介護士は「給料が安い」「きつい」などネガティブな声が目立ちますが、働く場所を選べるという大きなメリットがあります。
介護士が働く主な場所としては、「病院」「介護施設」「通所介護」「訪問介護」が挙げられますが、それぞれには明確な特徴があります。
その特徴を知らないまま転職をしてしまうと、心身共に疲弊しながら働くことになってしまいます。
この記事では、
・介護士を考えているけど、私に合う転職先はどこだろう?
・それぞれの特徴を知りたい!
・どのように転職をすれば失敗しない?
このような悩みを解決してまいります!
病院・介護施設・通所介護・訪問介護の平均給料比較

介護士が転職を考えるときは、仕事内容や人間関係など様々な点を考慮するかと思います。
その中でも「給料面」は生活水準に直結するため、考慮しない人はいないでしょう。
そのため、まずは転職先の平均給料を抑えておくこととしましょう。
病院 | 介護施設 (介護老人保健施設) | 通所介護 (デイサービス) | 訪問介護 | |
平均給料 | 222,500円 | 323,770円 | 275,670円 | 286,920円 |
上記は、厚生労働省が発表している「介護従事者処遇状況等調査結果」です。
介護士の給料が最も高い場所は「介護施設(介護老人保健施設)」、逆に最も低いのは「病院」という結果でした。
介護施設は夜勤があるため、その分他よりも高給料を提示していると推察されます。
あくまでも給料だけで考えるならば、「介護施設(介護老人保健施設)」を選ぶのが良いということでしょう。
病院の仕事内容、メリット・デメリットまとめ

ただし、介護士として働く上では給料面だけで片付けられないのも事実です。
たとえ給料が良かったとしても、働き方が自分に合っていなければ長続きはできません。
そのため、働く場所の仕事内容やメリット・デメリットはしっかりと抑えておきましょう。
病院で働く介護士の仕事内容
まず、病院で働く介護士の仕事内容から紹介します。
病院で働く介護士の仕事内容は以下の通りです。
- 入院患者に対する日常生活介助
- 検査室・リハビリ室までの付き添い
- 看護業務のサポート
病院で働く介護士は「看護助手」として求人が出されている事が多く、その名の通り看護師の業務サポートが基本となります。
入院患者に対する日常生活介助はもちろん、病気の検査やリハビリテーションに付随する業務があるのも特徴です。
病院で働く介護士のメリットとデメリット
病院で働く介護士のメリットとデメリットは以下のようにまとめられます。
メリット | デメリット |
医療現場に関する知識を増やせる | 平均給料が低い傾向にある |
次のステップアップに活かせる | 看護師との関わりがストレスになる |
世間体が良い | 介護士に特化した知識・スキルを付けるのが難しい |
病院という医療緊急度が高い患者を相手にするため、必然と医療現場に関する知識を増やす事ができます。
そのため、「ゆくゆくは看護師になりたい」などといった次のステップアップを目指す人が選ぶことも多いです。
また、介護士という世間体を気にしている人でも「〇〇病院勤務」という肩書きを得ることもできます。
ただし、看護師の指示がなければ動く事ができないため、嫌な看護師がいるときは連携にストレスを感じてしまうかもしれません。
また、医療的な知識は得られる一方、患者の体に直接触る業務は主に看護師が行います。
そのため、介護に特化した技術を身につけるのは遅くなってしまう傾向にあります。
- 病院はこんな人にオススメ!
- ・給料面よりも自身のスキルアップを重視したい人
・医療現場の最前線で経験を積みたい人
・ゆくゆくは看護師を目指している人
-
【介護士の転職】病院で働くメリットとデメリット【給料・仕事内容】
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介護施設の仕事内容、メリット・デメリットまとめ

次に介護施設の仕事内容とメリット・デメリットです。
介護施設は在宅で生活ができなくなった人が入居している施設です。
介護施設で働く介護士の仕事内容
介護施設で働く介護士の仕事内容は以下の通りです。
- 入居者に対する日常生活介助
- 住むために必要な環境整備
- レクリエーション
- リハビリテーションの補助
主な仕事内容は「入居者に対する日常生活の介助」です。
そのほか、楽しみを提供するレクリエーションや、今の身体機能をできるだけ維持するためのリハビリテーションを提供します。
介護施設で働く介護士のメリットとデメリット
介護施設で働く介護士のメリットとデメリットは以下のようにまとめられます。
メリット | デメリット |
介護士の働き口の中では平均給料が高い | 体力勝負の側面がある |
医師や看護師から指示されることが少ない | 職場の人間関係に左右されやすい |
介護士に特化したスキルを学ぶ事ができる | レクリエーションの企画・実行能力が必要とされる |
介護施設の最も重視すべき特徴は、「ほかの働き方よりも給料が良い」という点でしょう。
介護施設には夜勤があるため、積極的に夜勤をすればその分手当がつきます。
また、病院とは違い医師や看護師から指示されることも少ないため、その点ではストレスフリーで働く事ができるでしょう。
ただ、病院と同じく箱の中で働いているのには変わりがないため、嫌な上司や同僚がいたらそれはそれでストレスになってしまうでしょう。
また、「夜勤をすれば給料が高い」と簡単には言っているものの、もちろん体力勝負の側面があります。
給料だけを突き詰めて自身が崩れてしまっては元も子もありません。
- 介護施設はこんな人にオススメ!
- ・体力に自信がある人
・できるだけ給料を高くしたい人
・看護師から色々言われるのが嫌な人
-
【介護士の転職】介護施設で働くメリットとデメリット【給料・仕事内容】
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通所介護の仕事内容、メリット・デメリットまとめ

