訪問看護をしていると、様々な食生活の利用者に出会います。
・コンビニ弁当ばかり食べている
・いつも白米とお味噌汁しか食べていない
・ほとんど野菜を食べていない
食は体づくりにおける基本中の基本です。
このような利用者に、しっかりと食生活の改善を促すアドバイスができているでしょうか。
「もっと野菜食べるようにね」「コンビニ弁当ばかりやめなよ〜」
これだけでは、生活を支える職業として不十分だと考えます。
食生活に対するアドバイスは「介護食アドバイザー」などの資格で知識を身につけることができますが、適切な宅配弁当を提案できるのも役割の一つでしょう。
この記事では、20社以上の宅配弁当を実際に頼んだ訪問看護師のサクさんにご協力をいただき、高齢者にオススメの宅配弁当を紹介してまいります。
・どのような宅配弁当があるか知りたい
・食生活に悩んでいる利用者がいる
・宅配弁当のアドバイスができるようになりたい
このように考えている訪問看護従事者は参考にしてみてください。
また、利用者に配布できるチラシも作成しております。
もちろんダウンロードは無料なので、ぜひ日々の業務にご活用ください。
- 今回ご協力いただいた人物
- 名前:サク
訪問看護師。娘一人を子育て奮闘中ママ。 「宅食で日々の生活を楽に豊かに健康に」をモットーにブログ「宅食びーむ」を運営。ブログでは20社以上の宅食を実際に頼んでレビューしている。写真・動画多数で分かりやすいと評判。
ブログURL:https://takushoku-beam.com/
宅配弁当を導入した方がいい訪問看護利用者とは?
それではサクさん、本日はよろしくお願いいたします!
こちらこそよろしくお願いいたします!!
まずはじめに、どのような訪問看護利用者が宅配弁当を導入するべきか教えてもらえますか?
分かりました!
私は4つのポイントがあると考えています。
- 宅配弁当を導入するべき訪問看護利用者
- ・食生活に偏りがある
・血液検査の数値が悪い
・飲み込む力が弱い
・買い物や料理ができない
食生活に偏りがある
当たり前ではありますが、コンビニ弁当が中心、野菜が少ないなど食生活に偏りがある利用者は宅配弁当を導入するべきだと考えます。
訪問看護をしていると、リハビリをしているのに筋肉がつかない、しっかりと眠れているのに疲れやすいなど、色々と頑張っているのに成果として現れない利用者がいます。
私は多くの場合、食生活に原因があると考えます。
宅配弁当の中には医師や管理栄養士が監修しているものがあり、栄養バランスを考慮したメニューが作成されています。
また、メニュー数も豊富でお肉や魚、付け合わせには数種類の野菜が添えられており、飽きずに食を楽しむ工夫がなされています。
血液検査の数値が悪い
次に、血液検査の数値が悪い利用者です。
医師から塩分を控えるように、糖質を控えるようにと言われている利用者はたくさんいると思います。
よくあるアドバイスで、「毎食の塩分は2g以下にしましょう」などと言われるのですが、実行できる利用者はほとんどいないと思っています。
高齢者にとって、いちいち塩分を計算したり糖質を計算することは困難と考えて良いでしょう。
その点、宅配弁当には制限食に特化したコースがあります。
1食分の塩分が2.0g以下になるよう構成されていたり、カロリー・糖質・たんぱく質まで制限しているコースもあります。
何も考えずに食べるだけでコントロールできるのは、宅配弁当ならではのメリットと言えるでしょう。
飲み込む力が弱い
次に飲み込む力が弱い高齢者です。
よくむせていたり、言語聴覚士からやわらかい食事が必要と評価されている利用者も多いかと思います。
ただ、やわらかい食事を作るのは思っている以上に大変です。
特に高齢者しかいない世帯では、作るのは難しいという前提で関わった方が良いと思います。
宅配弁当の中には、「やわらかい食事」を提供しているところがあります。
さらに、食材のやわらかさも選択できるため、自分の飲み込む力にあった食材を頼むことができます。
買い物や料理ができない
最後に買い物や料理ができない利用者です。
確かに訪問介護に頼ればいい話ですが、限度額の問題だったりですべての食事を訪問介護に頼るのは非現実的です。
その点、宅配弁当は家まで直接届けてくれます。
また、電子レンジを使用するだけなので、高齢者でも簡単に調理をすることができます。
訪問看護師が厳選!高齢者にオススメの宅配弁当
なるほど、今はたくさんの宅配弁当があるんですね。
でも、よく「味が薄い」「量が少ない」「すぐ飽きる」というネガティブな声を聞きますが、そこらへんはどうなんでしょうか?
確かに、以前の宅配弁当はそのようなイメージでしたね。
ただ、昨今は味よし・コスパよし・健康によしの宅配弁当が本当に増えています。
ここでは、訪問看護師の私がオススメする宅配弁当を目的別にご紹介していきますね!
