転職ノウハウ インタビュー

【介護士の転職理由】みんな、なんで介護士になったの?インタビューまとめ

私は訪問介護ステーションで面接官を務めていますが、特に昨今は異業種・未経験の方々の転職が目立つようになりました。

介護士は「給料が低い」「きつい仕事」という声が多い中、なぜみなさんは介護士への転職を決意したのでしょうか。

・私も介護士への転職を考えている

・こんな理由だけど介護士をやっていけるかな?

このように考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ちなみに、今回ご紹介する転職理由は、すべて私が面接をしたスタッフのインタビューをもとに作成しております。

なんで介護士になったの?転職理由まとめ

それでは早速、介護士になった理由をご紹介します。

大前提として、転職理由は人それぞれ異なるかと思いますが、今回は特に多かった意見、または面接官からみて面白いなと思った理由を抜粋しております。

介護士の転職理由
・知識、スキル、資格なしでも働けるから
・親に勧められた
・親の介護に携わるようになった
・前職の会社が倒産をした
・フリーランスとして生計を立てるのが難しくなった
・夢を叶えることができなかった

知識、スキル、資格なしでも働けるから

過去、私は50人近くの介護士を面接していますが、一番多い理由が「知識、スキル、資格なしでも働けるから」です。

超高齢化社会を迎える日本において介護士の需要は年々増加しています。

常に人材不足に直面している業界のため、今まで介護士の経験がない人でも採用される可能性は非常に高いです。

そのため、若干悪い言い方をすると「どんな職業でもいいからとりあえず仕事に就きたい」と思っている人が多いのも事実です。

また、介護士は資格なしでも働くことも選ばれる理由の一つでしょう。

あまり前向きな転職理由ではありませんが、個人的にはこのような理由で転職するのも全然アリだと考えています。

なぜなら、働いてみたら介護士の楽しさが分かった!という人を何人も見てきたからです。

訪問介護ステーションで働くAさんは、専門学校を中退して介護士になりました。

専門学校では主に外国語を学んでいたため、介護士に関する知識やスキルはゼロです。

Aさんは専門学校中退後、なんとか仕事に就かないとと思い、だれでも働けそうという理由で介護士に転職をしました。

特別介護士になりたいわけではなかったため、転職直後は真剣に仕事に打ち込むことができず、惰性でこなしていたとのことでした。

そんな中、一人の利用者さんがAさんの気持ちを変えました。

その利用者さんは90歳で一人暮らしをしており、入浴介助と買い物代行目的で訪問介護を利用していました。

Aさんはその利用者さんを担当していたのですが、ある日、Aさんから手紙をもらいました。

その手紙には、「Aさんが来てくれるのが本当に嬉しいです。元気になります。いつもありがとう」と書かれていました。

手が震えているため、決して綺麗な文字ではないのですが、その手紙を見てAさんは号泣してしまったそうです。

「今までこんなに人から感謝されたことはなかった」

この経験から介護士の楽しさに気づき、今では部門のリーダーとして活躍をしています。

このように、介護士はネガティブな印象が先行しますが、働いてみないと分からない楽しさがあります。

「最初は不純な動機でも良い」ということは覚えておいて欲しいと思います。

親に勧められた

介護士はネガティブな声が多い一方、印象がよくクリーンなイメージがあるため、特に親世代からは勧められることが多い傾向にあります。

また、中には「自分に介護が必要になった時に助けてもらえる」と思っている親も一定数見かけます。

美容師をしていたBさんは、シャンプーによる手荒れのひどさから泣く泣く美容師を辞めることとなりました。

そして、20代後半で介護士に転職をしました。

今まで美容師しかしてこなかったため、どのような業界に転職をしようと悩んでいたところ、母親に介護士を勧められたそうです。

今まで美容師という華やかな世界にいたため、介護士に転職した直後は「こんなかっこ悪い仕事…」と思っていたそうです。

ただし、働いていくうちに「美容師でも介護士でも人からありがとうと言われるのに違いはない」と考えが変わり、美容師時代に感じていた楽しさを介護士でも感じるようになりました。

