2024年4月よりBCPの策定が完全義務化となりました。
介護事業者が対象になっているため、もちろん訪問看護ステーションも対象となります。
しかし、「いきなり策定って言われてもどういう内容にしたら良いか分からない!」という事業所も多いことかと思います。
この記事では、BCP(感染症編)の策定で取り込むべき内容を解説してまいります。
あくまでも推奨内容のため、各事業所用に改変してご使用することをオススメします。
※なお、BCPの研修方法に関しては下記の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はこちらもぜひご覧ください。
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【2024年義務化】BCP(感染症編)の研修内容を完全解説!【フォーマットあり】
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記事の最後には、マニュアルの作成例とフォーマットがダウンロードできるページを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください!
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【訪問看護】BCP(感染症用)マニュアルに取り込むべき項目

訪問看護ステーションが作るBCP(感染症用)マニュアルは、事業所や会社ごとに内容が異なる可能性がありますが、大きな枠組みとして下記のような項目を抑えておくと良いでしょう。
- 目的
- 体制・責任の明確化
- リスク評価・想定される感染症
- 行動指針とステージ分け
- 感染防止策の具体化
- 必要備蓄品・資材管理
- スタッフのシフト管理・代替要員確保
- 訓練・教育・見直し
- 復旧・事業再開計画の策定
1. 目的
感染症が流行している状況でも訪問看護を継続するために、まずはどのような事態に対応すべきかを整理しておきましょう。
感染拡大を防ぎながら、訪問看護サービスを途切れさせないことが最優先です。
スタッフや利用者の感染リスクを最小限に抑えつつ、サービスをしっかり維持するという、この2つを両立させることこそが、感染症版BCPを作成する最大の目的になります。
- 作成するときのポイント
- ・「何のために作るのか」を明確にする(感染拡大防止とサービス継続)
・想定される感染症の種類を洗い出す(新型インフルエンザ、COVID-19、ノロウイルスなど)
・地域や事業所の特性(スタッフ数、訪問範囲、利用者の状況)を考慮する
・平時から備蓄や訓練を実施し、それらを踏まえた計画づくりを意識する
2. 体制・責任の明確化
感染症対策が必要になるフェーズでは、普段とは異なる形でのシフト管理や物品管理が求められます。
その際、「誰が」「何を指揮し」「どのような役割を担うのか」をあらかじめ決めておくと、現場の混乱を大きく減らせます。
- 作成するときのポイント
- ・BCP責任者(管理者・所長など)を中心に指揮・決定を行う体制をはっきりさせる
・感染管理リーダー、連絡調整担当、物資管理担当など、担当ごとの役割を明確化
・責任者が不在の場合は誰が代行するのか、そのルールを事前に決めておく
・医療機関や保健所、行政機関などとの連携窓口を誰にするかも決めておく
3. リスク評価・想定される感染症
訪問看護に影響を与える感染症は、新型インフルエンザやCOVID-19のような新興感染症だけでなく、結核やMRSA、ノロウイルスなど既存のものも含め、多岐にわたります。
どの程度の影響が考えられるのか、スタッフと利用者の双方にどのようなリスクがあるのか、平時からしっかり見積もっておく必要があります。
- 作成するときのポイント
- ・「発生頻度」「感染力」「重症度」など、感染症の種類ごとに整理する
・スタッフや利用者の特性(基礎疾患の有無、高齢者や小児など免疫が弱い層)を把握する
・地域での流行の可能性(人口密度、交通手段、病院数など)も考慮する
・事業所のサービスのどの部分が最も影響を受けやすいか(スタッフの欠勤、物品不足など)を洗い出す
4. 行動指針とステージ分け
