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訪問看護における看護記録の書き方完全解説!記載例を多数紹介!【記録書Ⅰ・Ⅱ】

*会員様よりリクエストいただき、コピぺができるようpremiumでも記事公開する運びとなりました。

この記事では、訪問看護における看護記録の書き方をお伝えします。

訪問看護における看護記録は、「訪問看護記録書Ⅰ「訪問看護記録書Ⅱ」の2パターンがあります。

どちらも訪問看護で働く上では必須の書類なのですが、

「訪問看護記録書Ⅰってなに?」

「訪問看護記録書Ⅱがその日のうちに終わりません…。」

という声を多くお聞きします。

この記事では、訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱの説明はもちろん、記載例を多数紹介しています。

また、記録書を記入する書類(シート)もダウンロード可能です。

きっと日々の業務がスムーズになること間違いなしですので、ぜひ参考にしてください。

訪問看護の記録「訪問看護記録書Ⅰ」とは

まず、「訪問看護記録書Ⅰ」について説明してまいります。

「訪問看護記録書Ⅰ」とは、利用者の基本情報が一覧にまとめてあるものです。

訪問看護記録書Ⅰには、

「訪問看護の依頼目的、初回の訪問年月日、主病名、既往歴、療養・介護状況、緊急時の連絡先(主治医・家族)、ケアマネジャーの名前と連絡先、その他の関係機関の連絡先」

などを記載します。

ケアマネジャーから依頼がきたときや、初回の担当者会議で情報収集して作成することが多いです。

このときに情報収拾できないことは、直接本人や家族に聞くことになりますが、初回訪問で色々と質問をすると、利用者が負担と感じることがあります。

絶対に初回時に作成しなければならない書類ではありません。

介入していく中で、徐々に情報を収集しながら作成するようにしましょう。

また、訪問看護記録書Ⅰは、毎月作成する書類ではありません。

1度作成をして、項目の変更がない場合は手を加えなくて結構です。

変更があった場合、その都度修正をしていきましょう。

訪問看護記録書Ⅰの記載例

それでは、訪問看護記録書Ⅰの記載例をご紹介します(画像クリックで拡大)。

訪問看護記録書Ⅰのシートをダウンロードしたい方もこちらからお願いいたします。
担当者会議や初回介入時など、情報収取をするメモにもご活用いただけると思います。

訪問看護の記録「訪問看護記録書Ⅱ」とは

次に、「訪問看護記録書Ⅱ」の説明です。

訪問看護記録書Ⅱには、訪問をした内容を記録します。

毎回訪問ごとに作成する書類で、いわゆる訪問看護におけるカルテのようなものです。

訪問看護記録書Ⅱには、

「訪問年月日、病状、バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容」

などを記載します。

利用者の病状はもちろん、ケアに対して利用者がどのような反応をしたのか、家族の介護状況など、その日に得られた情報は小さなことでも記録するように心掛けましょう。

記録方法に決まりはありませんが、SOAP形式で記録しているステーションが多いかと思います。

それぞれのスタッフが独自の方法を書くのではなく、ステーション内で統一した方法を用いると良いでしょう。

訪問看護記録書Ⅱは、毎日記載する書類なので、電子カルテを導入しているステーションは、訪問の合間を縫って記録するなど工夫をしましょう。

1日の訪問が終わって、ステーションに戻ってからまとめて記載するのは残業の原因になります。

また、その日に書くことができず後回しにしてしまうと、「膨大な量の記録書Ⅱをまとめて書かなきゃいけなくなった」、「あの日の訪問どんな状態だっけ?」という状況に陥ります。

