訪問看護ステーションへの転職は、あなたの働き方を180度変えてくれる可能性があります。
・20代のうちから稼ぐことができる
・30代で役職に就くことができる
・病院では得ることができなかった新たな視点を発見できる
・看護観が変わる
このように、病院や施設では得ることができなかったものを与えてくれるのが訪問看護ステーションです。
しかし、それは「あなたの望むべきことを叶えてくれる訪問看護ステーションに転職できれば」の話です。
あなたに合う訪問看護ステーションに出会うためには、入職前の面接の内容が重要になります。
面接の最後には、「何か聞いておきたいことはありますか?」と逆質問を促されます。
この時に、あなたのニーズを満たしてくれる訪問看護ステーションなのかを判断する逆質問をするようにしましょう。
この記事では、長年、訪問看護ステーションで人事をしている私の経験をもとに、「どのような逆質問をすれば良いのか」を目的別にお伝えしてまいります。
【訪問看護の面接対策】あるある質問集と回答例【対策シート有】
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インセンティブで稼ぎたい人がするべき逆質問
インセンティブとは、訪問すればする分、給料がどんどんと上がっていくシステムです。
詳しくはコチラの記事(インセンティブで稼ぎたい人が転職すべき訪問看護ステーションの特徴5選)で解説しているので、参考にしてください。
インセンティブで稼ぎたい人が転職すべき訪問看護ステーションの特徴5選
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特に、若いうち(20代〜30代)から給料を上げたいと思っている人は、しっかりと逆質問をして確認しておきましょう。
インセンティブで稼ぎたい人がするべき逆質問は、以下の5つです。
一番多く訪問しているスタッフの件数はどのくらいでしょうか?
訪問時間は40分(30分)が多いですか?60分が多いですか?
今後もスタッフの増員を考えていますか?
1ヶ月間の新規利用者は平均何人ですか?
訪問範囲と平均の移動時間を教えてください
一番多く訪問しているスタッフの件数はどのくらいでしょうか?
インセンティブは訪問すればする分、稼ぐことができるので、一番多く訪問しているスタッフの件数を把握しておくことは非常に重要です。
そもそも、会社の方針として「5件以上は訪問させない」という訪問看護ステーションもあります。
理由は、「スタッフに疲弊して欲しくない」「ミーティングなど訪問以外の時間を大切にしている」など、様々です。
そのため、会社の方針として「訪問したい人は思う存分に訪問させてもらえる環境か」は面接の段階で把握しておきましょう。
気をつけて欲しいのが、スタッフの平均ではなく、多いスタッフは何件かを知ることです。
なぜなら、インセンティブで稼ぎたいなら、その多いスタッフにあなたがなる必要があるからです。
このとき、「多いスタッフで1日4件〜5件」と回答が得られたとしたら、あなたが望む稼ぎ方は難しいでしょう。
年収600万円を目指すのであれば、平均6〜7件は訪問したいところです。
訪問時間は40分(30分)が多いですか?60分が多いですか?
訪問看護ステーションのサービスは、時間で区切られています。
1件の訪問時間は、看護師で30分か60分、リハビリ職で40分か60分が多くを占めます。
この比率を知っておくと、稼ぎやすいかどうかの判断になります。
なぜなら、多くの訪問看護ステーションが、「80件以上の訪問〜インセンティブ3,500円」のように「件数制」でインセンティブを設定しています。
つまり、40分(30分)でも60分でも、どちらで訪問してもインセンティブは1件を計算されるため、時間が短い訪問(40分や30分)が多ければ多いほど、1日に訪問できる件数も増やすことができます。
今後もスタッフの増員を考えていますか?
少々聞きにくい部分かもしれませんが、かなり重要です。
例えば、今5名の理学療法士がいたとして、今後10人まで増やす方針だとします。
このとき、あなたが就職してやっと1日6件〜7件の訪問件数になったとしても、新しく入ってきたスタッフに、件数をならす目的で利用者が移行してしまう可能性があるのです。
そして、次から入ってくる新規利用者は、件数の少ない新入職員に優先的に振られてしまいます。
高ベース稼働における高収入がひとときで、持続しないのです。
もし、現状の5名のスタッフで今後も運営していく方針だったとしたら、1日の高ベース稼働を持続できます。
そして、1人の利用者が終了になったとしても、新規依頼が来れば優先的に担当させてもらえる可能性が高いのです。
1ヶ月間の新規利用者は平均何人ですか?
