私は訪問介護ステーションで面接官をしていますが、昨今は大変多くの方が介護士に転職されています。
特に異業種や未経験から、初めて介護士に転職をしてくる人も多い傾向にあります。
その中で、「介護士になって良かった!」という人もいれば、「私には向いてなかったみたいです…」と、介護士をすぐに辞めていく人も事実としています。
介護士を続けられる・続けられないには多くの要因が絡んでいると思いますが、その中でも「介護士に向いている人と向いていない人」のように、性格の部分は非常に重要な要因となります。
この記事では、介護士に向いている人と向いていない人の特徴をまとめています。
「介護士への転職を考えているけど、自分に合っているのだろうか?」
「どのような人が介護士に向いているの?」
「向いていない人は介護士になったらダメなの?」
このように思っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
介護士に向いている人の特徴

それでは、まずは介護士に向いている人の特徴をお伝えします。
現役面接官の私が思う、介護士に向いている人は以下の特徴を持つ人たちです。
- 高齢者と話すのが苦にならない
- 困っている人を助けるのが好き
- 人から感謝をされるとやる気が出る
- 介護技術を身に付けたいという強い思いがある
- 体力がある
ちなみに、すべての特徴を持っていないといけないという訳ではありません。
この中で一つだけでも当てはまる人は、ぜひ介護士にチャレンジして欲しいと思っております。
高齢者と話すのが苦にならない
まずはじめの特徴は、「高齢者と話すのが苦にならない」です。
介護士の仕事といえば着替えの介助や食事の介助など、いわゆる技術面に焦点が当たりがちですが、すべての基礎にあるのは「コミュニケーション」です。
ただし、ここでのポイントは「苦にならない」という点です。
決して高齢者と話すのが「好き」である必要はありません。
別に好きでもないけど嫌いでもないな〜程度の感覚で全然OKだと個人的には思っています。
また、高齢者と話すと聞くと、会話が途切れないよう話題を振らないといけないと思っている人もいますが、それほど重要ではありません。
それよりも笑顔で、適度な相槌ちで、敬語を使って話せれば問題ありません。
話題を振るのが苦手な人は、聞き役に徹するだけでも構いません。
この一連のコミュニケーションが苦にならない人は、介護士に向いているといえるでしょう。
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困っている人を助けるのが好き
介護士が相手をするのは、日常生活で何かしら介護が必要な人たちです。
つまり、一人では日常生活が送れずに困っている人たちです。
そのような人の助けになりたいという気持ちが強い人は、ぜひ介護士にチャレンジしてください。
あなたのような人を介護業界は求めています。
自分が困っている人を助けるのが好きなのかどうか分からないという人は、過去の経験を思い返してみましょう。
「重いものを持っている高齢者の手助けをしたことがある」
「道を聞かれた時、丁寧に教えてあげたことがある」
「ボランティアに参加した経験がある」
このように、少しでも自分から手助けしたことがある経験を持つ人は、元の性格として人を助けたいという思いがあります。
きっと、自己肯定感を高めながら仕事をすることができるでしょう。
人から感謝をされるとやる気が出る
介護士になって良かったことは?という質問に対し、多くの人が「直接ありがとうと言ってもらえる」と回答します。
間接的に感謝をされることはあっても、なかなか直接言ってもらえる職業は多くありません。
介護士は介護をした分、直接ありがとうと言ってもらえます。
このありがとうという言葉は本当に力を持っており、毎回一生懸命介護をして良かった…とやり気に満ち溢れます。
今の仕事にやりがいを見いだせていない人、何のために仕事をしているか分からない人は、直接言われるありがとうの魅力に気づくことになるでしょう。
介護技術を身に付けたいという強い思いがある
もしかしたら、介護に携わったことがない人は「介護なんてただの手助けでしょ?」と思っているかもしれません。
この点はまったく異なり、介護は技術と知識の塊です。
食事介助一つにしても、移乗動作一つにしても、奥深い技術と知識が必要とされます。
特に超高齢化社会を迎える日本において、介護に関する技術と知識は重宝され続けることでしょう。
この介護技術を身に付けたいという思いを強く持っている人は、介護士に向いていると言えます。
