訪問看護で、利用者の在宅、つまり生活に踏み込む仕事です。
その中で、衝撃の体験をしたことがある人も少なくないはずです。
私も長年、訪問看護ステーションで従事をしてきましたが、忘れることのできない衝撃体験があります。
今回は、私が実際に体験した衝撃体験を3選ご紹介します。
「あるある!」と思うことから、「え!?そんなことも?」と衝撃を受ける内容まで、ぜひお楽しみください。
訪問看護のあるある!?衝撃の実体験3選
衝撃の実体験1:体に茶色いモノが…はあるある!?
これは、私が訪問看護ステーションで働いて1年くらいたった時の実体験です。
とある業界では超有名な利用者の担当になりました。
週2回、訪問してリハビリをすることになったんですが、その方は超高齢で一人暮らしをしていました。
お家もかなり大きいのですが、使う部屋は一部屋のみ。
少し、寂しさを感じるお宅でした。
とある日、いつも通り訪問をするといつもと違う匂いが充満しています。
そう、「う○ち」です。
トイレ流してないだけかなぁと思いながら、いつも通り対面で話をしていると、どんどん匂いが強くなってきます。
おかしいなと思いつつも、別に見渡す限りにう○ちはありません。
私はリハビリという職業柄、ご利用者様の素足を触ることが多いので、いつも通り素足を持とうとすると、
べっとりです
べっとり両足についていました。
一瞬、時が止まったのを今でも覚えています。
本来なら、「汚れているのでお風呂で洗いましょうか」と言っていたと思います。
しかし、この方はすごくプライドが高く、私が訪問するときは外に出ないにもかかわらずネクタイをビシッと決めてお出迎えしてくれるような人でした。
その方に、
「う○ちついていますよ」
は、少なくとも当時の私は言えませんでした。
相手を傷つけてしまうと思ったんです。
次に私がとった行動は、
「ついていない部分を探す」
です。
なんとか、ついていない部位を探して触らないようにしつつ、そして極力いつも通りに、変に勘付かないようにリハビリを実施することに努めました。
その成果が実り、なんとかサービス終了の時間を迎えました。
その後、ヘルパーさんが来ることになっていたので、すぐに電話して状況をお伝えしました。
ちょうど入浴介護をする予定だったとの事で、胸をなでおろした次第です。
一人暮らしの高齢者や老老介護のお家では、茶色いモノが付いていることはあるあると言っていいでしょう。
その時、訪問看護ステーションのスタッフとしてどのような対応ができるのか。
正直、今回の私の行動は正解とは言えません。
一見、「相手のプライドを傷つけず頑張ったね」と言われそうなんですが、その状況でいることは、その人の人生・生活を考えるともちろん良くありません。
相手を傷つけたくないという理由で、自分を納得させただけなんです。
完全に私の弱さからの行動です。
衝撃的な実体験でしたが、同時に未熟な行動を猛省をした出来事でした。
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衝撃の実体験2:「寮」への訪問看護には注意が必要…
訪問看護はお家に訪問してサービスを提供します。
一軒家やアパート、マンションに行くことが多いのですが、特殊な場合もあります。
その一つが、「寮」です。
今回の出来事は、生活保護の方しか入れない寮に訪問した時の事です。
3階建ての見た目はビルみたいな感じの建物で、各階に4つずつ部屋がある寮でした。
一部屋には2人が入居していて、その2人の間には仕切りなどはなく、プライベートは一切ない空間です。
ある時、そこに住んでいる方に訪問することになったのですが、初めて行った時の印象は、
「異様な空間だなぁ」
でした。
もちろん、見た目だけで判断するのはダメなんですが、30歳代と思われる若い人がゴロゴロいます。
最初は遊びにきてるのかと思ったんですが、後に入居者ということがわかりました。
廊下には喫煙所があって、昼間からそこで酒を飲みながらパチンコの話をしています。
当時、20代後半だった私は一瞬、
「めっちゃ羨ましいやーん!」
と思いました。
ただ、私は仕事に来ているので、ご利用者さんのところに行ってサービスをするだけです。
欲を抑えつつ華麗にスルーです。
もちろん、一部屋2人で生活しているので、ご利用者さんの部屋にも同居人がいます。
同居人は70歳くらいだったと思いますが、その方の雰囲気は正直異質を放っていました。
真冬なのに半袖で顔がいつもギトギト、独り言を言っては笑っています。
正直、すぐに「何か危ないものをやっているのではないか」と頭をよぎりました。
でも、まさかと思ってスルーをする日々が過ぎていました。
ある日、いつも通り部屋に行くと丁度、まさに、
「注射器の針が腕に進入開始しているところ」
を見てしまいました。
