この記事は、年収を600万円にあげたい作業療法士のあなたに向けて書いています。
私は訪問看護ステーションで理学療法士兼、毎月3〜4名の面接を行う人事をしています。
もし、私が作業療法士だったとしたら、間違いなく「訪問看護ステーション」に転職します。
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なぜなら、昨今の現状から、作業療法士が訪問看護ステーションに転職すれば、他の職種よりも比較的簡単に年収600万円を目指すことができるからです。
この記事でわかること
年収を上げて「もっと余裕のある生活をしたい!」「将来の不安を減らしたい!」と考えている作業療法士は、ぜひ最後まで読み進めてください。
作業療法士が訪問看護ステーションで年収を600万円に上げられる理由
一般的に、リハビリスタッフが一番稼ぎやすい業態は訪問看護ステーションと言われています。
訪問看護ステーションは、基本の給料が高めに設定してあることに加えて、「インセンティブ」という訪問すればする分、給料が上乗せされる制度を導入しているところが多いからです。
「インセンティブで稼ぐ方法」はコチラの記事(20代の理学療法士が年収600万円まで上げる転職術!【完全マニュアル】)で詳しく説明しています!理学療法士向けに書いてありますが、もちろん作業療法士も使えるノウハウです。
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インセンティブで稼ぐ方法は看護師・リハビリスタッフ問わず有効ですが、この稼ぎ方が最も通用するのは「作業療法士」だと思っています。
理由は以下の3つです。
- 訪問看護ステーションでは理学療法士より作業療法士の方が仕事の幅が広い
- 精神疾患の患者数が増加している
- 訪問看護ステーションでリハビリスタッフの人員削減が始まっている
作業療法士は年収600万円を稼ぐのに一番近い職種と言っても過言ではありません。
一つずつ理由を解説してまいります。
訪問看護ステーションでは作業療法士の方が仕事の幅が広い
病院だと、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の役割が明確に分けられていることが多いです。
基本動作は理学療法士、ADLは作業療法士など、それぞれの強みを活かしてリハビリを行います。
しかし、訪問看護ステーションからのリハビリは、「明確な区別はされていない」という現状があります。
というのも、訪問看護ステーションにリハビリ依頼をする人は、ケアマネジャーです。
ケアマネジャーが、「この利用者リハビリ必要になってきたから導入しよう」とケアプランを作成して、訪問看護ステーションに依頼がきます。
ケアマネジャーは、「歩行ができなくなってきたから理学療法士にお願いしたい」「着替えができなくなってきたから作業療法士にお願いしたい」ではなく、「リハビリをお願いします」という形で依頼をします。
そのため、理学療法士が上肢の練習やADLの練習をメインに、作業療法士が歩行練習をメインにリハビリをすることも大いにあります。
理学療法士と作業療法士の区別がなく、同じリハビリの人として捉えられている世界です。
作業療法士にしかできないリハビリがある
これだけを聞くと、「じゃあ理学療法士でもいいじゃん」と思われるかと思います。
しかし、訪問看護ステーションには作業療法士にしかできない仕事があります。
それは、「精神疾患利用者に対するリハビリ」です(「精神科訪問看護指示書」が発行されている利用者に対するリハビリ)。
例えば、高齢でうつ病を主疾患として持っている利用者が、歩行時にふらつきが出てきたとしましょう。
この利用者に訪問でリハビリを導入したいと思ったら、作業療法士しか行けないのです。
理学療法士が、「いや!私たちも精神に関する勉強をしているので行けますよ!」と言っても無駄です。
これは、制度上決められているので、どう理学療法士が足掻いたとしても行くことはできません。
一方、理学療法士しか行けない疾患はありません。
つまり、理学療法士に行ける訪問はすべて作業療法士も行けるのです。
訪問看護ステーションで精神疾患の利用者は年々増加している
とはいっても、精神疾患の利用者って一部でしょ?と思われるかもしれません。
確かに、数年前は訪問看護ステーションの数が少なかったというのものありますが、あまり対象者はいませんでした。
しかし、ここ最近は精神疾患へのリハビリ介入がかなり増えています。
というのも、日本における精神疾患を有する患者数の推移は年々増加しています。
当然、その中には身体が弱っている人もいるので、必然と精神疾患を持つ患者へのリハビリ需要は高まります。
つまり、作業療法士の需要が高まっている事を指します。
訪問看護ステーションでリハビリスタッフの人員削減が始まっている
政府は、令和3年(2021年)度の介護報酬改定で、「訪問看護ステーションにおける人員配置基準は看護職員が6割以上」にする検討がされました。
つまり、一つの訪問看護ステーションでリハビリ職員は全体の4割にしなければならないという事です。
現状、リハビリスタッフが4割を超える訪問看護ステーションは約15%あると言われており、リハビリスタッフの人員削減、もしくは看護職員の増員は必須です。
現実的には、地域のニーズにもよりますが、リハビリスタッフの人員削減を徐々にしていく方向になると思います。
少数精鋭のリハビリスタッフで、多くの利用者のところに行き、ニーズを果たさなければなりません。
そのため、経営者視点でいうと、理学療法士よりも仕事の幅が広い作業療法士が欲しくなるのは当然です。
必然と作業療法士の方を優先して採用していくことになるでしょう。
実際に、同じ能力、年齢、性別の理学療法士と作業療法士が面接に来て、昨今の現状から作業療法士を採用したという企業も知っています。
年収を600万円に上げたい作業療法士が転職すべき訪問看護ステーションの特徴は?