気になった宅配弁当は、「参考」に宅食びーむさんのリンクを貼っているので、ぜひ見てみてください!
写真や動画多数でレビューはもちろん、登録方法や解約方法まで詳しく説明されています!
味・コスパ・健康 すべてを取り揃えているのは「ワタミの宅食」
「味・コスパ・健康」すべてを取り揃えているのは、「ワタミの宅食」です。
おそらく、日本で一番有名な宅配弁当サービスといっても良いでしょう。
私が訪問をする利用者でも、ワタミの宅食の利用率は高い印象があります。
味はさすが居酒屋チェーンを展開しているだけあって、万人受けする美味しさがあります。
また、宅配弁当の1食あたりの料金は平均750円前後と言われている中、ワタミの宅食は390円〜提供しておりコスパに優れているのも嬉しいポイントです。
メニューは管理栄養士が作成しているため、栄養に気を使わなければならない利用者も安心して食べることができます。
ワタミの宅食のレビュー
参考:ワタミの宅食がひどいって本当!?訪問看護師が実際に頼んでみた!【写真・動画多数】 | 宅食びーむ
制限食が必要な利用者にオススメは「食卓便」
制限食が必要な利用者には、「食卓便」をオススメします。
食宅便は日清医療食品が展開する、日本全国で最も病院・福祉施設に食事を提供している宅配弁当サービスです。
メニューは9,000人以上が所属する日清医療食品の管理栄養士・栄養士が考察しており、塩分・糖質・カロリー・たんぱく質など豊富な制限食を取り揃えています。
制限食のコースは以下の通りです。
商品名 | 低糖質セレクトA~G | 塩分ケアA~G | たんぱくケアA~G | カロリーケア1200 | カロリーケア1600 | やわらかい食事 |
参考画像 | ||||||
商品の特徴 | 1食あたりの糖質10g以下 | 1食あたりの塩分2.0g以下 | 1食あたりのたんぱく質13g程度、塩分2.0g、カリウム500mg、リン270mg以下 | 1食あたりのカロリー約400Kcal | 1食あたりのカロリー約530Kcal | 歯ぐきでつぶせる固さ |
食卓便のレビュー
参考:食卓便のおまかせコースを頼んでみた!ワタミとの違いは?味は美味しい?まずい? | 宅食びーむ
やわらかい食事が必要な利用者にオススメは「やわらかダイニング」
やわらかい食事が必要な利用者にオススメは「やわらかダイニング」です。
やわらかダイニングは、3段階の「やわらかレベル」により食材の固さを選択することができます。
- やわらかさの例
- ・ちょっとやわらかめ=「厚焼き卵ほどのかたさ」
・かなりやわらかめ=「だし巻き卵ほどのかたさ」
・ムースやわらか=「スクランブルエッグほどのかたさ」
もちろん、メニューは管理栄養士が監修しているため栄養バランスが配慮されています。
また、やわらかい食事と聞くと、「見た目が悪い」というイメージを持つかと思いますが、やわらかダイニングは赤・黄色・緑の食材を彩り良く取り入れているので、視覚で食を楽しむこともできます。
やわらかダイニングのレビュー
参考:やわらかダイニングを頼んでみた!噛む力・飲み込む力が弱くなってきた高齢者にオススメ! | 宅食びーむ
比較的元気な利用者にオススメは「nosh(ナッシュ)」
nosh(ナッシュ)は、若年層中心に人気がある宅配弁当なので、もしかしたらスタッフの中にも頼んでいる人がいるかもしれませんね。
シェフが監修している宅配弁当なので、味付けには高い評価を得ています。
若年層に人気があるnosh(ナッシュ)ですが、メニューは管理栄養士も関わっているため、実は高齢者も安心して食べることができる宅配弁当なのです。
メニューは60種類以上に加えて毎週3品以上の新作料理が追加されているので、飽きることなく食を楽しむことができます。
nosh(ナッシュ)のレビュー
参考:nosh(ナッシュ)を頼んでみた!若者だけではなく高齢者にもぜひ食べて欲しいお弁当! | 宅食びーむ
食欲旺盛!リハビリで筋肉をつけたい人は「筋肉食堂DELI」
リハビリや運動習慣があり、食欲旺盛な利用者は「筋肉食堂DELI」をオススメします。
名前の通り、筋肉を増強することを目的にメニュー考案された宅配弁当です。
おそらく、今ままでの宅配弁当の常識を覆されるボリュームでビックリすると思います。
1食はなんと500g近いお弁当もあり、満足感を得ることができます。
確かに若者向けの宅配弁当ではありますが、厚生労働省が推奨する栄養バランス=PFCバランスを考慮しているため、高齢者も安心して食べることができます。
お肉が中心ですが、副菜やご飯もついてくるため、このお弁当一つで食事が完結するのも嬉しいポイントです。
筋肉食堂DELIのレビュー
参考:筋肉食堂DELIを頼んでみた!ダイエットはもちろん、高齢者にもオススメできる宅食弁当! | 宅食びーむ
訪問看護利用者への配布用チラシ【無料ダウンロード】
サクさん全面協力のもと、訪問看護利用者向けの配布用チラシを作成しました。
もちろん、無料ダウンロード可能です。
QRコードを読み込めば、写真・動画多数のレビューや登録方法・解約方法まで詳しく載っているので、高齢者も簡単に閲覧することができます。
訪問看護利用者が宅配弁当を利用するときに気をつけること
いや〜こんなにたくさんの種類があることに驚きました!
