転職ノウハウ

【認知症の対応に不安がある介護士】転職のポイントを現役面接官が徹底解説!

当サイトでは、特に異業種や未経験から介護士に転職をする方々を応援していますが、転職を躊躇する理由の一つに「認知症の方と接するのが不安…」「どうやって対応したらいいか分からない」という声があります。

確かに認知症はこちらからの指示が入りづらく、自分が思うように介護が進まないかもしれません。

そのため、今まで認知症の方と接したことがない人は、不安に感じてしまうのも当然といえるでしょう。

この記事では、認知症の対応に不安がある介護士はどのように克服したら良いのか、または認知症の対応をできるだけしなくても良い転職先はあるのかなどを中心に紹介してまいります。

この記事でわかること

・認知症の対応に不安がある介護士の克服方法

・認知症の対応に不安がある介護士にオススメの転職先

・失敗しない転職活動の方法

できるだけ自分らしく働きたい!と思っている介護士は、ぜひ最後まで読んでみてください。

認知症の対応に悩んでいる介護士はそこまで多くない…?

介護士の主な仕事内容は以下の通りです。

  • 高齢者や認知症の方とのコミュニケーション
  • 日常生活の介護
  • 買い物や家事の代行
  • レクリエーション
  • リハビリテーションの補助
  • 看護師のサポート

日常生活の介護や家事の代行などに焦点が当たりがちですが、認知症の方とコミュニケーションを取るのも介護士の仕事の一部です。

九州大学の二宮教授の「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」によると、日本における認知症の人口は、2012年で462万人だったのに対し、2025年には約700万人になると言われています。

普通の人だったら一回の指示で介護がスムーズに進むところ、認知症の方だと何回もやり取りを交わさなければならないことも多々あります。

介護士は時間に追われているという側面もあるため、「スムーズに対応ができるのだろうか」と不安になってしまう人も多いかと思います。

今回、私が面接官を務めている訪問介護ステーションに「認知症の対応に不安はあるか」というアンケートをとってみました。

すると、意外なことに約70%の人が「そこまで不安はない」という答えが得られたのです。

しかし、興味深いことに介護士としての経験年数が上がれば上がるほど不安になる人は多いという結果も得られました。

なぜ、介護士としての経験年数が上がるほど不安になるのか

  • 経験年数が少ない人ほど不安が少ない
  • 経験年数が多い人ほど不安が大きい

一般的に、技術や知識は経験を積めば積むほど高まるので、今回のような結果は意外といえます。

おそらく、経験を積んで認知症に対する知識がついてくると、その分うまくいかない現実に悩んでしまう人が多いのではと推察されます。

認知症の人も他の利用者も、はたまた私たちも同じ人間です。

そのため、一方的な介護をしようと思ったらできてしまうケースも多々あります。

例えば、相手が理解していなくてもこちらがすべて介護をして着替えをすることもできます。

このように、「着替えができた」という結果だけを切り取っている人はそこまで認知症の対応に不安にならないでしょう。

ただし、認知症の人が理解するような言葉で、認知症の人もできるだけ自立を促せるようにと、相手のことを考えた介護を考えている人は、うまくいかない現実に悩んでしまう傾向にあるようです。

経験を積んで知識をつけてくると「認知症に対する理想的な介護」を知ってしまいます。

しかし、実際問題は教科書通りにいくことの方が少なく、認知症への対応の難しさを身にしみていくこととなるのでしょう。

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認知症の対応に不安がある介護士の克服方法

認知症の対応が不安と感じている介護士がいるのも事実ですが、一方それでも長年介護士として働いているのも事実です。

この項では、どのように先輩介護士は克服したのかを中心にご紹介してまいります。

"いい意味で"相手のことを考えすぎない

先ほど経験年数が少ない人ほど、認知症の対応に悩むことが少ないというデータを出しました。

よく言えば他の利用者と同じような対応ができている、悪く言えば認知症という症状にあまり向き合っていないと言うこともできます。

認知症の対応に不安が強い人は、"いい意味で"相手のことを考えすぎないという考え方も重要になります。

認知症に対する知識が身についてくると、「介護士として何かできることがあるんじゃないか」と考えます。

その考え自体は素晴らしいものなのですが、所詮私たちは他人です。

根本として人を変えることは難しいのです。

そのため、私たちにできることには限界があるということも頭に入れておき、余裕を持って接することがポイントといえるでしょう。

「なんでうまくいかないんだろう…」「私のやり方がダメなんだ…」という不安な表情は相手にも伝わってしまいます。

それならば、笑顔で自信を持って接した方が双方にとって良い関係をもたらすと思います。

自分の親だと思って接する

認知症にはタイプがあり、穏やかな人もいれば怒りとして現れている人もいます。

私たち介護士も人間です。

怒りとして現れている人に対してムッとなってしまうことも想像に容易く、「自分の感情がコントロールできなくなったらどうしよう」と不安になる介護士も一定数いるようです。