記録書Ⅱはその日のうちに書く、ということも忘れないようにしましょう。

訪問看護記録書Ⅱの記載例

それでは、訪問看護記録書Ⅱの記載例を病状別でご紹介します(画像クリックで拡大)。

訪問看護記録書Ⅱのシートをダウンロードしたい方もこちらからお願いします。
印刷をして訪問時にメモ代わりとして使用しても良いでしょう。

訪問看護記録書Ⅱの「利用者の状態(病状)」部分の記載例

それでは、「利用者の状態(病状)」部分の記載例を、「状態別」「疾患別」に分けてご紹介します。

記載方式は「SOAP」です。

状態別
状態に変わりがなかった利用者の記載例

S)体調は変わりないですよ
O)体調変化なく経過している。痛みなし。内服薬は内服カレンダー使用して飲み忘れなし。カレンダーへのセットは本人が行っているが、正確にセットできている。食事摂取は1日2回(昼・夜)でパン中心。昨日の血液検査データで栄養値著変なし。体重も横ばい。また、夜間不眠傾向あり眠前薬が処方されたが、昨日は内服せず良眠。リハビリは積極的に行っており、自主トレも行えている。
A)少食傾向だが元々の生活習慣であること、血液検査データは正常範囲内であることから現状の食生活で経過観察とする。睡眠に対する新たな処方薬あり、服薬状況と睡眠状況を随時確認していく。リハビリテーションも問題なく行えていると考える。
P)食事状況の確認、睡眠状況の確認、睡眠薬の内服頻度確認

内服が飲めていなかった利用者の記載例
S)よくわかんなくなっちゃってな
O)前回訪問時に内服カレンダーにセットするも、デイサービス介入時以外の内服は服用できていない。カレンダーに飲み忘れがセットしたままである。昨日も内服できておらず、本日介入時の収縮期血圧は150台。デイサービス時の記録では110台と変動あり。自覚症状はなく体調は安定している。食事は1日3回、娘様が来訪してコンビニ弁当を置いてくれている。問題なく摂取できている様子。
A)内服が定期的にできていないことから、血圧の変動に繋がっていると考える。サービスが介入していない時の内服が課題。娘様は忙しく長居ができないと情報あるが、内服促しまで援助してもらえるか相談することとする。
P)内服セット、内服状況の確認、血圧の変動を確認、娘様に内服介助を相談

 

セルフケアができていなかった利用者の記載例
S)おしっこ出てるかも
O)訪問時、尿臭強い。オムツに尿失禁あり。トイレに行こうとするも間に合わなかったとのこと。ズボンにも尿もれによる汚染あり、オムツ交換とズボン着替え介助実施。着替え時に便意ありトイレ誘導、排便あり。髭も多く生えており、口臭も強い。髭剃りと歯磨きを実施。準備をすれば自己で可能。入浴は週2回のデイサービスでできている。両足爪白癬あり、クレナフィンが処方されているが自己で塗布はほとんどできていないため、塗布介助を実施。白癬の状態は改善傾向である。
A)セルフケアが不十分で衛生面に問題あり。認知症の症状もあるが、本人の性格によるものの方が強いと考える。セルフケアに関しては他者の促しが必須な状態のため、デイサービスにも髭剃りを持っていき介助してもらうこととする。白癬は改善傾向のため、引き続き訪問看護で対応していく。状態によっては足浴も併せて対応していく。
P)セルフケアの促し・介助、デイサービスにセルフケアに関する情報共有、白癬に対しクレナフィン塗布または足浴

 

医療処置(発赤・外傷)を行なった利用者の記載例
S)よくなってるとは思うよ
O)先週認めた左第5趾の発赤、左下腿外側の擦過傷は本日も認める。左第5趾の発赤は悪化なく経過しているが、足趾乾燥強くビーソフテンにて保湿実施。左下腿外側の擦過傷に関しては上皮形成、創部治癒傾向だったが、昨日の往診時に左下肢蜂窩織炎疑いの診断。7日間抗生剤静注開始となる。本日はやや発赤あるも熱感、痛みなし。また、新たに左足首に数カ所表皮剥離認め出血あり。訪問時に往診医へ状態報告。新たな表皮剥離に関してはガーゼ保護対応となり、ケア実施。
A)歩行時にぶつけやすいのか、左下肢中心に擦過傷を認める。一部は蜂窩織炎疑いあり、状態・バイタル留意していく。生活環境もぶつけやすい物が多く、環境整備も必要と考える。
P)皮膚の状態観察とケア、蜂窩織炎の状態を往診医へ報告、環境整備

 