美容師時代に身につけたコミュニケーション力、マッサージの技術を駆使して今でも活躍しています。

参考:【インタビュー】美容師から介護士に転職した20代男性【体験談】

【インタビュー】美容師から介護士に転職した20代男性【体験談】

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親の介護に携わるようになった

身内に介護が必要な人がいるとき、もっと知識・技術を高めたいとの思いで介護士に転職してくる人もいます。

建設業で働いていたCさんが30歳後半の時、同居している母親が脳梗塞になってしまいました。

父親はおらず兄弟もいないため、必然とCさんが介護をすることになったのですが、最初は分からないことだらけだったとのことです。

例えば着替えのとき、脳梗塞で片麻痺を患ったため、麻痺をしている側の腕をシャツに通すだけで一苦労です。

ベッドから車椅子に移乗させるとき、何度も腰を痛めたことがあります。

自分の技術不足によって母親が辛そうな顔をしているのをみたときは、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになったそうです。

「母親一人でここまで育ててくれたのに、自分は全然親孝行できていない…」

この思いから、Cさんは未経験で介護職への転職を決意しました。

介護士になってからは技術・知識を身につけられたのはもちろん、介護が必要な利用者さんをたくさんみたことにより、介護に対する気持ちが楽になっていったとのことです。

今でも訪問介護・デイサービス・ショートステイを利用しながら、お母様との同居を続けられています。

参考:【インタビュー】建設業(道路工事)から介護士に転職した30代男性

【インタビュー】建設業(道路工事)から介護士に転職した30代男性

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前職の会社が倒産をした

日本では毎年6,000件近くの会社が倒産をしています。

決して景気がいいとはいえない日本において、働いている会社の倒産リスクは常に付きまといます。

Dさんが40代前半の時、20年以上働いていた会社が倒産してしまいました。

新型コロナウイルスによる売り上げ低迷が一番の理由だそうです。

2人の子供と住宅ローンを抱えるDさんにとって、できるだけ早く再就職を決めたいところでした。

ただ、40代という年齢、同業はどこも経営が厳しい現状から、今までと同じような職種に転職するのは難しく、異業種まで視野を広げたところ介護士に出会いました。

今までは電子部品を扱う営業をしていたため、介護に関わる知識はゼロ、まさに未経験からの転職となりました。

介護士に転職するデメリットの一番は「給料面」と考えていたそうで、実際前職と比較をすると5万円ほど月給は低くなってしまいました

ただ、周りから脅されていたほど低くなったわけではなく、40代未経験で28万円もらえたのはむしろありがたいと思ったそうです。

さらに人事評価制度を整えている会社に転職をすれば、前職と同じくらいの給料まで昇給するのも可能だと考えます。

確かに介護士業界は低賃金というデメリットがありますが、どの年代でも未経験でチャレンジできるというメリットがあります。

今の会社が倒産したとき、今の会社に不安を持っている人は、思い切って介護士になるのも悪いものではありません。

参考:【インタビュー】サラリーマン(営業職)から介護士に転職した40代男性

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フリーランスとして生計を立てるのが難しくなった

「会社が倒産した」に似ていますが、自営業やフリーランスとして活躍していた人が介護士に転職するケースもあります。

Eさん(女性)は長年フリーランスのエステティシャンとして活躍していましたが、売上が低迷して生計を立てるのが難しくなってしまいました。

エステティシャンとして人と関わってきた経験、人の肌に触れてきた経験から、介護士を転職先に決めたそうです。

この時の年齢は50代前半。この年齢でもスムーズに転職は決まったそうです。

もちろん、前職の経験は強く、人肌に触れるときの注意点など介護士に活かせる知識やスキルはたくさんありました。

ただし、多くの挫折もあったそうです。

例えばコミュニケーション。前職はエステを求めているお客さんを対象にしていたため、Eさんの指示はスムーズに入ります。

しかし、介護の現場では介護を求めていない人も多く、また高齢者や認知症を患っている人だとこちらの言うことを聞いてくれないことがあります。

介護には介護のコミュニケーションが必要で、そこのギャップを埋めるまでは大変な思いをしたとのことでした。

Eさんは先輩介護士にたくさん同行をすることで徐々にコミュニケーション方法を習得し、今では自信を持って介護士を続けられています。

また、50代という年齢になると、自分の介護が心配になってきます。

その点でも介護士に携わり、どういう介護サービスがあるのか、自分ならこういう介護を受けたいという知識をつけられているのも、将来の安心材料になっているとのことでした。