なんとなく、これからの訪問看護ステーションにおいて、作業療法士が追い風になっていることが理解できたかと思います。
しかし、どの訪問看護ステーションでも稼げるかと言われると話は別です。
年収600万円に上げたい作業療法士は、以下の特徴を持つ訪問看護ステーションに転職をしましょう。
- 精神科訪問看護に力を入れている訪問看護ステーション
- 開設してからある程度経過している訪問看護ステーション
- インセンティブ制度がある訪問看護ステーション
精神科訪問看護に力を入れている訪問看護ステーション
正直、精神科訪問看護に力を入れていない訪問看護ステーションでも、年収600万円程度でしたら稼ぐことはできます。
しかし、作業療法士という特性を活かして、より確実に年収を上げたいのであれば「精神科訪問看護に力を入れている訪問看護ステーション」を選びましょう。
「え?今まで精神科なんて見たことないんだけど…」
という人もいるかもしれません。
確かに、過去2年以上精神疾患に携わっていないと精神科訪問看護に行くことはできません。
しかし、協会が運営する講習会に参加すれば、過去に実績がなかったとしても訪問することができます(研修は4日程度:参考リンク:日本訪問看護財団)。
問題なのは、求人を見ても精神科訪問看護に力を入れている訪問看護ステーションかどうかは分からないことです。
その点、転職サイトのコンサルタントは職場の内情をよく知っているので、精神科訪問看護に力を入れている訪問看護ステーションをピックアップしてもらえばスムーズに事が進みます。
私がオススメする転職サイトはPTOTSTワーカーです。しつこい電話も少なく、職場の内情をよく知っているので安心して任せられる転職サイトですよ!
インセンティブ制度がある訪問看護ステーション
前述の通り、訪問看護ステーションは「インセンティブ制度」を利用することによって比較的若い年齢から稼ぐことができます。
インセンティブ制度とは、ある一定の訪問件数を超すと1件につき数千円のお金がどんどん上乗せしていく制度です。
求人情報を見てみると、「○件以上〜3,000円のインセンティブ」などと記載している訪問看護ステーション(訪問リハビリ)があるのが分かると思います。
求人情報の一例
訪問看護ステーションのインセンティブ制度をうまく活用すれば、年収を600万円まで上げることができます。
インセンティブで稼ぎたい人が転職すべき訪問看護ステーションの特徴5選
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インセンティブで稼いだ場合の想定年収
実際に、私の知人がインセンティブ制度で年収600万円以上稼いでいるのでご紹介します。
名前:Aさん
年齢・性別:28歳・男性
給与形態:基本の給料30万円+1か月80件以上の訪問につき1件3,500円のインセンティブ
1日の訪問件数:約7件
Aさんが務める訪問看護ステーションは、基本給が30万円に設定されています。
この基本給の30万円は、必ずもらえるお金です。
多くの作業療法士は、この30万円だけをもらっているので、「30万円×12ヶ月=年収360万円」となります。
しかし、訪問看護ステーションのインセンティブを利用した場合は異なります。
1日に訪問件数7件を1ヶ月平均21日稼働すると、1ヶ月147件訪問することになります。
ここからインセンティブが発生するまでの80件を引くと、67件がインセンティブ対象件数になります。
1件のインセンティブは3,500円なので、67件×3,500円=234,500円。
つまり、約23万円をインセンティブだけで稼ぐことができるのです。
そこに基本の給料の30万円が加わるので、30万円+234,500円=「534,500円」が1か月のお給料になります。
1年で考えると「534,500円×12か月=6,654,000円」なので、660万円以上の年収になります。
この稼ぎ方で年収600万円以上、700万円近く稼いでいる人をたくさん知っています。
利用者がいれば、すぐに年収600万円を超すことができるのがインセンティブの特徴です。
開設してからある程度経過している訪問看護ステーション
インセンティブで稼ぐためには、訪問看護ステーションが開設してどのくらい経っているかは重要です。
ここで押さえておきたいところは、会社の設立ではなく、あなたが働きたいステーションがどのくらい経過しているかです。
会社によっては、何店舗もステーションを構えています。
会社の設立時に立ち上げたステーションが5年経っていたとしても、あなたが就職を希望するステーションが立ち上げて間もないのであれば転職は控えた方が無難でしょう。
というのも、立ち上げたばかりのステーションは、まだ地域に認知されていない可能性があります。
そのため、ケアマネジャーからの新規依頼も少なく、あなたの訪問件数も思うように伸びない可能性が大きいです。
つまり、インセンティブに届かない件数が何ヶ月も続きます。
ある程度、少なくとも設立して1年は経過しているステーションを選んだ方がいいでしょう。
年収600万円を目指したければ面接が超重要!