医療処置(褥瘡)を行なった利用者の記載例
S)いてぇ~
O)左大転子、左肩、左膝に褥瘡あり。本日のサイズ【左大転子:3.0×2.0cm】【左肩:2.0×2.0cm】 【左膝:2.0×2.0cm】 。左大転子部の褥瘡周辺組織は発赤と熱感、疼痛あり。中心部は黄色、周囲は黒色。左肩、左膝は上皮化している。サイズ・状態を往診医へ報告。左大転子はイソジンシュガー塗布、左肩、左膝は上皮化しているためガーゼ保護のみの指示あり、ケア実施。訪問時、疼痛が強くカロナール内服介助。食事は3食食べており、昨日の血液検査データで栄養値は正常範囲内。
A)3ヶ所とも徐々に褥瘡改善傾向。栄養状態問題なく、食欲もあるため体動困難による褥瘡発生と考えられる。リハビリ介入による除圧やポジショニング、ベッド環境の整備も必要と考える。
P)引き続き褥瘡の状態を往診医へ報告、褥瘡に対するケア、疼痛に対する内服介助、サービスの調整、環境整備

 

医療処置(バルーン)を行なった利用者の記載例
S)お茶をたくさん飲むようにしていますよ
O)バルーンカテーテル14Fr、10㏄固定留置中。今週のHrは平均1800~2000ml/日。本日は14時訪問時点で1000ml。水分摂取を意識的に行っており、平均1800~2000ml/日飲めている。夜間の尿量に変動あり、1200~2100mlと幅は大きいが飲水量に比例している。浮遊物はあるものの、尿流出良好で尿もれなし。ご家族様が最低1日1回オムツ交換をしており清潔が保たれている。必要に応じて陰洗も行っている。
A)現在はバルーンカテーテル留置によるトラブルないが、尿量・性状をチェックして異変に早期対応できるようにしていく。ご家族様も献身的に介護されており、トラブル軽減に繋がっていると考える。
P)来週尿カテーテル交換予定。浮遊物多いため適宜ミルキング実施していく。

 

医療処置(胃ろう)を行なった利用者の記載例
S)こんにちは
O)ラコール200ml/日継続中。訪問時対応。ゲップで逆流感じることあるも嘔気・嘔吐なし。訪問時以外は、ご家族様が投与できている。しかし、今週は2日間、ご家族様の判断で100mlに減量。往診医へ報告。本人を思う気持ちから減量したことから経過観察となる。200mlは必要な量であることは再度説明。お楽しみ程度でゼリー摂食介助実施。ムセ、誤嚥症状なく嚥下可能。
A)徐々に筋力低下著明となり、経口摂取はほとんどできていない状態である。摂取状況とラコールのバランスに留意をしていく必要あり。家族の投与状況も適宜確認が必要である。
P)ラコール投与介助、経口摂取介助、家族の投与状況確認

 

転倒していた利用者の記載例
S)助けてください
O)訪問時、ベッド横で転倒している本人を確認。介助にてベッド端座位へ。意識清明、バイタルサイン著変なし(KT:36.2℃ P:74/分 BP:114/74mmHg SpO2:99%)。ベッドに座る際に尻もちをつくように転んでしまったとのことである。頭部は打っていないとのこと。痛みなく擦過傷、骨折初見なし。往診医へ報告。次回の往診は来週予定だったが、明日臨時訪問してくれるとのことである。同居の息子様は外出中であったが電話にて報告。頭部外傷の注意点を説明。もし症状認めたら緊急時対応の電話にかけてもらうことを説明(緊急時訪問看護加算算定)。
A)訪問時は転倒による影響はないと考える。頭部外傷による症状に留意していく。
P)往診の結果確認、頭部外傷による症状確認、転倒による痛みの有無確認

 

