訪問看護は、看護師やリハビリ(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)の国家資格があれば働くことはできます。
しかし、昨今は訪問看護に求められることが多岐に及んでおり、国家資格+αの資格・スキルアップを身につけることが求められています。
今回ご紹介する、訪問看護スタッフにオススメの資格・スキルアップは「介護職員初任者研修」です。
・うまく家族指導ができない
・ヘルパーとの連携の仕方に困っている
・もっと年収をあげたい
このように悩んでいる方は、「介護職員初任者研修」の資格が味方になってくれるでしょう。
私も長年、訪問看護ステーションで所長・エリア統括をしてきましたが、この資格を活かして現場で活躍している人を何人も知っています。
特に、今後は訪問看護と訪問介護の連携が増えていくので、需要が高まる資格といえます。
興味を持った方は、記事の最後にオススメの習得方法、無料の資料請求もご紹介していますので、ぜひあなたのスキルアップにご活用ください。
介護職員初任者研修とは
介護職員初任者研修とは、介護に必要な基礎的な知識や技術を修得したことを証明する資格です。
以前は「ホームヘルパー2級」と呼ばれていました。
介護の初心者向けの資格として位置付けられています。
なぜ資格なしの訪問看護スタッフに「介護職員初任者研修」がオススメなのか
介護職員初任者研修は、医療・介護業界で働く人であれば、知らない人がいないほど有名な資格です。
しかし、介護職員初任者研修は、主に介護職員の人が取得する資格であり、「なぜ訪問看護スタッフが必要なの?」と思われるかもしれません。
私が介護職員初任者研修の資格を推奨する理由を、3つお伝えしていきます。
これからは訪問看護と訪問介護の「連携」が増えていく
「地域包括ケアシステム」という言葉が一般化されてきたように、国は地域が一体となって一人の利用者を支えるよう仕組みを整えています。
具体的には、医師、ケアマネジャー、訪問介護、福祉用具、そして訪問看護などの医療・介護関係者が一つのチームになり、在宅の高齢者を支えていこうという仕組みです。
そのため、これからの時代は、より一層他職種との連携が増えていきます。
医師やケアマネジャーとの連携は、従来から重要性が言われていましたが、これからは「訪問介護」つまりヘルパーとの連携が増えていくことが予想されます。
実際、「看護・介護職員連携強化加算」という加算制度があるように、看護と介護職員の連携はすでに重要視されています。
【Q&A】看護・介護職員連携強化加算の算定をマスター!【技術不足を補う?】
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現場においても、介護職員が分からないことを訪問看護スタッフが指導する場面が増えてきているのを感じます。
しかし、「うまく指導ができない」「こっちの言っていることがうまく伝わらない」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
それは、あなたが訪問看護の知識・技術をベースにしているからです。
つまり、訪問介護の人はどのようなことを学んできて、どこを訪問看護に聞きたいか分かっていないのです。
その点、自分が介護職員初任者研修を受けることにより、相手のテリトリーを理解することが出来ます。
「ヘルパーはここまでしか習わないから、ここから指導するようにしよう」
と、相手の視点に立った指導ができるようになります。
また、ヘルパーの知識・技術向上のために訪問看護スタッフを講師に呼んで、勉強会を開催することが増えてきました。
もし、このような講師の依頼がきたとしても、相手のニーズにマッチするような伝え方ができるようになるでしょう。
質の高い家族指導ができるようになる
相手の立場に立って指導することができるのは、ヘルパーに対してだけではありません。
家族に対しても同じことがいえます。
訪問看護の重要な業務に「家族指導」があります。
「どのように移乗したらいいか分からないので教えてください」
「どのように着替え介助をしたらいいか教えてください」
など、介護・介助の方法を指導する場面が多々あります。
家族は、介護の素人です。
「なんで伝わらないんだろう・・・?」
家族への指導がうまくいっていないと感じている人は、介護の素人がどのような部分に悩んでいるのか分かっていないのです。
医療者目線で指導しても伝わらないということは、現場のあるあるです。
その点、介護職員初任者研修で介護の基礎の基礎を学ぶことで、「何も知らない人」の気持ちがわかるようになります。