このように、作業療法士は訪問看護ステーションで年収600万円を目指すことが可能です。
この時、私たちがしなければならないことは、「この訪問看護ステーションは本当に稼げるかを見抜くこと」です。
実は、インセンティブを魅力的な数値で設定していたとしても、そのインセンティブを全然もらうことができないという事態が多く発生しています。
例えば、1ヶ月の新規利用者数が少なすぎてインセンティブをもらえる件数まで訪問が増えないなどです。
このような事態を招かないためには、「面接」が超重要になります。
詳しくはコチラの記事(【訪問看護の面接対策】「何か聞きたいことありますか?」逆質問で聞くべきこと)で解説していますが、以下の5つは必須で確認しておきましょう。
- 既存のスタッフで多い人は1日何件訪問しているか
- 介護保険での提供時間は30分が多いか60分が多いか
- 会社の方針
- 1ヶ月間の新規利用者
- 訪問範囲と平均移動時間
- その他、給与交渉やインセンティブ交渉など
【訪問看護の面接対策】「何か聞きたいことありますか?」逆質問で聞くべきこと
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面接時にはこのような逆質問をして、本当にインセンティブをもらうことができる訪問看護ステーションなのかを見抜く必要があるのです。
作業療法士が訪問看護ステーションへの転職を成功させるための条件とは?
ただし、「面接なんてただでさえ緊張するのにこんなの聞けない!」という人がほとんどでしょう。
そのような人は、「内情に強い転職サイトを利用する」と一気に成功に近づけます。
私がオススメする転職サイトは、PTOTSTワーカーとレバウェルリハビリです。
・PTOTSTワーカー | 業界実績No.1
*リハビリ職向け転職サイトで最大手で、全国的に求人が豊富。転職初心者は登録しておきましょう。
・レバウェルリハビリ | 業界最大の非公開求人数
*業界最大の非公開求人数を持つため好条件の求人がたくさん。特に1都3県に転職考えている人にオススメ。
PTOTSTワーカーは、業界最大級の求人数なので登録は必須レベルでしょう。
レバウェルリハビリは1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)に強く、非公開求人がかなり多いので好条件の求人に辿り着きやすくなります。
「ここの訪問看護ステーションは新規が少ないのでインセンティブは難しいかもしれませんね。」
「ここの訪問看護ステーションは平均7件くらい訪問しているので稼ぎたい人にはピッタリだと思いますよ。」
このように、私たちの希望に合う転職先を包み隠さず教えてくれるので、失敗の可能性をグッと減らすことができます。
その他にも給与交渉や面接日程の調整も代わりにしてくれるので、今よりも待遇が良い場所に出会う可能性も高まります。
すぐに転職はちょっと…と考えている人は「スカウト」をもらおう!
「すぐに転職をするのはちょっと…」と思っている方は、ジョブメドレー (作業療法士)に無料登録しておくことをオススメします。
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ジョブメドレー (作業療法士)は、転職サイトの中でも珍しい「スカウト機能」を採用しています。
スカウト機能とは、転職希望者がジョブメドレー(作業療法士)に登録をしておけば、企業側から「ウチにきてくれないか?」とオファーをもらうことができる仕組みです。
実際、私も30代の作業療法士にスカウトを出した過去があります。
とりあえず登録してオファーがくるか待ってみるのも得策といえるでしょう。
もちろん、興味がないスカウトは断っても問題ありません。
ちなみにジョブメドレー(作業療法士)は、サーチ型(自分で求人を探すスタイル)を採用しているためしつこい電話もありません。
しつこい電話がない!スカウトをもらえるかも!