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我が国では毎年7万件近い自転車事故が起きています。
訪問看護・訪問介護では自転車で移動をしている人も多く、他の人よりも事故に遭うリスクは高い状態にあります。
だからこそ、自転車に乗るときの基本ルールは誰よりも把握していなければなりません。
もし、相手の生死に関わる事故を起こしてしまった場合、会社だけではなく個人に責任が及んでしまう可能性もあります。
この記事では、自転車に乗るときの基本マナーから、安全に乗るための手信号までを解説してまいります。
よくある自転車事故のパターン
まずは、よくある自転車事故のパターンを把握しておきましょう。
- 安全不確認
- 一時不停止
- 信号無視
- 歩道上で歩行者との接触
安全不確認を含む「安全運転義務違反」は、自転車事故全体の58.3%に上り、半数を超えています。
次いで「一時不停止」「信号無視」、歩行者妨害などによる「歩行者との接触」が上位を占めています。
自転車に乗るときの基本ルール
それでは、自転車に乗るときの基本ルールです。
基本ルールは、警視庁が発表している「自転車安全利用五則」を参考にして、訪問看護・訪問介護用に一部改変しています。
- 自転車安全利用五則
- ①車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
②交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
③夜間はライトを点灯
④飲酒運転は禁止
⑤ヘルメットを着用
①車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
自転車は原則、車道の左側を通行します。
なぜなら、自転車は道路交通法上「軽車両」に分類されるため、車と同じ扱いになるからです。
ただし、以下の場合は歩道を通行しても良いとされています。
- 歩道に「普通自転車歩道通行可」の標識等があるとき
- 13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、身体の不自由な人が自転車を運転しているとき
- 著しく自動車の通行量が多く、かつ、車道の幅が狭いなどのために、追越しをしようとする自動車などの接触事故の危険性がある場合
- 道路工事や連続した駐車車両などのために車道の左側部分を通行するのが困難なとき
- 普通自転車の通行の安全を確保するためにやむを得ないと認められるとき
まとめると、基本は車道の左側を走行するが、自動車の通行量が多いなど身の危険を感じる時は歩道を走っても良いということになります。
あくまでも歩道は歩行者が優先されることを念頭に、そのときの状況に合わせて走行しましょう。
②交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
当たり前のことですが、信号は必ず守りましょう。
意外と知られていないのが、「一時停止」の標識です。
前述した通り、自転車も車と同じ扱いになるため、一時停止が標識のある場所は必ず止まって左右の安全を確認します。
また、標識がないところでも、見通しの悪い交差点では徐行をして安全を確認しましょう。
③夜間はライトを点灯
夜間はライトを点灯するよう警視庁は推奨していますが、個人的には夕方の少し日が落ちてきたタイミングで点灯させることをオススメします。
ライトは自分が見やすくするためだけではなく、相手に自分の存在をわかってもらう役割もあります。
自分の身を守るためにも、早めのライト点灯を心がけましょう。
④飲酒運転は禁止
訪問中に飲酒をしている人はいないと思うので関係のない話に聞こえますが、ここで気をつける点は「前日の残り」です。
前日夜遅くまで飲酒をしていた人は、翌日も体内にアルコールが残っている可能性があります。
この点、2023年12月1日からアルコール検知器による確認が義務付けられました。
また、乗車定員11人以上の自動車を1台以上、又は乗車定員10人以下の自動車を5台以上使用している事業所では、安全運転管理者の選任が必要となります。
今後は自転車にまで範囲を広げる可能性もゼロではないと考えるので、過度な飲酒は控えましょう。
⑤ヘルメットを着用
以前までは児童のみヘルメットの着用義務がありましたが、現在は年齢関係なく着用の努力義務がなされています。
そのほか、意外とやっている!?自転車違反
上記に挙げた自転車安全利用五則の他に、意外とやっている自転車違反をご紹介します。
スマホの使用
自転車に乗っている時は、スマホの使用をしてはいけません。
操作だけでなく通話も違反とされています。
確かに、訪問看護・訪問介護は常に誰かと連絡をとっている職業なので気持ちはわかりますが、使用する場合は安全な場所に停めましょう。
イヤホンの使用
自転車に乗っている時、イヤホンで音楽を聴いている人を一定数見かけますが、こちらも違反です。
また、スマホの使用を控えるためにマイク付きイヤホンで電話をしながら走行をしている人もいますが、こちらも違反の対象になります。
傘の使用
訪問看護・訪問介護スタッフではあまり見かけませんが、雨の日に傘をさすのは違反です。
カッパ(レインウェア)を着用しましょう。
二人並んで走行する
自転車は二人横に並んで走行してはいけません。
同行をする時など、意外とやってしまいがちなので注意をしましょう。
安全に走行するための”3つの手信号”
同行をする時など、複数名で利用者の家に行く時は手信号を覚えておくと安全に走行できます。
道路交通法で定められている3つの手信号を覚えておきましょう。
手信号 | 意味 |
右折・右方向への進路変更 | |
左折・左方向への進路変更 | |
停止 |
以上、自転車に乗るときの基本ルールと安全に走行するための手信号をご紹介しました。
自分の身は自分で守るよう、今回紹介したルールは必ず遵守するようにしましょう。