介護士の仕事内容 転職先の特徴

【介護士の転職】介護施設で働くメリットとデメリット【給料・仕事内容】

介護士は「給料が安い」「きつい」などネガティブな声が目立ちますが、働く場所を選べるという大きなメリットがあります。

今回は、介護施設(介護老人保健施設、特別養護老人ホーム)で働くメリットとデメリットを、現役の面接官である私が解説してまいります。

・介護施設って他よりも給料は高い?低い?

・介護施設の仕事内容は?

介護施設に転職を考えている介護士は、ぜひ参考にしてみてください!

介護施設で働く介護士の仕事内容

まず、介護施設で働く介護士の仕事内容からご紹介します。

介護施設で働く介護士の仕事内容は、大きく以下の4つです。

  1. 入居者に対する日常生活介助
  2. 住むために必要な環境整備
  3. レクリエーション
  4. リハビリテーションの補助

入居者に対する日常生活介助

介護施設で働く介護士の主な仕事内容は、「入居者に対する日常生活介助」です。

働く施設によって入居者の介護度は異なるかと思いますが、少なからず介護が必要な人たちの集まりです。

自分でできない日常生活の部分を介護士が介助してあげます。

着替え介助、入浴介助、歩行介助、トイレ介助、オムツ交換、食事介助など

住むために必要な環境整備

入居者は介護施設に居住しているため、「住むために必要な環境整備」をするのも介護士の役割です。

ベッドメイキング、ポータブルトイレの清掃など

レクリエーション

介護におけるレクリエーションは単なる娯楽だけではなく、QOL(生活の質)を向上させる目的で実施されます。

このレクリエーションがないと、生きるために必要な行動だけの繰り返しになってしまいます。

レクリエーションがあることで、生活に刺激や楽しさ、生きがいをもたらすことができます。

このレクリエーションを企画・実行するのも介護士の仕事内容です。

カラオケ大会、大玉ころがし、輪投げ大会など

リハビリテーションの補助

昨今は「介護予防」という言葉が浸透しているとおり、介護にならない、介護が必要な人は悪化させないという視点が重要になります。

高齢者は何もしなければ加齢とともに筋力低下、動作能力は低下していきます。

できるだけリハビリテーションの要素を取り入れ、今の状態を維持していくよう働きかけるのも介護士の仕事内容です。

施設にリハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など)が在中している場合は指示をもらえますが、いない場合は自分たちで介護予防プログラムを立てなければなりません。