その点、若干精神論のような解決策になってしまいますが、相手を自分の親だと思って接すると考え方が変わるかもしれません。

自分の親だったらどういう介護をして欲しいだろう、どういうコミュニケーションをして欲しいだろう、こう考えればきつい気持ちも和らいでくる可能性があります。

認知症ケア専門士を取得する

最後は認知症に対する知識や技術を高める克服方法です。

先ほど知識をつけるほど不安になる人が多いと述べましたが、それでも知識や技術はあるに越したことはありません。

ではなぜ、あなたは認知症の人とのコミュニケーションを苦手にしているのでしょうか。

それは、認知症の人が理解しやすい言葉で伝えていないからかもしれません。

認知症の人は、伝え方ひとつで言動が変わってきます。

介護拒否をしている人も、対応ひとつで受け入れが良くなるケースもあります。

このように、認知症の人には特化したコミュニケーションが必要になるのですが、「認知症ケア専門士」では認知症に特化した知識を体系的に学ぶことができます。

認知症ケア専門士は、一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する民間資格で、介護士はもちろん看護師や理学療法士なども多く取得しています。

65歳以上の5人に1人が認知症と言われている日本において、このような技術を身につけておけば親の介護の時などにも活用することができます。

認知症ケア専門士の詳細はコチラ(参考記事:【認知症ケア専門士】資格なしの訪問看護スタッフにオススメのスキルアップ!)【とあるコメディカル】>>

認知症の対応に不安がある介護士にオススメの転職先

このように、認知症に対する考え方を変えたり、専門的な技術や知識をつけると不安も少なくなるかもしれません。

ただし、どうしても認知症の対応はしたくない…という人もいるでしょう。

そのような人は、できるだけ認知症の人がいない場所に転職することが望まれます。

例えば「リハビリテーション特化型のデイサービス」です。

ここに通ってくる人たちは家の外に出られる人、またリハビリを目的としている人たちなので、認知面は比較的保たれている人が多いです。

また、逆に介護度・重症度が高い施設を選んでもいいかもしれません。

意思疎通ができず寝たきりに近い人たちが多い場所は、活発的なコミュニケーションをすることも少なくなります。

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一方、「グループホーム」や「認知症に力を入れているデイサービス」などでは認知症の対応は必須で求められます。

このように、働く場所によって介護士の仕事内容は変わってくるということをぜひ抑えておいてください。

自分らしい働き方を実現させるための転職方法

「認知症の対応はしたくない…でも介護士として働きたい…」

このように考えるのは決してダメなことではありません。

自分らしい働き方を実現させるのが、介護士として長く働き続けるコツとなります。

極力、自分が苦手なことは避けて働きたいという介護士は、介護士専門の転職サイトを利用するようにしましょう。

介護士専門の転職サイトには、転職のプロであるコンサルタントが在中しており、私たちの希望に会う転職先を代わりに提案してくれます。

「夜勤はしたくない」

「できるだけオムツの介助はしたくない」

「認知症の対応に自信がない」

このように、若干わがままに思えるような希望でも、できる限り希望に近づけた求人を探し出してきてくれます。

また、職場の内情に強い転職サイトを利用すれば、事前に雰囲気や人間関係を教えてくれます。

「ここの職場は所長さんがすごく優しいので、離職率がかなり低いんですよ」

「正直、ここは人間関係が悪いって有名ですね…」

「ここの職場は教育制度が手厚いので、未経験の人も多く活躍していますよ」

このように、一人では知り得ない情報をたくさん教えてもらうことができます。

そのほか、面接の日程調整や履歴書の書き方、給与交渉まで行ってくれるので利用しない手はないかと思います。

私がオススメする介護士専門の転職サイトは、「MC-介護のお仕事」と「マイナビ福祉・介護のシゴト」です。

MC-介護のお仕事:業界トップクラスの求人数。コンサルタントは直接現場に足を運んでおり、生の声を教えてくれる。非公開求人も多いことで有名。

マイナビ福祉・介護のシゴト:未経験者に嬉しい!採用担当者からのアドバイスつき「履歴書の書き方完全ガイド」をプレゼント中。登録をしておくだけでスカウトをもらえる可能性あり。

どちらも実際にお仕事をしたことがありますが、すごく丁寧で感じの良いコンサルタントが多い印象を持ちました。

もちろん、利用は完全無料なので、良い待遇で働きたい!と思っている介護士はとりあえず登録をして求人検索してみることをオススメします。

高待遇求人多数・未経験歓迎の転職サイト!

認知症の対応に不安がある介護士の転職ポイントまとめ

  • 経験を積めば積むほど認知症に対する不安が出てくる傾向にある
  • 「"いい意味で"相手のことを考えすぎない」「自分の親だと思って接する」「認知症ケア専門士を取得する」といった克服方法がオススメ
  • 認知症の対応を極力避けられる転職先は存在する
  • 自分らしい働き方を実現させるには「介護士専門の転職サイト」の利用がオススメ

自分が嫌だと思っている仕事内容を続けるのは、心身ともに良いことではありません。

介護士の良さは仕事先を選べるということです。

その仕事先の特徴によって仕事内容は変わってくるため、ぜひ介護士専門の転職サイトを利用して自分らしい働き方を実現させてみてください。

心より応援しております!

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訪問看護ステーションでとあるコメディカル(理学療法士)兼人事をしています。併設の訪問介護ステーションでの面接もしており、数多くの方々をサポートしてきた経験から、介護士の転職ノウハウをお伝えしてまいります!

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