訪問看護の楽しみの一つとして、「様々な家を見ることができる」を挙げる人もいるでしょう。
レイアウトを参考にしたり、「立派な家だな〜こんな家に住みたいな〜」と思ったり、これも訪問という業態でしか味わえないメリットです。
しかし、憧れる家があれば、正直行きたくない家があるのも事実です。
その代表が「汚い家」です。
私も長年訪問看護ステーションで働いていたので、その苦悩は良く分かります。
そんな中、いつしか「この状況を楽しまなきゃもったいない!」と思い、独自の楽しみ方を開発しました。
今回は、「訪問看護で汚い家に行く時の楽しみ方!ゴキ○リランキングTOP3」をご紹介します。
汚い家に訪問行くのは避けられない、その中でどのように過ごしたら良いか知りたいという人は、ぜひ参考にしてください。
訪問看護で汚い家を楽しむ時のルール
ルール
- 訪問中に目視できたゴキブリの数を数えます。
- 一回発見して、いなくなって、もう一度発見した場合、同じゴキブリかもしれませんが、ここは2匹とカウントします。
今回は、数を紹介するだけではなく、「このような状況はどう打破したらいいのか」「どう介護・医療職として捉え、次に繋げたらいいか」もお伝えしていきます。
*生々しい描写はしないつもりですが、苦手な方は戻るボタンを押すことをお勧めします。
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訪問看護で遭遇!ゴキブリランキングTOP3
それでは、訪問看護で遭遇したゴキブリランキングTOP3をご紹介してまいります。
第3位 3匹
3匹かよーって思った方。
正直…麻痺していますよ。
だって、1匹でもいたら嫌じゃないですか。
これは、とある集合住宅に住んでいるご夫婦のご家庭でした。
私は旦那様に介入していたんですが、家の中は分かりやすいゴミ屋敷です。
生ごみ散乱、ペットボトル、空き缶散乱状態です。
まさに足の踏み場もない状態です。
ただ、ゴミを出せないほど障害を負っている利用者でもありません。
要介護状態は「1」で、要介護の中では一番軽い分類です。
ご夫婦ともに散歩もいけています。
私はその人の障害ではなく、性格による汚さと判断をしました。
そのような状態でも、ご利用者様にはリハビリをしないといけません。
いつも寝ている布団の上に座らせていただいて、ストレッチや筋トレをするんですが、もうズボンが汚れるとかは慣れました。
ただ、ゴキブリは慣れないですね。
1匹見つけると動かしている手が一瞬で止まります。
そして、私の目線は常にゴキブリを捉えています。
こいつから目を離していなくなったとなったら、不安で不安で仕方ないですから。
正直、 リハビリどころではありません。
ただ、ご利用者さんに「集中していない」と思われたら信頼関係の欠如に繋がります。
しかし、ご利用者様とお話をする時や、動作の指示をするときは、どうしても奴から目を離さなければなりません。
この時も一緒に筋トレをして、「はい休憩〜!」と、壁に再度目を向けた時!
いなくなってるんですね。
そこからはヤツを探すのに精一杯です。
不思議ですよね、見たくないものなのに、このときばかしは見つけたくなります。
でも見つからないので、ちょっと気が削ぎれてまたリハビリを再開したとき!
同じ壁にまたいたんですね。
奴が。
しかも2匹同時に。
ありがたいことに(?)、今回は二匹とも同じ場所から動かず、予定していた一時間を過ごすことができました。
帰り際は「どう音を立てないように帰るか」、それだけを意識していました。
第2位 5匹
第2位は、1時間に5匹です。
5匹は、個人的に気を配れる数の最大です。
一度に5匹出ても、馬の目のように視野を広くして位置情報を確認できるようになりました。
このお家は一人暮らしの方で、そこまで見た目上は汚くありません。
「泊まったら10万円!」と言われれば、ギリギリ悩んで辞めるレベルです。
ホコリが溜まっていますが、居室にゴミが散乱していることはありません。
問題はキッチンにありました。
男性の方で、コンビニ弁当のゴミをなぜかキッチンのシンクに放ってしまう癖がある方でした。
キッチンの匂いは1位だったと思います。
そこからカサカサカサカサ物音が聞こえてくわくるわ。
幸いにも、玄関からリハビリをする居室までキッチンを通らないような設計だったので、 私がキッチンに入る事は数える程度だったんですけど、居室で5匹ですからね。
キッチンでは夢の2桁もいけたんじゃないかと思っています。
第1位 10匹
第1位は、10匹です。
ここまでくれば諦めます。
入った時、パッと家を見て5匹以上いたらあなたは諦めたほうがいいです。
奴らのすべてを目視するのは不可能です。
自分の周りのテリトリーに奴らが入ってこないかに全神経を集中させます。
半径1m以内に全神経集中、全力でテリトリーを守ります。
テリトリーを犯すものがいようなもんなら、全力で固まります。
この方は、不可抗力もあるのかなというケースでした。
アパートにご本人様と息子様の二人暮らし。
ご本人様は要介護3で自分の身の回りのことで精一杯。
その上、息子様は精神疾患を抱えており生活が崩壊していました。
トイレには便器に入らなかったう○ちが散乱、居室やキッチンにはゴミが散乱状態です。
もちろん、この状態を放置しておくのはご利用者様、ご家族様にとっても良いことではないので、訪問介護が入ったり、精神疾患の息子様がいることから保健所の目が入ったり、最終的には最低限の清潔が保てる状態になりました。
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訪問看護で汚い家に行く時の楽しみ方まとめ
今回は、訪問看護で汚い家に行くときの楽しみ方として、「ゴ○ブリランキングTOP3」を紹介しました。
単純に「うわー汚いー」と感じてもらえるのも、それはそれでいいと思います。
医療介護の人も人間なので、そう思うのは自然だと思います。
ただ、なぜこうなってしまうのかを評価することが私たちの仕事です。
おそらく、誰だって汚い家で住みたいとは思っていなく、病気がためにそのような環境になってしまっていることかもしれません。
だとしたら、私たちは向き合う義務があります。
環境が変わることで相乗効果で身体面や精神面が良い方向に向かう可能性があります。
そう考えると、奴らの数を数えることも私たちの仕事なのかもしれません。
今回、すべてご紹介したご利用者様には訪問介護を導入したり、別居しているご家族様に頼んだりして、最終的には最低限の清潔を守れる環境になりました。
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