歩行練習、立ち上がり練習、車椅子への移乗練習など

介護施設で働く介護士の1日のスケジュール

次に、紹介した仕事内容がどのような流れで行われるのか、介護施設で働く介護士の1日のスケジュールをお伝えします。

08:00 朝礼

朝礼で本日の仕事内容を確認します。

担当利用者の確認、入浴の順番、面会予定の確認、リハビリの有無など

また、夜勤から申し送りを受けて患者の情報共有をします。

夜間の状況、睡眠の状況、特別な変化があったかなど

08:00~09:00 朝食の配膳・介助、口腔ケアなど

朝食の配膳、介助が必要な人には食事介助をおこないます。

朝食後は片付け、自分で歯磨きができない人には口腔ケアのサポートをします。

09:00~11:00 日常生活の介助、環境整備など

午前中に必要な日常生活の介助や環境整備、検査が入っている場合は付き添いを行います。

11:00~12:00 リハビリの補助

理学療法士といったリハビリ専門職が在中している場合は、指示のもとリハビリの補助をする事があります。

また、リハビリ室が別室に設けられている場合は付き添いも行います。

12:00~13:00 昼食の配膳・介助、口腔ケアなど

朝食と同様、昼食でも配膳・食事介助・口腔ケアを行います。

13:00~14:00 休憩

1時間の休憩をとりますが、働いている介護士全員が同じ時間に休憩することはありません。

現場に出ている介護士がゼロにならないよう、交代で休憩をとっていきます。

14:00~15:00 レクリエーション

昼食をとり休憩を挟んだ後は、レクリエーションを行います。

レクリエーションの内容は介護士全員で考えることもありますが、担当制の施設では自分で考えなければなりません。

利用者全員を巻き込んだレクリエーションを行う事が多いため、人前に立って進行していくスキルも必要となるでしょう。

15:00~16:00 カンファレンス

利用者の情報共有を目的としたカンファレンスを行います。

場合によってはリハビリ専門職を交えて行うこともあります。

「Aさんの歩行能力が上がってきたので、施設内でも歩行練習をしてください」

「Bさんの移乗が大変なのですが、何かいい方法はないでしょうか」

16:00~17:00 日常生活の介助、環境整備、リハビリの補助など

午前中にできなかった日常生活の介助や環境整備を行います。

また、施設内でリハビリをする必要がある人は、リハビリの補助を行います。

17:00 申し送りをして退勤

利用者の情報を夜勤の介護士に申し送りをします。

「昼食の時にむせる事が多かったので、夕飯注意してみてください」

「一人で歩く事が増えてきたので転倒注意です」

問題なく申し送りが終わったら退勤です。

トコル
トコル

夜勤との連携、他職種とのカンファレンスがあるのも、介護施設ならではの特徴だね!

介護施設で働く介護士の平均給料

次に、介護施設で働く介護士の平均給料です。

そのほかの形態(病院・デイサービス・訪問介護)と比較をしてみましょう。

病院介護施設
(介護老人保健施設)
通所介護
(デイサービス)
訪問介護
平均給料222,500円323,770円275,670円286,920円
参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

実は、介護士が働く主要形態の中で、介護施設(介護老人保健施設)は最も高い給料を示しています。

介護施設は夜勤があることから、他の形態よりも突出していると考えられます。

実際、介護施設で夜勤に出ると、1回5,000円〜10,000円程度の手当がつきます。

介護士が介護施設で働くメリット

以上、仕事内容や平均給料を考慮した上で、介護士が介護施設で働くメリットは以下のようにまとめられます。

  1. 介護士の働き口の中では平均給料が高い
  2. 医師や看護師から指示されることが少ない
  3. 介護士に特化したスキルを学ぶ事ができる

介護士の働き口の中では平均給料が高い

「介護施設で働く介護士の平均給料」でご紹介した通り、介護施設は介護士の働き口の中では最も平均給料が高くなっています

介護施設は施設に入居する利用者を対象とするため、夜勤もしなければなりません。

夜勤は別の手当てがつくため、その点で他よりも高給料を示しています。

できるだけ高給料を目指したいという人は、介護施設を第一候補とするのが良いでしょう。

医師や看護師から指示されることが少ない

介護士の働き口としてよく比較されるのが病院勤務と介護施設ですが、病院勤務は入院している患者のケアをするため、常に医師や看護師から指示をされます。

特に看護師とは密接に連携をしなければならず、その点にストレスを感じる介護士が多い模様です。

また、「介護士よりも看護師の方が上」と思っている看護師も一定数おり、上から目線の指示や偉そうな態度に嫌気を刺してしまう人もいます。

その点、介護施設は周りにいる人の多くも介護士のため、そのような上下関係は存在しません。

介護士に特化したスキルを学ぶ事ができる

病院勤務では状態が不安定な人が多く、患者のケア部分に関しては看護師が主に行います。

そのため介護士は、ベッドメイキングや身の回りの掃除などが中心となり、患者に直接触れる介護(身体介護)に関わることは少なくなります。

一方、介護施設は介護に関することは介護士が中心となって行わなければならないため、移乗や歩行介助など介護士に特化したスキルをたくさん学ぶことができます

スキル・知識の習得が給料アップにつながるのは間違いないので、できるだけ経験が浅いうちに基礎は学んでおきたいものです。

介護士が介護施設で働くデメリット

逆に、介護士が介護施設で働くと以下のようなデメリットが付随してくることも抑えておきましょう。

  1. 体力勝負の側面がある
  2. 職場の人間関係に左右されやすい
  3. レクリエーションの企画・実行能力が必要とされる

体力勝負の側面がある

介護施設で働くときは、夜勤があることも想定されます。

夜勤には「2交代制勤務」「3交代制勤務」があり、2交代制勤務の場合は16時間通して働かなければなりません。

2交代制勤務日勤:夜勤=8時間:16時間
3交代制勤務日勤:準夜勤:夜勤=8時間:8時間:8時間

みてわかる通り、体力側面の一面があることは否定できません。

ただし、途中は仮眠を取ることもできるため「思ったよりは大変じゃない」という人も多くいます。

【介護士で働く!】1日の仕事内容をスケジュールに沿って具体的に紹介

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「夜勤はしたくないけど介護施設で働きたい」という人は、内情に詳しい転職サイトから紹介してもらうのが得策でしょう。

