訪問看護 リハビリ

リハビリを受けないと不安です。それ、「リハビリテーション依存症」かも。

2021年1月26日

本日は、「リハビリテーション依存症」について話していきます。

リハビリテーション依存症とは?

あまり聞かない依存症ですよね。

そりゃそうです。

そんな言葉ありませんから。

私が勝手に言っている言葉です。

お医者さんも使いません。

ただ、私は結構多い依存症だと思っています。

一般的に、依存症というと、「薬物依存症」、「アルコール依存症」などが思い浮かびますよね。

依存症に共通しているのは、そのものに頼ってしまっている、それがないと不安で仕方がないということです。

「リハビリテーション依存症」は、リハビリを受けていないと不安で仕方がない、リハビリを受けないと能力が落ちてしまうんじゃないかという不安に駆られる症状と私は定義づけています。

そのリハビリ、あなたにとって本当に必要ですか?

ここでいうリハビリは、自分で行うリハビリ(筋トレやセルフストレッチなど)は含みません。

専門職(理学療法士や作業療法士など)にしてもらうリハビリを指します。

障害を負ったり、高齢者になると「リハビリが大切だよ」って聞いたことがあると思います。

これは間違いではありません。

リハビリを受けなければ障害が治らなかったり、高齢者であれば弱っていく一方だった身体が元気を取り戻して、「また歩けるようになった!」「旅行にいけるようになった!」なんてこともあります。

ありますというか、それがリハビリの役割です。

ただ、もしもあなたが何年も何十年もリハビリを受け続けているとしたら。

本当に今のあなたにとってそのリハビリは必要ですか?

確かにあの時リハビリを受けたから、今の元気なあなたがあるかもしれません。

ただ、今のあなたは自分である程度のことができるようになったとして。自分で筋トレやストレッチなど、セルフである程度のリハビリができるようになったとしたら。

もう、専門職から受けるリハビリは必要ない可能性があります。

今のあなたが、もし、「専門職からリハビリを受けないと能力がまた落ちちゃうかもしれないから」、「せっかく良くなったからリハビリを辞めるのが怖い」、もしくは「もうリハビリは必要ないんじゃないかな?」と薄々感づいている人がいたとしたら。

思い切って、一旦リハビリを卒業して見ることをオススメします。

リハビリテーション依存症の一例

ある方の例を紹介します。

この方は8年前に脳出血により片麻痺を患いました。

それから病院でのリハビリを行い、その後はデイケアと訪問リハビリに移行しました。

そして約5年間経った現在も、デイサービスと訪問リハビリを続けています。

注目すべきは、約3年前から一人で外出、旅行もいけるようになったのに、それ以降もずっとリハビリを続けているのです。

身体機能はこの3年間、まったく変わっていません。

100歩譲ってリハビリを続けるのはいいでしょう。

リハビリの役割に「維持」もありますから、身体機能が変わらないことが良い場合もあります。

一番やってはいけないことは、他の予定よりもリハビリを優先することです。

「リハビリが生活の第一優先、リハビリが入っていたら友人との外食や旅行を断る。」

この方は、これをやっていたんです。

これは絶対にダメです。

もっと言えば、この方にとって、友人と外出したり旅行に行く方が、施設や家でしているリハビリなんかより、ずっと効果が高いのです。

外に行けば、長距離も歩くでしょう、段差も登るでしょう、砂利道も歩くでしょう、その機会を逃して、家や施設といった安全性が確保された、逆を言えば行動を制限された空間で、何に繋がってるか分からない筋トレやストレッチを受けるのです。

このように、自分である程度のことができるようになったのにも関わらず、リハビリ(を受けること)を第1優先にして生活している人を、私は「リハビリテーション依存症」と位置付けています。

なぜリハビリテーション依存症になってしまうのか

では、なぜこのような症状に陥ってしまうのか?

はっきり言います。

リハビリを提供している人の責任です。

リハビリの最終目標は卒業です。

何のためのリハビリですか?

その人の外食や旅行ができるためのリハビリなんじゃないですか?

リハビリは目的じゃないですよ、手段ですよ。

ここが分からず、何も考えずにリハビリをダラダラと提供しているスタッフが多すぎます。

 

リハビリテーション依存症からの脱却方法

本来であれば、ある程度の回復までいけたら「卒業」に持ち込むのがリハビリスタッフの役目でもあります。

ただ、こういうスタッフのリアルがあるので、もし受けている方がいたら、

「いつまでリハビリをしたらいいんでしょうか?」と聞いて見てください。

そこで曖昧な言葉だったり、明確な理由を答えられなかったら思い切ってやめてみるのも一つだと思います。

また必要になったら再開すればいいんですもん。

リハビリスタッフも病院や会社に所属しているいわゆるビジネスマンですからね。

会社から利用者数の減少を食い止めろとか言われているかもしれませんが、貴方の人生がリハビリだけで終わるのはもったいなさ過ぎます

もちろん、リハビリが継続的に必要な方もいますので、一概には言えませんが、リハビリを優先し過ぎてプライベートでしたいことができていないっていう現状の方がいましたら、それは本当に必要なリハビリなんだろうか?と自問自答してみてください。

-訪問看護, リハビリ

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