1ヶ月間に平均何名の新規利用者の依頼が来るのかを聞いておくと、どのくらいのペースで訪問件数が増えていくか指標になります。
スタッフの訪問件数と新規利用者の平均値を聞いておくと、どのくらいの期間でインセンティブに到達できるかを予測することができます。
訪問範囲と平均の移動時間を教えてください
訪問エリアが広範囲で、長い移動時間がかかっているとしたら、1日に訪問できる件数も少なくなってしまいます。
また、体力に自信がない人は移動だけで疲労困憊になってしまう恐れもあります。
地域にもよりますが、都内だと平均移動時間15〜20分くらいだと1日6件〜7件の訪問は無理なく達成可能と考えます。
役職に就きたい人がするべき逆質問
役職に就けば、安定した高収入を目指すことができます。
役職に就きたい人は、「新規立ち上げの訪問看護ステーション」を選ぶことが重要です。
詳しい理由は、コチラの記事(役職に就きたい人が転職すべき訪問看護ステーションの特徴3選)で紹介していますが、立ち上げに関わると将来的に役職につける可能性が高まります。
役職に就きたい人が転職すべき訪問看護ステーションの特徴3選
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訪問看護は体力に依存するというデメリットがあるのですが、役職について管理業務を行うことにより、体力が落ちてきた40代になったとしても、訪問看護ステーションで働き続けることが可能になるでしょう。
役職に就きたい人がするべき質問は、以下の3点です。
立ち上げに関わるスタッフの人数を教えてください
訪問エリアにお付き合いのあるケアマネジャーはいますか?
ゆくゆくは役職に就ける人材を目指したいと考えております
立ち上げに関わるスタッフの人数を教えてください
立ち上げに関わるスタッフ、つまり同期の人数を知っておくと役職に就ける可能性を把握することができます。
単純にライバルが多いか少ないかという点もありますが、同期の人数が多すぎるとあなたの成果がみんなの成果になってしまうことが考えられます。
例えば、あなたが1日20件営業をして新規利用者を勝ち取ってきたとしましょう。一方、同期には1日1件しか営業をしていない人もいます。
この時、同期が多い訪問看護ステーションだと、個人の評価ではなくステーションとして評価に赴きを置く傾向があるので、「このステーションはよくやってるね!」という評価になってしまいます。
同期が少なければ、個人を評価してくれる可能性が高いので、直接あなたの成果につながります。
役職に就くためには個人を評価してくれる訪問看護ステーションを選ぶ必要があるため、同期が多すぎないかどうかを確認しておきましょう。
訪問エリアにお付き合いのあるケアマネジャーはいますか?
立ち上げの訪問看護ステーションに転職をする時、一番大変なのが「新規利用者獲得のための営業」です。
その点、あなたが働く訪問看護ステーションのエリアに、会社と付き合いの深いケアマネジャーがいれば、営業もしやすくなります。
しかし、まったく人脈がない場所に構えた訪問看護ステーションだと、ゼロからの営業活動になります。
新規の獲得に難渋するかも知れません。
立ち上げの訪問看護ステーションでは、新規の獲得数があなたの評価に直結するので、もし付き合いの深いケアマネジャーがすでにいるのであれば、少し営業の不安を取り除くことができます。
ゆくゆくは役職に就ける人材を目指したいと考えております
質問ではありませんが、役職に就きたい人は、面接の段階でその希望を伝えておきましょう。
こんなことを伝えて大丈夫かと思われるかもしれませんが、決して悪い印象は与えません。
むしろ、会社に貢献してくれる熱意がある人材と、好印象を与えることができます。
しかし、言い方には気をつけるべきです。
「自分、役職つきたいっす」「偉くなりたいっす」ではダメです。
あくまでも、自分のスキルアップを図り、会社に貢献したいということを伝えます。
思いを伝えることで、経営者や人事は、あなたをそういう目で見てくれます。
次に新しいステーションを立ち上げる時など、「〇〇くん、向こうのステーションの指導もしてくれないか?その暁には副所長に…」と、声をかけてくれるかもしれません。
あとは、会社に自分の思いを伝えることで、自分の尻にも火がつきます。
会社でやるべきことがある、目標があるということは、働く上でこの上なく大きいものとなるでしょう。
看護スタッフがするべき逆質問
看護スタッフがするべき質問をご紹介します。
入職したあとに「失敗した!」とならないための質問をピックアップしています。
- オンコールはありますか?
精神科訪問看護は行っていますか?
オンコールはありますか?