状態に変化があった(緊急を要さない)利用者の記載例
S)なんか体調悪くって
O)朝、介入へルパーよりKT37.5の微熱、倦怠感あり食事もとれていないとの連絡あり。10時~臨時訪問を行う。訪問時のバイタルサインKT:37.3℃ P:86/分 BP:112/78mmHg SpO2:88%。鼻カニューレの酸素チューブを外している。呼吸苦の訴えはないが体調の悪さを自覚。訪問直後に鼻カニューレ装着(O2 1L)して約3分でSpO2 98%まで上昇。気分がすっきりしてきたとの発言あり。痰絡み呼吸あるも自己喀出可能。やや狭窄音聴取できるも肺雑音なし。しかし、起きているのは辛いとのことで、ヘルパーに臥床状態のまま摂取できるもの(ゼリー類)を購入してもらい少しずつ摂取できることを確認。往診医へ報告。状態改善傾向から経過観察となる。体調悪化時は緊急事の連絡先に電話するよう伝えて退出。ケアマネジャーにも報告済み。
A)在宅酸素中で、酸素供給不足による状態悪化の可能性が高い。呼吸苦の自覚がないことから、鼻カニューレを外してしまう事が頻回である。再度、酸素供給の重要性を指導していく必要あり。
P)呼吸状態の確認、鼻カニューレの装着が定着できているか確認、バイタルサインに留意、ヘルパーとの情報共有

 

状態に変化があった(緊急を要する)利用者の記載例
S)・・・・
奥様より:なんか朝から調子悪そうなのよね
O)訪問時ベッド上でグッタリした様子。声掛けにも反応乏しい。奥様が厚手の毛布を本人にかけている。呼吸数25回/分の頻呼吸。顔色不良。全身発汗多く、熱感も強い。バイタルサインKT:38.4℃ P:88/分 BP:104/64mmHg SpO2:88%。右肺のair入り不良、肺雑音あり。往診医へ状況報告、救急搬送となる。夕方奥様より、肺炎で〇〇病院に入院したと連絡あり。そのため、一時サービス中止となる。一連の出来事をケアマネジャーにも報告済み。
A)元々食事時のムセが強く、誤嚥性肺炎か。退院時は退院時カンファレンスに参加して食形態の有無を確認するなど、再発をしないよう支援をしていく。
P)退院時カンファレンスに出席、食形態の検討、必要に応じて言語聴覚士の介入検討

 

介護負担があった利用者の記載例

S)変わりないですよ
娘様より:ちょっと私疲れちゃってね
O)認知症あり失禁頻回も訪問時はオムツ交換済み。清潔が保たれている。内服も飲み忘れなく飲めていて体調安定している。本人より外を歩きたいとの希望あり、歩行状態の確認を兼ねて屋外歩行実施。約15分ほど近所を歩いて帰宅。2~3時間に1回、外に出たい希望があり娘様が対応しているとのこと。娘様の疲労が伺えたため、介護負担軽減のサポートがあることを伝えた。
A)認知症による失禁、セルフケア不足あるも娘様対応により安定して在宅生活が継続できている一方、娘様の介護負担が大きい状態である。訪問看護が来るときは、看護師でオムツ対応することを伝えるも、自分で介護してあげたい気持ちが強い。娘様の気持ち次第ではあるが、今後はショートステイなど、介護から離れる時間を確保していく。
P)健康状態の観察、清潔ケア、内服管理、屋外歩行、娘様のサポート

 

疾患別
脳血管疾患の記載例
S)左半身が痛くってね
O)左半身に脳梗塞後遺症による疼痛あり。NRS左上肢4、左下肢2。歩行時など動作時に筋緊張が亢進すると左上下肢ともにNRS5となる。朝、トラマール内服するも昼頃には効果が切れるとのことで持続性は乏しい状態。内服管理は娘様が1日ごとケースにセットしており飲み忘れなし。左短下肢装具を着用して歩行、ADL自立しており、転倒なし。外傷なく皮膚状態良好。
A)歩行、ADL自立できているが痛みが一番の問題である。医師よりトラマール内服で様子をみるも、程度によっては量・種類を臨機応変に変更すると診断あり。場合によっては、訪問看護の方から痛みの経過を医師に情報共有していく。
P)痛みの程度を確認、内服状況の確認、皮膚状態の確認、医師への情報共有

 