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職場の人間関係に左右されやすい

先ほどメリットの部分で「医師や看護師から指示される事が少ない」と書きましたが、介護士同士の人間関係も悩みの一つになり得ます。

この点に関してはどの職場にも言える事だと思いますが、横柄な上司や性格が悪い同僚がいたら楽しく働けません。

特に介護施設は同じ箱の中で常に一緒にいるため、煩わしい人間関係は常につきまといます。

このような人間関係が嫌だという人は、「訪問介護」の転職も視野に入れると良いでしょう。

訪問介護は利用者の家に直接伺って介護をするため、ほとんど一人行動です。

必然と一人でいる時間が多くなり、嫌なあの人とも物理的な距離を開ける事ができます。

レクリエーションの企画・実行能力が必要とされる

介護施設では、いわゆる介護のスキル・知識以外にも、レクリエーションの企画・実行能力が必要とされます。

企画では利用者が楽しめるアイデアを出さなければならず、本番ではみんなの前に立って司会進行をしていかなければなりません。

得意な人には得意な部分だと思いますが、苦手な人はとことん苦手に感じる仕事内容かと思います。

「レクリエーションはやりたくありません…」という要望は通じないと考えたほうがいいので、苦手な人は「病院」「訪問介護」への転職を視野に入れると良いでしょう。

ちなみに、通所介護(デイサービス)も同じようなレクリエーションがあるので注意が必要です。

失敗しない!介護士が介護施設へ転職するときに気をつけるポイント

このように、介護士が介護施設で働くのにはメリットもデメリットもあります。

まったくデメリットがないという職場は皆無だと思うので、両者を天秤にかけて判断する事が望まれます。

介護士が転職の時に失敗しないポイントは、介護士転職の専門サイトを利用する事です。

介護士専門の転職サイトには、転職のプロであるコンサルタントが在中しており、私たちの希望に会う転職先を代わりに探してくれます。

「夜勤はしたくない」

「できるだけオムツの介助はしたくない」

「認知症の対応に自信がない」

このように、若干わがままに思えるような希望でも、できる限り希望に近づけた求人を提示してくれます。

また、職場の内情に強い転職サイトを利用すれば、事前に雰囲気や人間関係を教えてくれます。

「ここの職場は所長さんがすごく優しいので、離職率がかなり低いんですよ」

「正直、ここは人間関係が悪いって有名ですね…」

このように、一人では知り得ない情報をたくさん教えてもらうことができます。

そのほか、面接の日程調整や履歴書の書き方、給与交渉まで行ってくれるので利用しない手はないかと思います。

私がオススメする介護士専門の転職サイトは、「MC-介護のお仕事」と「マイナビ福祉・介護のシゴト」です。

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どちらも実際にお仕事をしたことがありますが、すごく丁寧で感じの良いコンサルタントが多い印象を持ちました。

もちろん、利用は完全無料なので、良い待遇で働きたい!と思っている介護士はとりあえず登録をして求人検索してみることをオススメします。

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介護士が介護施設で働くメリットとデメリットのまとめ

メリットデメリット
介護士の働き口の中では平均給料が高い体力勝負の側面がある
医師や看護師から指示されることが少ない職場の人間関係に左右されやすい
介護士に特化したスキルを学ぶ事ができるレクリエーションの企画・実行能力が必要とされる

介護施設で働くのには、給料が高いなどのメリットがある一方、確かなデメリットも存在します。

「自分にどの職場が合うのかまだ分からない」という人は、ぜひ介護士専門の転職サイトを利用してアドバイスをもらってみるのが良いと思います。

あなたにピッタリな職場にきっと出会えるはずです。応援しています!

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訪問看護ステーションでとあるコメディカル(理学療法士)兼人事をしています。併設の訪問介護ステーションでの面接もしており、数多くの方々をサポートしてきた経験から、介護士の転職ノウハウをお伝えしてまいります!

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