、あくまでも研修は最低限抑えて欲しい内容に留め、詳細は「虐待防止マニュアルをご参照ください」という形に繋げるのがベターだと考えます。
虐待防止マニュアルの作成は、以下のリンクを参考にしてください。
「高齢者虐待防止」の研修内容
それでは、本題でもある研修内容についてご紹介してまいります。
繰り返しになりますが、虐待に関する研修は突き詰めてしまうと膨大な量になってしまうため、最低限スタッフに抑えておいて欲しい内容をピックアップしましょう。
虐待の基礎知識はもちろん、過去に実際に認めた虐待の事例などの特色を出すと良いでしょう。
今回は一例として、以下の内容で解説してまいります。
- 「虐待防止」の研修内容
- ①虐待防止に関するデータ
②虐待の種類
③事業所・会社における虐待防止対策
虐待防止に関するデータ
研修用のpowerpointは「とあるコメディカル【premium】」でダウンロード可能です。
まずは、虐待防止に関するデータを提示しましょう。
データという数字を取り入れると客観性を持たすことができ、研修の満足度がアップします。
虐待防止に関するデータは、以下のような内容が推奨されます。
- 虐待防止に関するデータ
- ・介護現場で起きる虐待の実態
・虐待種別の割合
・施設など種別ごとの虐待種別の関係
・要介護度と虐待種別の関係
データは厚生労働省といった、国の機関が出しているものを用いるようにしましょう。
「とあるコメディカル【premium】」では、すべて厚生労働省が発表しているデータ、それに基づくグラフを使用しています。
虐待の種類
次は、虐待の基礎知識として、「虐待の種類」を伝えましょう。
介護・医療従事者でも、意外とすべて答えられる人は少ないかもしれません。
- 虐待の種類
- ①身体的虐待
②心理的虐待
③性的虐待
④経済的虐待
⑤介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)
身体的虐待
身体的虐待とは、叩く・つねるなど、高齢者の身体に危害を加える行為を指します。
令和3年度の調査では発生件数がもっとも多く、より注意すべき行為といえるでしょう。
<身体的虐待の例>
・叩く
・つねる
・睡眠薬を過剰に与える
・部屋に閉じ込めるなど
・行動を制限する行為全般
・食事を無理やり食べさせるなど
心理的虐待
心理的虐待とは、大声で怒鳴ったり、意図的に無視したりなど、相手に精神的な苦痛をもたらす行為を指します。
言葉の暴力のなかには、「ちょっと待っていてね」「動いちゃダメ!」など相手の行動を制限するものも含まれます。
<心理的虐待の例>
・大声で怒鳴る
・意図的に無視をする
・脅す、暴言を吐く
・行動を制限する言葉がけなど
性的虐待
性的虐待とは、性的な嫌がらせを行ったり、意図的に裸にして辱めたりする行為を指します。
トイレが間に合わなかった利用者に対し、しつけと称して服を着替えさせず放置する行為も虐待にあたります。
<性的虐待の例>
・性行為の強要
・服のなかに手を入れる
・性器を触るなどのわいせつ行為など
・服の着替えを放置するなど
経済的虐待
経済的虐待とは金銭を奪ったり、使用できる金額を不当に制限したりする行為を指します。
介護施設や事業所で利用者の財布からお金を奪う、キャッシュカードを使って勝手にお金をおろすなどの行為は、窃盗罪にあたります。
経済的虐待は家族介護でも起こりうる問題であるため、注意が必要です。
<経済的虐待の例>
・金銭を奪う
・使用できる金額を不当に制限する
・財布を奪う
・勝手にお金を下ろす
・被介護者の年金を勝手に使う
・介護サービスを受けさせないなど
介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)
利用者の身体にあざを発見したものの、何の対処もせず見て見ぬふりをする行為も介護放棄とみなされます。
必要なケアを行わないことで、被介護者が低栄養状態に陥ったり、身体に褥瘡ができたりなど、身体の状態が悪化するおそれがあるため、注意が必要です。
また、さらに生活の質の低下が低下することにより、精神的状態の悪化につながるケースもありえます。
<介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)の例>
・おむつの交換をせず放置する
・入浴させない
・治療が必要にも関わらず対策を講じない
・利用者の身体にあざを発見したが、何の対処もせず見て見ぬふりをするなど
事業所・会社における虐待防止対策
研修の締めとしては、事業所・会社としてどのような虐待防止対策を講じているかを伝えましょう。
事業所・会社によって異なる部分になるかと思いますが、「虐待防止に関する基本方針」「虐待防止対策の具体的な内容」は含めるようにしましょう。
虐待防止に関する基本方針
事業所・会社としての「虐待防止に関する基本方針」を伝えます。
当事業所では、高齢者虐待防止法の趣旨を踏まえ、また介護保険法が掲げる「尊厳の保持と自立支援」という目的を達成し、当事業所が掲げる理念「会社の理念を記載」を実現させるため、虐待の未然防止、早期発見・迅速かつ適切な対応等に努めるとともに、虐待が発生した場合には適正に対処し再発防止策を講じます。
虐待防止対策の具体的な内容
虐待防止のため、どのような対策をしているのか、具体的な内容を伝えましょう。
一般的には、以下のような対策を用いているところが多いかと思います。
- 虐待防止対策の具体的な内容
- ・虐待防止検討委員会の設置
・虐待の防止のための職員研修
・虐待等が発生した場合の相談・報告・通報体制の流れ
虐待防止検討委員会の設置
虐待の防止のための対策を検討する委員会(虐待防止検討委員会)を設置します。
開催頻度や検討事項なども伝えると良いでしょう。
虐待の防止のための職員研修
虐待防止のための職員研修は、まさにこの記事で紹介しているないようになります。
研修は必須となるため、開催頻度や研修内容を伝えるようにしましょう。
研修のためのpowerpointは、「とあるコメディカル【premium】」で配布しているので、ぜひご活用ください。
虐待等が発生した場合の相談・報告・通報体制の流れ
実際、虐待が発生した場合の相談・報告・通報体制の流れをしまします。
できるだけ簡潔かつ覚えやすく伝える必要があるため、「虐待が発生したら(委員会構成員・所長・管理者)に伝えてください」というメッセージが伝われば十分かと思います。
【2024年改定対応】研修フォーマットのダウンロード
当サイトでは2024年の制度改定に対応した研修フォーマットを、Powerpoint形式で配布しています。
今回ご紹介した内容を踏襲しているため、ダウンロードすればそのまま研修に活用することもできます。
もちろん、Powerpointでダウンロードできるため、会社用・事業所用に改変することも可能です。
研修フォーマット配布中!
また、とあるコメディカル【premium】では研修フォーマット以外にも下記のサービスが使い放題となっております。
- AIチャットbotを利用して、あなただけのオリジナル記載例が作成できる!
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