訪問看護の現場では、利用者様のご自宅に一人で訪問することがほとんどです。
そのため、予期せぬ緊急事態が発生した際に、冷静かつ迅速に対応できる体制を整えておくことが何よりも重要になります。
その点、事業所として「緊急時対応マニュアル」が整備されていれば、予期せぬ事態が起こっても、現場のスタッフは迷うことなく、スムーズに行動できるようになるでしょう。
この記事では、訪問看護における緊急時対応マニュアルの具体的な作成方法を、項目ごとに徹底解説いたします。
訪問看護の経営や運営に携わっている人は、ぜひ参考にしてみてください。

記事の最後には、マニュアルの作成例とフォーマットがダウンロードできるページを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください!
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緊急時対応マニュアルの作成方法

緊急時対応マニュアルを作成する上で最も重要なポイントは、「誰でも」「すぐに」「適切に」行動できるような内容にすることです。
緊急時訪問看護マニュアルを作成する際は、以下の点に注意をすると良いでしょう。
- 作成ポイント
- 1. 緊急時の判断と救急車要請の基準を明確にする
2. 119番通報時の手順と応急手当の方法を具体的に記載する
3. 事務所への連絡体制と情報共有のルールを定める
4. 救急隊到着後の情報共有と引き継ぎ項目を整理する
5. 救急車送り出し後の対応と最終報告のフローを確立する
6. 事務所が行う現場サポートを明確にする
7. 一連の流れをフローチャートで可視化する
1. 緊急時の判断と救急車要請の基準を明確にする
マニュアル作成の最初のステップは、どのような状況で「緊急事態」と判断し、救急車を呼ぶべきかを明確にすることです。
例えば、「ためらわずに救急車を呼んで欲しい症状」といった具体的な症状の例を挙げることで、現場のスタッフが状況を判断しやすくなります。
総務省消防庁など公的機関が発行している書類を別紙として活用するのも一つです。
また、判断に迷う場合や、救急車が不要と判断した場合の対応も明確にしておく必要があります。
例えば、直ちに事務所へ電話連絡し、責任者または管理者に状況を報告して指示を仰ぐなどといったフローを明記しておくと良いでしょう。
2. 119番通報時の手順と応急手当の方法を具体的に記載する
緊急事態と判断し、119番通報を行う際は、落ち着いて適切な情報を提供できるよう、手順を明確に記載します。
まず、電話では利用者様の住所、氏名、そしてあなたの会社名を明確に伝えることが重要です。
消防からの質問には、落ち着いて正確に答えるように促しましょう。
また、救急隊が到着するまでには、どのようなことを評価・アセスメントしたら良いかも記載しておくと、より実用的なマニュアルになります。
- 救急隊が到着するまでに確認すること(例)
- ①意識レベルの確認
②バイタルサインの確認
③外傷・転倒の有無の確認
④麻痺の有無
⑤内服状況の確認など
3. 事務所への連絡体制と情報共有のルールを定める
救急車を要請した後、速やかに事務所へ連絡し、状況を報告する手順を示すと良いでしょう。
責任者または管理者へ、利用者様の具体的な状況や救急車要請に至った経緯などを詳しく報告するルールを定めます。
事務所側では、利用者情報の提供、ご家族への連絡、代替人員の手配など、様々なサポートを行うことを示しておくと現場の安心感につながります。
4. 救急隊到着後の情報共有と引き継ぎ項目を整理する
救急隊が到着したら、利用者様の情報を正確に伝えることが求められます。
救急隊到着までに確認した利用者様の症状、持病、服薬状況などのように、伝えるべきポイントを簡潔にまとめておきましょう。
また、自身の所属や電話番号が分かる会社の名刺を渡すことも有効です。
一方で、搬送先の病院名など、救急隊から確認しておくべき項目も明確にしておきましょう。
5. 救急車送り出し後の対応と最終報告のフローを確立する
救急車を見送った後の対応もマニュアルに含めるべき重要な項目です。
(会社の方針にもよりますが)原則として救急車には同乗しないことを明記し、例外規定がある場合はそちらも記載しておきます。
救急車を見送った後は、速やかに事務所へ最終報告を行うことの重要性を記載しておきましょう。
6. 事務所が行う現場サポートを明確にする
現場のスタッフが緊急対応に集中できるよう、事務所がバックアップする体制をマニュアルで明確に示します。
事務所は、追加の応急処置の精査、緊急連絡先への電話、応援(代替人員)の手配、利用者情報の把握・取りまとめ、そして現場への報告など、多岐にわたるサポートを行います。
これらのサポート内容を明記することで、現場のスタッフは決して一人ではないという安心感を持つことができます。
7. 一連の流れをフローチャートで可視化する
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以上、一連の流れはフローチャートなどで可視化しておくことが求められます。
緊急時はパニックになってしまい、冷静な判断がしづらくなるものです。
この点、一目でわかるような資料を一つ用意しておくと、現場のスタッフは安心して行動することができます。
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まとめ
訪問看護における緊急時対応マニュアルは、単なる書類ではなく、利用者様の命を守り、そして訪問看護師であるあなた自身を守るための、非常に重要なツールです。
今回ご紹介した項目に沿ってマニュアルを作成し、定期的に内容を見直すことで、より実践的で質の高いマニュアルにすることができます。
また、マニュアルは作成するだけでなく、緊急時を想定した訓練を繰り返し行うことが何よりも大切です。
この記事が、利用者・そしてスタッフの安全を守れる一助になれば幸いです。