整形外科疾患の記載例
S)まぁ良くはなってると思うよ
O)腰部脊柱管狭窄症により、両下肢全体(NRS5)と腰部(NRS2)に痺れを伴う痛みあり。昨日、腰部神経ブロック注射を行い、本日は若干痛み軽減している。また、フェントテープは聞かないとのことで、ロキソニンテープ(100)に変更。訪問時に塗布介助実施。屯用ロキソニンは毎昼2錠服薬しているが、本日は痛み軽減していることから服薬なし。痛み軽減していることから、歩行時のふらつきも少なく安定している。
A)医師より手術適応と診断されるも、本人が望んでいないことから今後も痛みコントロールが必須な状態。痛みの状態に合わせて屯用内服を自己管理できている点は良いと考える。また、痛みにより歩行時のふらつきも増減するため転倒に注意が必要である。
P)痛みの程度を確認、屯用の内服状況確認、ロキソニンテープの塗布介助、転倒の有無を確認

 

認知症の記載例
S)薬がどこにあるか分からなくって
O)訪問時、タンスの中を漁っている。薬がどこにあるか分からなくなく、探していたとのこと。誤薬が多いことから、先週より看護師管理に変更していたことを再度伝えると安心した様子。定期的に内服できてないときは排便が3日に1回だったが、今週は1日1回排便できている。腹部の膨満感もなくなり、痛みもないとのこと。また、先週より夜間の眠剤を中止したが、良眠できているとのことである(息子様情報)。失禁はなく清潔保持は保たれている。食事は朝と夕に息子様と一緒に摂取できている。
A)看護師管理により誤薬、過剰内服なく経過しているが、薬がないことによる不安が強く現れている。定期的に看護師管理をしていることを伝えて定着をするか経過観察していく。認知症の症状あるが、状態は安定して在宅生活継続できている。
P)内服管理・介助、内服を看護師で管理していることを毎回伝える、必要に応じて清潔ケア

 

精神疾患の記載例
S)不安で夜眠れませんでした
O)昨夜、3度緊急時連絡先に電話あり。家族関係が悪くグループホームに入りたいという内容。電話では明日訪問日なので、その際に相談乗ることを伝えて納得。しかし、やはり不安は解消できず、睡眠時間は1時間ほどだったとのこと。近隣に住む弟が何かと生活に踏み込んで説教をしてくるのが辛いとのことである。傾聴して対応。結果的に、この家で一人で住むのが一番好きなので自分なりに生活しますとのことで落ち着かれた。また、不安の時は内服管理が不十分で混乱してしまう様子。実際に本日朝の内服はできていない。内服カレンダーを看護師がセットすることを拒んでいたが、生活していくには人の助けも必要と理解され、本日より導入開始。
A)家族関係から不安状態が強くなるが、同時に自分の意見も表出できてきている段階と考える。色々な決定事項に時間がかかるが、後押しをすることで決断に至れることが増えている。しかし、言動や何かしらのイベントをきっかけに症状悪化することは依然として認めるため、不安などの言動・行動に注意し介入継続していく
P)不安傾聴、内服カレンダーで飲み忘れなく内服できているか確認

 

内部障害の記載例
S)副作用はないと思います
O)膀胱癌によりストーマ増設。先週より排便量が多く、昨日の受診で低ナトリウム血症の診断。食事中に2gずつ食塩処方となる。家族見守りの元、本人がグラム数計算して管理できている。排便性状は水様便。脱水症状など体調不良なし。抗がん剤に対する副作用なし。ストーマ部の皮膚トラブル、漏れなく経過している。
A)排便量が多い状況は持続しているため、脱水、電解質異常に注意が必要である。抗がん剤が来週まで内服予定のため、副作用の出現に注意が必要である。各管理はご本人様が十分にできているため、本人ができるところは任せて、訪問看護はあくまでもフォローの立ち位置で接していく。
P)排便量・性状の確認、副作用の確認、食事状況の確認、脱水兆候の確認

 