これなら利用者にピッタリな宅配弁当が見つかりそうです。
ちなみに、宅配弁当を利用するときに気をつけることはありますか?
ありますよ!
利用者が宅配弁当を利用するときに気をつけるポイントは、以下の2点です。
- 宅配弁当を利用するときに気をつける事
- ・できれば管理は他の家族が行う
・商品を受け取る必要がある
できれば管理は他の家族が行う
宅配弁当の管理は、できれば子どもなど他の家族に任せるのが望ましいと考えています。
というのも、宅配弁当は決まった日時に決まったペースで配送されます。
もし、もっと頻度を減らしたい・増やしたいなど、変更をしたい場合はホームページのマイページや電話一本で簡単にできます。
宅配弁当の良い点でもありますが、高齢者は変更の方法が分からずにどんどんとお弁当が溜まっていってしまうということも考えられるのです。
その点、管理を家族がしていれば、すぐに変更することができるので無駄な料金やフードロスの発生を防ぐことができます。
ここは訪問看護従事者も力になれる部分で、宅配弁当が溜まる一方だったり頻度が少ないと感じている利用者の場合は、管理をしている人に伝えて頻度の変更を促しましょう。
実際、多くの宅配弁当は「購入者」と「届け先」を分けることができます。
また、購入者を家族にしておくことにより、解約がスムーズにできるというメリットもあります。
昨今は消費者契約法により解約がしやすくなったとはいえ、高齢者にとってはハードルが高いかもしれません。
「いらなくなった時はすぐ解約する」
ということもしっかりと頭に入れておきましょう。
受け取りをする必要がある
多くの宅配弁当は冷凍で届くため、置き配や宅配ボックスの利用ができません。
そのため、玄関に行き直接商品を受け取る必要があります。
しかし、訪問看護を受けている利用者は玄関まで一人で行けない、また大きなダンボールを受け取って運ぶことができないということも考えられます。
その点、宅配弁当は日時指定が可能です。
自分で商品を受け取ることができない高齢者は、誰か他の人がいる時間帯を指定して注文するようにしましょう。
多くの宅配弁当は「21時まで」配送可能なので、家族が仕事終わりで受け取ることも可能です。
もっと知りたい人は、こちらの記事(高齢者にとって宅食は良いことばかりではない!?気をつけることと選ぶときのポイント! | 宅食びーむ)でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてね!
宅配弁当は介護保険の適応となる?
よく、宅配弁当は介護保険の適応になりますか?という質問をいただきます。
答えは「No」です。
ただし、お住まいの市区町村から助成が受けられる可能性があります。
市区町村によって対象者や助成額は変わってくるので、詳しくは市区町村に問い合わせ、もしくは担当のケアマネジャーに聞いてみてください。
訪問看護利用者にオススメの宅配弁当まとめ
- 味・コスパ・健康 すべてを取り揃えているのは「ワタミの宅食」
- 制限食が必要な利用者にオススメは「食卓便」
- やわらかい食事が必要な利用者にオススメは「やわらかダイニング」
- 比較的元気な利用者にオススメは「nosh(ナッシュ)」
- 食欲旺盛!リハビリで筋肉をつけたい人は「筋肉食堂DELI」
サクさん、本日は貴重な情報をありがとうございました!
いえいえ、私も訪問看護師をしているので、現場スタッフの悩みが手に取るように分かります。
少しでもお力になれれば幸いです!
確かに、料理や買い物が健康に繋がっている利用者も多いので、宅配弁当の導入がすべて正しいとは言えません。
ただ、食生活が乱れていたり、料理や買い物ができない利用者は、まずはお試しからでも導入を検討しても良いのではないでしょうか。
ぜひ、訪問看護従事者として高齢者にオススメの宅配弁当は頭に入れておき、何かあったらすぐにアドバイスできるよう備えておきましょう。
- 今回ご協力いただいた人物
- 名前:サク
訪問看護師。娘一人を子育て奮闘中ママ。 「宅食で日々の生活を楽に豊かに健康に」をモットーにブログ「宅食びーむ」を運営。ブログでは20社以上の宅食を実際に頼んでレビューしている。写真・動画多数で分かりやすいと評判。
ブログURL:https://takushoku-beam.com/