あなたの家族指導も、より家族の視点に合わせた質の高いものになるでしょう。
給料がアップする
介護職員初任者研修は有名な資格なので、資格自体は皆が知っているでしょう。
しかし、多くの人は「介護の人が持つ資格」というイメージです。
その点、訪問看護の看護師、もしくは理学療法士などのリハビリスタッフがその介護職員初任者研修の資格を持っているのは、かなりインパクトが強いです。
また、会社側も訪問介護との連携がこれから必要になることは知っているため、介護の知識を持っているあなたは、重宝される可能性がかなり高くなります。
先ほどもご説明したように、訪問介護との連携は「加算」という形で国が認めています。
もちろん、加算なので連携をすれば会社にお金が入ります。
しっかり評価をしてくれる会社なら、必ず給料に反映してくれるでしょう。
私の訪問看護ステーションに、社会福祉士の資格を持った看護師がいます。
積極的に訪問介護と連携をしたり、ヘルパーに対して勉強会をするなどして、「社外連携リーダー」という役職につきました。
結果、月1万円の手当てがつきました。
このように、介護職員初任者研修は会社からも必要とされている資格なのです。
介護職員初任者研修の受験内容と受験費用
介護職員初任者研修は、スクールが開催している講座を受講し、全課程修了後に修了評価に合格すれば取得することができます。
修了評価はそれぞれのスクールで実施されますので、試験問題はスクールによって異なります。
ほとんどのスクールの修了評価は筆記試験の形式です。
受講資格はなく、誰でも取得可能です。
介護職員初任者研修で学ぶ科目
介護職員初任者研修は、全10項目130時間の研修で構成されています。
130時間のうち40.5時間は通信で学ぶことが可能ですが、残りの約90時間は通学が必要です。
項目 | 学習時間 | 通信学習可能な上限時間 |
1職務の理解 | 6時間 | ー |
2介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 | 7.5時間 |
3介護の基本 | 6時間 | 3時間 |
4介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9時間 | 7.5時間 |
5介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 | 3時間 |
6老化の理解 | 6時間 | 3時間 |
7認知症の理解 | 6時間 | 3時間 |
8障害の理解 | 3時間 | 1.5時間 |
9こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 | 12時間 |
10振り返り | 4時間 | ー |
合計時間 | 130時間 | 40.5時間 |
平均的な受講期間は、通信・通学併用講座で3週間~4ヵ月程度、通学講座で3週間~2ヵ月程度です。
日にちにして15~17日ほどは通学することになります。
介護職員初任者研修の費用
20,000円〜
*スクールにより異なります。
訪問看護スタッフにオススメする介護職員初任者研修の資格習得方法
介護職員初任者研修は有名で取得する人も多い資格なので、全国で多くのスクールが開催されています。
「ニチイ」「ベネッセ」など、大手の企業が開催していることでも有名ですね。
あなたにとって最適なスクールを探すことから始めましょう。
その際、以下の点に注意して検索しましょう。
介護職員初任者研修のスクール検索時の注意点
- 通いやすい立地か
- 費用の違い
- 開催(講義回数)の頻度
- 振替授業はあるか
- スクールの特徴
無料で資料請求をしよう!
とはいっても、自分の周りにどのくらいのスクールが準備されているかは分かりにくいですよね。
また、スクールが見つかったとしても、スクールの詳しい情報はなかなか収集しにくいものです。
その点、『シカトル』ならあなたの近くのスクールを一括検索することができます。
しかも、そのスクールの講座資料を無料で請求することができます。
興味を持った方は、まずは資料請求だけでもしてみることをオススメします。
もちろん、資料請求をしたものの「自分には合わないかな…」と思ったら、それはそれでアリだと思います。
まずは、じっくりと資料を見て比較検討をしてみましょう!
スタッフのスキルアップを促すためにも、訪問看護の事務所に資料を置いておくのも良いかもしれませんね。
これから生き残りが厳しくなる訪問看護業界です。
あなたにしかないスキルを活かして輝いてください。