廃用症候群の記載例
S)今日も歩いたよ
O)今週は平均2000歩/日屋外歩行できている。本日も朝1000歩実施。15時頃に1000~2000歩屋外歩行する予定とのこと。食事摂取は、宅食を利用しており3食摂取できている。昨日の血液検査データで栄養状態は正常範囲内。体重は52kg。内服管理は自分でできており飲み忘れなし。
A)徐々に毎日の屋外歩行が定着してきている。廃用症候群改善の観点からいうと、4000歩/日を目指したいところだが、以前はほとんど家にこもっていたことを考えると、現状の歩数で経過観察していく。体重も増加しており、骨突出部の主張が目立たなくなってきた印象である。
P)歩行頻度の確認、歩行距離を伸ばすよう提案、食事状況の確認、体調確認

 

皮膚トラブルの記載例
S)乾燥がひどいね
O)上記訴えあるように、皮膚全体に乾燥している状態である。本日、右腋窩に発赤を確認。アズノール塗布とガーゼ保護対応とする。皮膚の乾燥については、予防的に保湿ローションを塗布することとする(息子様にも説明済み)。歩行時のふらつきあるが転倒はなし。体調は安定している。
A)体調は安定しているが、皮膚の乾燥が強くいつ傷ができてもおかしくない状態である。歩行時のふらつきがあり、転倒や物にぶつかることも考えられるため、予防的な皮膚保護を継続していくことが必要と考える。右腋窩の発赤は契機不明だが、乾燥による引っ掻き傷のようである。来週訪問時に状態評価していく。
P)皮膚の状態確認、予防的な皮膚保護(保湿ローション塗布)、転倒の有無を確認

 

難病疾患の記載例
S)体調いいですよ
O)ホーンヤールの分類3度のパーキンソン病。起立性低血圧ありミドドリン2㎎朝2錠、夕1錠にて調整中。内服管理は自分でできており飲み忘れなし。長時間の労作後、食事後、排泄後に血圧が下がる事が多いため1時間は横になるように伝えており定着している。今週は起立性低血圧の症状は見られなかったとのこと。小刻み歩行、すくみ足著明だが、転倒なく屋内歩行・ADL自立できている。
A)徐々に小刻み歩行、すくみ足といったパーキンソン病の症状が増強している。転倒なく経過しているが、独居ということもあり、今後のサービスや方向性は現時点から検討していく必要があると考える。起立性低血圧に関しては、現在の内服薬・量が適している印象。経過観察していく。
P)起立性低血圧の状態確認、パーキンソン症状の確認、内服管理・必要に応じて医師へ調整要請

 

訪問看護記録書Ⅱの「実施した看護・リハビリテーションの内容」部分の記載例

次に、訪問看護記録書Ⅱの「実施した看護・リハビリテーション」部分の記載例をご紹介します。

以下の表に、一般的な「実施した看護・リハビリテーションの内容」を記載しています。
あなたが実施した内容を選んで記載して下さい。

生活援助排泄介助リハビリ指導管理
状態観察腹部マッサージマッサージ介護指導褥瘡管理
環境整備腹部温罨法ストレッチ療養指導留置カテーテル管理
精神的援助摘便ROM訓練緊急時対応指導気管切開管理
介護者支援浣腸寝返り・起き上がり訓練褥瘡処置指導ドレーン管理
陰部洗浄坐薬挿入(排便)座位訓練排便調整指導レスピ管理
部分清拭トイレ介助立ち上がり訓練腹部マッサージ指導ストマ管理
全身清拭オムツ交換歩行訓練(室内)パウチ指導胃瘻管理
足洗 歩行訓練(室外)服薬管理指導点滴管理指導
手洗 バランス訓練水分摂取指導中心静脈栄養管理
シャワー浴 筋力増強訓練食事指導在宅酸素管理
入浴介助 呼吸訓練服薬指導経管栄養管理
寝衣交換 嚥下訓練ADL指導自己導尿管理
シーツ交換 言語訓練点滴管理指導 
シャンプー 発語訓練在宅酸素療法指導 
ドライシャンプー 高次脳機能訓練レスピレーター管理指導 
口腔ケア ADL訓練麻薬管理指導 
ひげそり IADL訓練経鼻カテーテル交換指導 
爪切 身体機能評価自主訓練指導 
耳垢除去  合併症予防指導 
体重測定  社会資源活用指導 
水分摂取介助    
服薬介助    
食事介助    

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