例えば身内に介護が必要な人がいるなど、介護技術を身につける目的が明確にある人は強いです。
実際、母親のために介護技術を身に付けたいという思いで転職をした方を知っていますが、積極的に資格を取得したり、充実した日々を送っています。
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体力がある
介護に対する情熱もない、別にやりたいという強い気持ちもないという人も多いかと思います。
その点、介護士は「体力がある」だけでも十分向いているといえます。
なぜなら、入浴介助や移乗介助など、介護士は体力勝負の側面も少なからずあるからです。
体格がいい利用者を移乗させるのは、誰もができることではありません。
中には体格の大きさから介護を断られるというケースもあるようです。
その中、あなたの体力を活かして介護にあたれば、利用者の喜びは一段と大きくなることでしょう。
介護業界において体力があるというのは立派な武器です。
ぜひ、あなたの武器を介護業界で活かしてくれると嬉しいです。
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介護士に向いていない人の特徴

次に介護士に向いていない人の特徴です。
以下の特徴を持つ人は、介護士に向いていないかもしれません。
- 高齢者とコミュニケーションを取るのが苦手
- 人の肌に触れるのが苦手
- 排泄物を取り扱うのに抵抗がある
- 自分の思った通りにならないとストレスを感じる
- 自分のペースで仕事をしたい
一つ注意して欲しいことは、この特徴を持つ人でも介護士として働いている人はたくさんいます。
決してこの特徴を持っているから介護士として働けないという訳ではありません。
ただし、紹介する特徴に当てはまる人は、働き方や働く場所を考慮した方が良いかもしれません。
その解決策もあわせて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
高齢者とコミュニケーションを取るのが苦手
介護士に向いている人で「高齢者と話すのが苦にならない」を挙げた通り、その逆で高齢者とのコミュニケーションが苦手な人は介護士に向いていないかもしれません。
ただし、前述の通り、介護士においてのコミュニケーションは必ずしも話し続ける必要はありません。
あまりコミュニケーションをとりたくない高齢者も事実としています。
笑顔で、適度な相槌ちを打って、敬語で話すことができれば問題ありません。
それすらも苦痛に感じてしまうという人は、要介護度が高い施設を選ぶと良いかもしれません。
要介護度が高い施設はほとんど寝たきりの人が多いため、必要最低限のコミュニケーションで対応できます。
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また、「高齢者=認知症」と思っている人も一定数いるかもしれませんが、高齢者の中にもしっかりと会話ができる人はたくさんいます。
普段、目上の人としている会話で十分成り立ちます。
高齢者だからといって変に気負う必要はまったくないということは抑えておきましょう。
認知症の対応に自信がないという人は、「認知症の利用者が少ない仕事先」を選ぶと良いかもしれません。
例えば、リハビリテーション特化型のデイサービスなどです。
このような施設はリハビリ目的で通ってくる人が多いため、認知面は比較的保たれているという特徴があります。
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人の肌に触れるのが苦手
介護は直接相手の肌に触れる機会が多々あります。
そのため、人の肌に触れることが苦手という人は、介護士の仕事が苦痛になってしまう可能性があります。
ただし、この点もできるだけ避けて仕事をすることは可能です。
比較的要介護度が低い利用者が集まるデイサービスなどは、日常生活の大部分は自立しているため肌に触れる介護の機会は少なくなります。
それよりもレクリエーションやリハビリといった業務がメインとなります。
排泄物を取り扱うのに抵抗がある
介護士においてトイレ介助やオムツ交換は主たる業務です。
もちろん、排泄物を取り扱うのにまったく抵抗がないという人は少ないかもしれませんが、強い抵抗がある人は向いていないかもしれません。
ただし、経験がない人はひどく辛い仕事内容のように感じるかもしれませんが、実際に仕事をすると意外と慣れてくるのも事実です。
それでもやはり抵抗があるという人は、トイレ動作が自立している利用者が多い施設を選ぶと良いでしょう。