次に通所介護の仕事内容とメリット・デメリットです。
通所介護は、在宅を基本としている人が日常生活の介助やリハビリ目的に通ってくる場所となります。
通所介護で働く介護士の仕事内容
通所介護で働く介護士の仕事内容は以下の通りです。
- 利用者に対する日常生活介助
- 安全に生活できるための配慮
- 送迎
- レクリエーション
- リハビリテーションの補助
通所介護の特徴は「送迎」がある事です。
専用ドライバーがいない場合は、介護士がドライバーを兼任することも少なくありません。
送迎中の転倒転落事故を起こさないよう、安全にサポートする必要があります。
通所介護で働く介護士のメリットとデメリット
通所介護で働く介護士のメリットとデメリットは以下のようにまとめられます。
メリット | デメリット |
身体介護をしないという選択もできる | 平均給料が低い傾向にある |
リハビリの知識をつけることができる | 職場の人間関係に左右されやすい |
夜勤がない | レクリエーションの企画・実行能力が必要とされる |
通所介護は、働く場所によって利用者の特徴が異なります。
寝たきりといった重症度が高い人が多い通所介護もあれば、リハビリテーション特化型のように比較的自立に近い人が多い通所介護もあります。
そのため、「オムツ交換が苦手」「移乗が苦手」といった身体介護に不安がある人は、リハビリテーション特化型のような通所介護を選べば問題は解消されます。
その分、リハビリテーションの補助といった業務が増えるため、リハビリに特化した知識を身につける事ができるのも特徴です。
ただし、レクリエーションに関してはどこの通所介護でも力を入れているため、企画・実行能力は必要とされます。
アイデアを考えるのが苦手、人前に立って司会進行するのが苦手という人はストレスに感じてしまうかもしれません。
- 通所介護はこんな人にオススメ!
- ・身体介護に自信がない人(が活躍できる場所もある)
・リハビリの補助をしたい人
・夜勤をしたくない人
-
【介護士の転職】通所介護(デイサービス)で働くメリットとデメリット【給料・仕事内容】
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訪問介護の仕事内容、メリット・デメリットまとめ

最後に訪問介護の仕事内容とメリット・デメリットです。
訪問介護は利用者が生活している家に直接伺って介護を提供します。
昨今では病院から在宅の流れが確立しており、需要は年々高まると推察されています。
訪問介護で働く介護士の仕事内容
訪問介護で働く介護士の仕事内容は以下の通りです。
- 利用者に対する日常生活介助
- 安全に生活できるための環境整備
- 他職種との連携
- 利用者宅までの移動
訪問介護の大目標は、「できるだけ長く安全に在宅生活を継続してもらう」事です。
そのため、利用者に関わる他職種との連携が、他の働き方よりも更に求められてきます。
また、利用者宅までの移動があるという点も訪問介護ならではと言えるでしょう。
訪問介護で働く介護士のメリットとデメリット
訪問介護で働く介護士のメリットとデメリットは以下のようにまとめられます。
メリット | デメリット |
介護士の働き口の中では平均給料が高い | 体力勝負の側面がある |
煩わしい人間関係から解放できる時間がある | 資格が必要とされる |
レクリエーションをする必要がない | 基本的に一人で介護をしなければならない |
訪問介護の一番のメリットは、「煩わしい人間関係から解放できる時間がある」という事でしょう。
病院でも介護施設でも通所介護でも、常に同じ箱の中で仕事をしているため、嫌な人もすぐ隣にいます。
一方、訪問介護は一人で移動をして一人で介護をするため、必然と一人の時間を作る事ができます。
人間関係に悩んでいる人は、物理的な距離を確保できる訪問介護がオススメです。
しかし、一人で介護をするということはある程度の介護知識・技術が必要とされます。
実際、訪問介護は「介護職員初任者研修」の資格がないと働くことができません。
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資格がない人は「介護職員初任者研修」を取得するか、まずは他の施設で経験を積むことをオススメします。
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- 訪問介護はこんな人にオススメ!
- ・自分の時間を確保したい人
・できるだけ高給料を目指したい人
・レクリエーションが苦手な人
-
【介護士の転職】訪問介護で働くメリットとデメリット【給料・仕事内容】
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まだどこが合っているのか悩んでいる介護士は

このように、働く場所によって介護士の仕事内容は異なります。
まったくデメリットがないという職場は皆無だと思うので、メリットとデメリット両者を天秤にかけて判断する事が望まれます。
まだどこが良いのか迷っている…という人は、介護士転職の専門サイトを利用すると良いでしょう。
介護士専門の転職サイトには、転職のプロであるコンサルタントが在中しており、私たちの希望に会う転職先を代わりに提案してくれます。
「夜勤はしたくない」
「できるだけオムツの介助はしたくない」
「認知症の対応に自信がない」
このように、若干わがままに思えるような希望でも、できる限り希望に近づけた求人を探し出してきてくれます。
また、職場の内情に強い転職サイトを利用すれば、事前に雰囲気や人間関係を教えてくれます。
「ここの職場は所長さんがすごく優しいので、離職率がかなり低いんですよ」
「正直、ここは人間関係が悪いって有名ですね…」
このように、一人では知り得ない情報をたくさん教えてもらうことができます。
そのほか、面接の日程調整や履歴書の書き方、給与交渉まで行ってくれるので利用しない手はないかと思います。
私がオススメする介護士専門の転職サイトは、「MC-介護のお仕事」と「マイナビ福祉・介護のシゴト」です。
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どちらも実際にお仕事をしたことがありますが、すごく丁寧で感じの良いコンサルタントが多い印象を持ちました。
もちろん、利用は完全無料なので、良い待遇で働きたい!と思っている介護士はとりあえず登録をして求人検索してみることをオススメします。
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