訪問看護に転職する看護師にとって、一番大きな悩みになるのが「オンコール」です。
訪問看護には「緊急時訪問看護加算」と呼ばれる加算項目があり、この加算を算定している訪問看護ステーションは、オンコールを担当する可能性が出てきます。
算定している利用者の人数にもよりますが、夜中でも利用者からバンバン電話がかかってくるということも少なくありません。
実際、多くの看護師がオンコールを理由に退職を決意しています(参考記事:オンコールに悩む看護師が転職すべき訪問看護ステーションとは?)。
訪問看護のオンコールがつらい!明日からゆっくり眠れる解決策と転職方法
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もちろん、「勉強になりそう!」と感じる人にはオススメできますが、無理して働きたくないという人は、「オンコールのない訪問看護ステーション」を選ぶのが無難でしょう。
精神科訪問看護は行っていますか?
訪問看護ステーションによっては、「精神科訪問看護」をおこなっています。
精神科訪問看護とは、「うつ病」や「統合失調症」などの精神疾患を持つ利用者に対して訪問をすることを指します。
この精神科訪問看護は、合う人と合わない人がハッキリと分かれます。
今まで精神科に携わったことがあり興味があるという人はオススメできますが、「不安…あまりやりたくない…」と思っている人は無理して飛び込む世界ではありません。
精神科の訪問看護が怖い…。うつ病一歩手前まで陥った看護師が実践した3つの解決策
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リハビリスタッフ(PT・OT・ST)がするべき逆質問
次は、リハビリスタッフ(PT・OT・ST)がするべき逆質問です。
リハビリスタッフは、「世間の情勢」を鑑みた逆質問をすることが求められます。
これらを質問することで、将来のことを考えている訪問看護ステーションなのかをチェックすることができます。
看護師の人数とリハビリスタッフの人数を教えてください
- 要支援と要介護の比率を教えてください
看護師の人数とリハビリスタッフの人数を教えてください
令和3年の介護報酬改定により、政府は訪問看護ステーションの人数を「看護師6割、リハビリ職員4割が望ましい」と打ち出しました。
そのため、リハビリスタッフよりも明らかに看護師が少ない訪問看護ステーションには転職するべきではありません。
今後、比率を保つためにリハビリスタッフの首を切って行くことも十分に考えられるのです。
中には、スタッフのほとんどがリハビリスタッフ、看護師の名前も知らないというステーションも存在します。
医療処置で困った時に相談する相手もいないという点でも、政府が打ち出す比率に近い訪問看護ステーションを選ぶようにしましょう。
要支援と要介護の比率を教えてください
介護報酬の改定に通じますが、軽度の利用者ばかりに訪問をしているステーションに対しても国は否定的です。
これからは、重度の利用者に対して積極的に訪問をしているステーションを優遇する方針を示しています。
ただし、軽度=要支援の利用者ばかりにリハビリを提供してお金を荒稼ぎしているステーションが一定数あります。
このようなステーションで働いてしまうと再転職を余儀無くされる可能性がかなり高いと考えるため、要支援と要介護の比率は事前に知っておくべきでしょう。
要支援は全体の1〜2割であれば問題ないかと思います。
正直失敗した!すぐに再転職した訪問看護ステーションの特徴9選
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知識・技術に自信がない人がするべき逆質問
昨今、20代でも多くの人が訪問看護ステーションに転職をしてきます。
しかし、訪問看護は基本的に一人で仕事をするという特徴上、少なくとも一次対応は自分自身でしなければなりません。
その点、困った時に会社がどうフォローしてくれるかを把握しておくことは非常に重要です。
- プリセプターはついてくれますか?
入職をさせていただいた場合、同行はありますか?ある場合、期間はどのくらいですか?
勉強会は定期的に開催されていますか?
外部の勉強会参加など、技術向上に対する福利厚生はありますか?
プリセプターはついてくれますか?
一人で仕事をすることが多い訪問看護でも、担当のプリセプター(=指導者)がついてくれれば安心です。
何かあった時に相談する相手がいるといないとでは、働きやすさが180度変わってきます。
とあるコメディカルでは、たっぷり18事例をまとめたフィジカルアセスメント集を販売しています。
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入職をさせていただいた場合、同行はありますか?ある場合、期間はどのくらいですか?
プリセプターがついてくれるかどうかにも通ずる部分ですが、仕事に慣れるまで先輩に同行することができるかは確認しておきましょう。
中には「入職した初日から一人で訪問に行かされた!」というステーションも存在します。
勉強会は定期的に開催されていますか?
勉強会が定期的に開催されていれば、訪問看護に対する知識や技術は自ずと向上して行くことでしょう。
外部の勉強会参加など、技術向上に対する福利厚生はありますか?