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自分の思った通りにならないとストレスを感じる
介護士に限ったことではないと思いますが、「自分の思った通りにならないとストレスを感じる」人は向いていないかもしれません。
私たちが相手をするのは、多かれ少なかれ体が思うように動かない人たちです。
また、精神的に不安定な人を相手にすることもあります。
そのような人が私たちの指示通りに従ってくれることは少ないです。
そのたびにストレスを感じていたら、自分の身が持たなくなってしまいます。
まずは、「相手ができないことは当たり前、だからこそ私たちが必要とされている」と寛大な心を持つところから始めると良いでしょう。
自分のペースで仕事をしたい
介護士はどちらかというと、自分のペースよりも相手のペースに寄り添うことが重要になります。
高齢者は一つひとつの動作が遅いのが特徴ですが、そのペースをストレスに感じてしまうのは向いていないかもしれません。
また、利用者だけではなく一緒に働く人たちともペースを合わさなければなりません。
介護士だけではなく、医師や看護師、リハビリスタッフと協同する機会もたくさんあります。
自分だけ別の方向を向いて仕事をするのは望ましいものではなく、ともに働くスタッフみんなが足並みをそろえて仕事をする必要があります。
介護士の転職で失敗しないポイント

介護士に向いている人の特徴に一つでも当てはまる人は、ぜひ介護士への転職を積極的に考えてみてください。きっと仕事に対してやりがいを持てると思います。
介護士に向いていない人の特徴に当てはまる人は、介護士転職の専門サイトを利用すると良いでしょう。
介護士専門の転職サイトには、転職のプロであるコンサルタントが在中しており、私たちの希望に会う転職先を代わりに提案してくれます。
「夜勤はしたくない」
「できるだけオムツの介助はしたくない」
「認知症の対応に自信がない」
このように、若干わがままに思えるような希望でも、できる限り希望に近づけた求人を探し出してきてくれます。
また、職場の内情に強い転職サイトを利用すれば、事前に雰囲気や人間関係を教えてくれます。
「ここの職場は所長さんがすごく優しいので、離職率がかなり低いんですよ」
「正直、ここは人間関係が悪いって有名ですね…」
「ここの職場は教育制度が手厚いので、未経験の人も多く活躍していますよ」
このように、一人では知り得ない情報をたくさん教えてもらうことができます。
そのほか、面接の日程調整や履歴書の書き方、給与交渉まで行ってくれるので利用しない手はないかと思います。
私がオススメする介護士専門の転職サイトは、「MC-介護のお仕事」と「マイナビ福祉・介護のシゴト」です。
MC-介護のお仕事:業界トップクラスの求人数。コンサルタントは直接現場に足を運んでおり、生の声を教えてくれる。非公開求人も多いことで有名。
マイナビ福祉・介護のシゴト:未経験者に嬉しい!採用担当者からのアドバイスつき「履歴書の書き方完全ガイド」をプレゼント中。登録をしておくだけでスカウトをもらえる可能性あり。
どちらも実際にお仕事をしたことがありますが、すごく丁寧で感じの良いコンサルタントが多い印象を持ちました。
もちろん、利用は完全無料なので、良い待遇で働きたい!と思っている介護士はとりあえず登録をして求人検索してみることをオススメします。
高待遇求人多数・未経験歓迎の転職サイト!
介護士に向いている人と向いていない人の特徴まとめ

向いている人の特徴 | 向いていない人の特徴 |
高齢者と話すのが苦にならない | 高齢者とコミュニケーションを取るのが苦手 |
困っている人を助けるのが好き | 人の肌に触れるのが苦手 |
人から感謝をされるとやる気が出る | 排泄物を取り扱うのに抵抗がある |
介護技術を身に付けたいという強い思いがある | 自分の思った通りにならないとストレスを感じる |
体力がある | 自分のペースで仕事をしたい |
介護士に向いている特徴に一つでも当てはまる人は、ぜひ自信を持って介護士業界に飛び込んでみてください!
また、向いていない特徴に当てはまる人でも、絶対に介護士ができないというわけではありません。
その特徴をできるだけ打ち消すような働き方は可能です。
その点、介護士専門の転職サイトのコンサルタントに相談することが一番の得策といえるでしょう。
介護士は思ってる以上に楽しいですよ!心より応援しております。
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