感染症の流行度合いに応じて、「通常(ステージ0)」「感染拡大の兆候(ステージ1)」「中規模流行(ステージ2)」「大規模流行(ステージ3)」のように段階を設定し、そのステージごとに行動指針を変えていきます。
こうすることで、状況が変化した際にすばやく対応しやすくなります。
- 作成するときのポイント
- ・ステージごとの想定状況(スタッフの出勤率、利用者の感染リスクなど)を具体的に明示
・人工呼吸器管理など、優先度の高いケアはどのステージでも最優先にする
・ステージが上がるほど業務を段階的に縮小または制限できるよう、訪問の優先順位リストを準備
・行政からの情報や保健所のアナウンスを参考に、ステージを上げ下げする目安を設定
5. 感染防止策の具体化
BCPの要となるのが「いかに感染を防止しながら訪問看護を継続するか」です。
訪問先やステーション内、さらにスタッフ自身の健康管理など、場面ごとに具体的な対策を示しておく必要があります。
- 作成するときのポイント
- ・スタッフの健康チェック(出勤前の検温・問診、体調不良時の早期報告など)
・個人防護具(マスク、ガウン、手袋、フェイスシールドなど)の選択と在庫管理
・訪問の合間の手洗い・アルコール消毒の徹底など、手指衛生の強化
・利用者宅における標準予防策(換気の徹底、接触部の消毒、スタッフと利用者の距離確保など)
・ステーション内での衛生管理(定期的な消毒、いわゆる三密回避、休憩室の人数制限など)
6. 必要備蓄品・資材管理
感染症の流行期には、衛生用品(マスクやアルコール消毒液など)が不足しやすくなります。
安定したサービスの提供を目指すには、平時からの備蓄と計画的な管理が欠かせません。
- 作成するときのポイント
- ・マスク、ガウン、手袋、消毒薬など、どの程度の在庫を確保するかの目標を設定
・使用期限や使用頻度を考慮し、定期的に在庫をチェックして入れ替える
・不足した場合に調達できるルート(行政や医療機関との連携)をリスト化しておく
・流行が長引いた場合に備え、普段から少しずつ在庫を積み増すなどの仕組みを整える
7. スタッフのシフト管理・代替要員確保
感染症が広がると、スタッフ自身が感染したり、濃厚接触者となって出勤できなくなったりする可能性が高まります。
複数のスタッフで業務をカバーし合えるようにしておけば、サービスが止まらないように工夫できます。
- 作成するときのポイント
- ・AチームとBチームに分ける「チーム制」や、人数を分散させるシフト管理
・時差出勤やテレワーク(事務作業のみ在宅対応など)の導入
・非常勤スタッフや近隣の事業所と連携し、互いに代替要員を紹介できる体制を検討
・特定のスタッフにしかできない業務がないかを洗い出し、マニュアル化して共有する
8. 訓練・教育・見直し
BCPマニュアルは作って終わりではなく、現場がしっかり使いこなせてこそ意味があります。
定期的に訓練や研修を実施し、実際の状況で確実に動けるようにしておきましょう。
また、訓練や実際の事例を振り返って、必要に応じてマニュアルを修正・改訂していくことも重要です。
- 作成するときのポイント
- ・年に2回ほど、感染症を想定したシミュレーション訓練を行う
・PPE(個人防護具)の着脱や手指消毒など、感染対策研修をスタッフ全員に実施
・訓練結果を振り返り、マニュアルの不備や運用上の問題点を洗い出す
・行政の最新ガイドラインを確認し、必要な内容を随時アップデートする
9. 復旧・事業再開計画の策定
感染症の流行が終息・収束してきたタイミングで、どのように通常業務へ戻すか、また感染予防策をいつ緩和するかといった点もあらかじめ決めておくと、再開時のバタつきを減らせます。
被害を最小限に抑えつつ、できる限り早期にサービスを通常運営に戻す手立てを検討しておきましょう。
- 作成するときのポイント
- ・地域の感染状況や行政の発表、保健所の情報などを注視する
・復旧の優先順位を決め(まずは命の維持に直結するケア、その後通常訪問を段階的に再開)
・スタッフの体調回復やメンタル面のケアを考慮する(長期にわたる感染リスクにさらされた不安をケア)
・流行中に得た教訓や改善点を、次のBCP改定に反映しておく
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