思わず「わぁ!」と声をあげ、一回扉閉め締めました。
少し時間をあけて、再度ゆっくりドアを開けると、すでに注射器はしまっていて笑顔で迎えてくれました。
その同居人は
「俺糖尿病なんだよ〜」
と言っていましたが、疑いが晴れることはありません。
いつも通りご利用者さんのリハビリをしたんですが、生きた心地はしませんでした。
リハビリしつつ、常に同居人の様子を伺うみたいな感じです。
途中で同居人が外出したので、ホッとしたのも束の間。
ご利用者さんから
「あれ本当は覚○剤だよ」
と教えられました。
その次に出た言葉、
「俺もやってるんだけど、君もやるかい?」
いつもの穏やかなご利用者さんの笑顔が一瞬で悪魔に見えました。
「いえいえ、何をおっしゃっているんですか〜」と、その場はなんとか乗り切って事務所に戻りました。
上司と相談をして、本当に覚○剤だったかどうかは分からないので、まずは生活保護担当のケースワーカーさんに相談をすることにしました。
1週間後、寮に住んでいた数人が突然姿を消していました。
理由はわかりません。
ちなみに、このご利用者さんは本当はやっていなくて冗談で言っていました。
衝撃の実体験3:訪問するもドアを開けてくれない
これは、今でも鮮明に映像として頭の中に残っている体験です。
とある難病疾患のご利用者さんを担当していた時の話です。
ご利用者さんの年齢は伏せますが、まだまだ若い、世間一般的には働き盛りな年齢で男性の方でした。
駅前のアパートに一人で住んでいて、電車の音や商店街の活気ある声が家の中まで聞こえてくる家でした。
なんとかヘルパーに来てもらいながら、身の回りのことは自分でできていました。
家の中であれば家具などに伝って歩くこともできます。
体が不自由にも関わらず、私を含む、サービス関係者がくると時間をかけてでも座布団を用意してくれる、優しくて、本当に温かい人でした。
その一方、寂しがりやの一面があり、私はリハビリをする人として訪問していたにも関わらず、ご利用者さんの悩みや不安を聞いて、時には私の悩みも話して、1時間のサービス時間が過ぎてしまうこともありました。
同性のサービス関係者が私だけだったということもあって、話しやすいとも言ってくれました。
担当になって、半年ほど経ったころでしょうか。
いつも通り、訪問をすると何分経っても鍵を開けてくれません。
確かにトイレに行っている時など、時間がかかることがあるのですがそれにしても遅すぎです。
何かあった時のためにと、キーボックスという暗証番号で開く鍵入れが用意されていたので、初めてキーボックスを使用して中に入りました。
お亡くなりになっていました。
状況からすぐに自○だとわかりました。
私は初めて、腰が抜けて足に力が入らないという体験をしました。
確かにまだ自分でなんとか生活できているものの、少しずつ出来ないことが増えて体の機能が衰えているのは誰の目でも明らかでした。
関係者の中で、次のサービス内容を変えようとしたり、主治医の先生も薬の調整をしたり、色々と動いている矢先でした。
私は何度も自分を責めました。
毎週会っていたのに、何も気づいてあげられなかったのです。
リハビリで入っているのに、何も治してあげられなかった、もっと歩くのを上手にしてあげられたら希望を持てたのではないか。
「訪問看護の仕事ってなんだろう」
「俺は一体何をしていたんだ?」
正直、訪問看護の仕事を辞めようと思いました。
もうご利用者さんに会うことが怖くなってしまったんです。
ただ、結果的には辞めずになんとか続けることができました。
理由は、他にもたくさんの利用者さんを担当していたからです。
辛い出来事もあれば、
「来てくれてありがとう」
「痛みがなくなって旅行に行くことができました」
「これからもよろしくお願いします」
救われたのは、ご利用者さんからの嬉しいお言葉でした。
正直、今でも、あの時の映像は鮮明に覚えています。
あの電車の音、商店街の声も鮮明に覚えています。
夢にも出てきます。
そんな日は、今担当している利用者さんをもっと大切にしていこう、もっと技術を磨いていこうと思うようにしています。
訪問看護のあるある!?衝撃の実体験まとめ
私が実際に体験した、今でも心に残っている衝撃体験を3つご紹介しました。
あるある!と感じる内容や、かなりディープでショッキングな内容もあったかと思います。
しかし、これらは訪問看護で実際に起こりうる事なのです。
私は、いろいろな人に助けられて今も仕事ができていますが、メンタルやられて退職、転職した人も何人も見てきました。
表には出ないけど、日常では体験ができないリアルがあるのが医療・介護業界です。
「家の汚さ」に衝撃を受けるのも訪問看護のあるあるでしょうか…。
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