参考:【インタビュー】エステティシャンから介護士に転職した50代女性

【インタビュー】エステティシャンから介護士に転職した50代女性

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夢を叶えることができなかった

ミュージシャン、漫画家、お笑い芸人、俳優…。

特に東京で働いていると、様々な夢に向かって突き進んでいた人が介護士に転職をしてきます。

Fさんは高校を卒業後、ミュージシャンを目指して上京しました。

インディーズデビューができるところまでは進めたのですが、月に5万円ほどしか収入を得られず、30代前半の時にミュージシャンの道は諦めることにしました。

やはりFさんも未経験で就職できる点、需要が高く採用されやすい点から介護士を選んだとのことです。

もちろん、介護に関する知識やスキルはありません。

しかし、ミュージシャンをしていたという過去の経験はかなり惹かれるものがあり、実際に高齢者からの食いつきは良好です。

人とは違うことをしてきたという経験は、利用者との距離をグッと近づけることができます。

介護は人と人との関わりです。

あなたに介護の知識やスキルはなかったとしても、あなたという人間に魅力を持ってくれるのが介護業界なのです。

参考:【インタビュー】ミュージシャンから介護士に転職した30代男性

【インタビュー】ミュージシャンから介護士に転職した30代男性

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みんな、どのように介護士に転職をしたの?

このように、介護士になる理由は十人十色ですが、転職方法はある程度絞られてきます。

介護士の転職方法
・介護士専門の転職サイトを利用する
・自分で転職先を探す
・知り合いの職場で働く

今回ご紹介した6名のうち、5名が介護士専門の転職サイトを利用して成功を掴み取っています。

現役面接官の私からみても、最もオススメする転職方法は転職サイトを利用することだと思っています。

転職サイトを利用すれば、自分が希望する条件を満たす転職先をコンサルタントが代わりに探し出してくれます。

私たちはその中から比較をすれば良いだけなので、かなり手間を省くことができます。

また、職場の内情に強い転職サイトを利用すれば、一人では知り得ない情報をたくさん教えてもらえます

「この職場は教育体制が整っているので、未経験の人でも安心して働くことができますよ」

「この職場は50代の方もたくさん活躍されているので、話が合うかもしれませんね」

このように、事前に内情を知ることができるので、転職の失敗をグッと減らすことができるのも特徴です。

また、未経験の人には嬉しい「介護士に特化した履歴書・職務経歴書の書き方」「面接の日程調整」「給与交渉」なども行ってくれます。

私がオススメする介護士専門の転職サイトは、「MC-介護のお仕事」と「マイナビ福祉・介護のシゴト」です。

MC-介護のお仕事:業界トップクラスの求人数。コンサルタントは直接現場に足を運んでおり、生の声を教えてくれる。非公開求人も多いことで有名。

マイナビ福祉・介護のシゴト:未経験者に嬉しい!採用担当者からのアドバイスつき「履歴書の書き方完全ガイド」をプレゼント中。登録をしておくだけでスカウトをもらえる可能性あり。

どちらも実際にお仕事をしたことがありますが、すごく丁寧で感じの良いコンサルタントが多い印象を持ちました。

もちろん、利用は完全無料なので、少しでも介護士を考えている人は登録をして求人検索してみることをオススメします。

みんな、なんで介護士になったの?インタビューまとめ

介護士の転職理由
・知識、スキル、資格なしでも働けるから
・親に勧められた
・親の介護に携わるようになった
・前職の会社が倒産をした
・フリーランスとして生計を立てるのが難しくなった
・夢を叶えることができなかった

人生、生きていれば色々なことが起こります。

そんな時、未経験でも、過去の職歴関係なく受け入れてくれるのが介護業界です。

介護士は人から直接感謝される、自分の介護に対する知識を付けられるといったメリットがたくさんあります。

介護士専門の転職サイトを利用して給与交渉をしてもらえば、ある程度納得のできる給料を提示してもらえる可能性も十分にあります。

ぜひ、新たな世界を楽しんでもらえたらと思います!

高待遇求人多数・未経験歓迎の転職サイト!

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訪問看護ステーションでとあるコメディカル(理学療法士)兼人事をしています。併設の訪問介護ステーションでの面接もしており、数多くの方々をサポートしてきた経験から、介護士の転職ノウハウをお伝えしてまいります!

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