内部(訪問看護ステーション内)で勉強会が開催されていない場合などは、外部で開催されている勉強会などに参加して技術や知識を高めていく事になります。
その際、「研修費20,000円まで」など福利厚生が用意されていると、財布を圧迫する事が少ないので安心して技術向上に向き合うことができます。
あくまでも個人的な意見ですが、社長が医療関係者の訪問看護ステーションは勉強会に対する福利厚生が手厚い印象です。
【訪問看護の選び方】社長は医療関係者(看護師・リハ職)が良いって本当?【転職】
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体力に自信がない人がするべき逆質問
訪問看護ステーションで働くということは、体力勝負の側面もあります。
その中で把握しておきたいのが「移動手段」です。
訪問の移動手段はなんですか?自転車以外にもありますか?
都内だとほとんどが「電動自転車」での移動になりますが、「そのほかの移動手段が用意されている」と心に余裕を持つことができます。
例えば、妊娠をした時や体調がすぐれない時に、車が用意されていると安心して訪問を続けることができます。
中には電動もついていない自転車しかなかった!という訪問看護ステーションもあるようなので、しっかりと把握しておきましょう。
残業を減らしたい人がするべき逆質問
訪問看護ステーションは、病院や施設と比べると「残業が少ない業態」と言えます。
ただ、月末には「訪問看護計画書」と「訪問看護報告書」を書かなければならないため、残業を余儀なくされてしまうことも事実です。
訪問看護計画書・報告書の印刷は各スタッフが行っていますか?
残業につながってしまう訪問看護計画書・報告書の作成ですが、慣れてくれば意外と訪問の合間などを縫って記載自体はできてしまいます。
めんどくさいのが印刷〜封入までの作業です。
この点、事務スタッフが代わりに行ってくれる訪問看護ステーションであれば、圧倒的に残業を減らすことができます。
事務所の規模にもよりますが、事務スタッフの人数が2名〜3名以上いる訪問看護ステーションであれば、代わりに行ってくれると判断しても良いでしょう。
その点、記載例を参考にすればグンっと効率が上がります。
500例以上を収めた「訪問看護計画書・報告書の記載例」を、ぜひ参考にしてみてください!
その他、逆質問しておきたいこと一覧
その他、逆質問しておきたい内容は以下の通りです。
・社長は医療関係者ですか?
→専門職以外のスキルアップにつながる可能性がある。
(詳細記事:社長が医療従事者ではない訪問看護ステーションに転職するメリットとデメリット)
・ステーションの人数は何人ですか?
→少人数・大人数にはメリットとデメリットがある。
(詳細記事:現役人事が答える!大人数の訪問看護ステーションに転職ってどうなの?)
・上司の年齢はおいくつですか?
→上司が年下だったらやりにくいと感じる人も。
(詳細記事:上司が年下になるであろう訪問看護ステーションに転職するのはアリか?)
各質問の詳細は、各詳細記事のリンクを参考にしてください。
どの質問にも、あなたの希望する働き方に近づける意味を持っています。
こんなこと面接で聞くなんて私には無理!という人はどうすればいい?
以上、紹介したように「何か聞きたいことはありますか?」に対する逆質問は、意外と多くあることがわかります。
しかし、面接って緊張しますよね。
そんな中、「こんなに質問するなんて私には無理!」という人も多いのではないでしょうか。
そのような方は、「転職サイトを利用する」ことをオススメします。
そもそも転職サイトを利用してコンサルタントに希望を伝えておけば、あなたの希望に合った訪問看護ステーションのみを紹介してくれるため、面接であれこれ聞く必要がありません。
あなたは、面接官やステーションの雰囲気が合うかどうかを判断するだけで良いのです。
そのほか、転職サイトを利用すれば「給与交渉」や「面接日程の調整」も代わりに行ってくれるなど、メリットがたくさんあります。
転職サイトを選ぶ際は、職場の内情をよく知っている転職サイトを利用しましょう。
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両者ともに、数多くの転職者をサポートしてきた経験から、職場の内情をよく知っている転職サイトです。
「ここの訪問看護ステーションは、スタッフの人数は少ないのですが休みの時のフォロー体制がしっかりとしているので、急なお休みも取りやすいですよ。」
「ここは上司との面談が3ヶ月に1回実施されているので、悩みなどがあればすぐに打ち明けられる訪問看護ステーションですよ。」
このように、一人で転職活動をするには知ることができない情報をもらえるのが特徴です。
「転職に失敗をしたくない!」という人は、活用してみることをオススメします。
もちろん、利用するのに料金は一切かかりません。