介護士の仕事内容 転職先の特徴

【介護士の転職】病院で働くメリットとデメリット【給料・仕事内容】

介護士は「給料が安い」「きつい」などネガティブな声が目立ちますが、働く場所を選べるという大きなメリットがあります。

今回は、病院で働くメリットとデメリットを、現役の面接官である私が解説してまいります。

・病院って他よりも給料は高い?低い?

・病院の仕事内容は?

病院に転職を考えている介護士は、ぜひ参考にしてみてください!

病院で働く介護士の仕事内容

一つ注意点として、病院における介護士は一般的に「看護助手」や「介護補助者」と呼ばれます。

この記事では分かりやすいよう「介護士」に統一して表記していることをご了承ください。

それでは、病院で働く介護士の仕事内容からご紹介します。

病院で働く介護士の仕事内容は、大きく以下の3つです。

  1. 入院患者に対する日常生活介助
  2. 検査室・リハビリ室までの付き添い
  3. 看護業務のサポート

入院患者に対する日常生活介助

病院で働く介護士の主な仕事内容は、「入院患者に対する日常生活介助」です。

ただし、病院は状態が不安定な人たちの集まりです。

介助方法一つで状態が悪化してしまうことも少なくありません。

基本的には看護師・医師に指示された内容を忠実にこなしていく事が求められます。

着替え介助、入浴介助、歩行介助、トイレ介助、オムツ交換、食事介助など

検査室・リハビリ室までの付き添い

入院患者の主な目的は、病気の検査・治癒とリハビリテーションです。

定期的にMRIやCT、レントゲンといった検査が必要になるため、その検査室まで安全に移動できるよう付き添うのも介護士の大きな役割です。

また、リハビリを受けている患者の場合はリハビリ室まで付き添う必要も出てきます。

看護業務のサポート

基本的に病院で働く介護士は、看護師の業務サポートに徹します。

看護業務をスムーズにできるよう、医療ケアに付随するサポートも行う事があります。

医療機器の準備・片付けなど

病院で働く介護士の1日のスケジュール

次に、紹介した仕事内容がどのような流れで行われるのか、病院で働く介護士の1日のスケジュールをお伝えします。

08:00 朝礼

朝礼で本日の仕事内容を確認します。

担当患者の確認、入浴の順番、リハビリの有無、検査の有無、入退院の予定など

また、夜勤から申し送りを受けて患者の情報共有をします。

夜間の状況、睡眠の状況、特別な変化があったかなど

08:00~09:00 朝食の配膳・介助、口腔ケアなど

朝食の配膳、介助が必要な人には食事介助をおこないます。

朝食後は片付け、自分で歯磨きができない人には口腔ケアのサポートをします。

09:00~12:00 日常生活の介助、環境整備、検査の付き添いなど

午前中に必要な日常生活の介助や環境整備、検査が入っている場合は付き添いを行います。

日常生活の介助:入浴の介助、着替えの介助など

環境整備:ベッドメイキング、ベッド周りの掃除など

検査付き添い:レントゲンやMRIなど予定が入っている検査室まで付き添い、歩けない患者はベッドから車椅子への移乗介助

12:00~13:00 昼食の配膳・介助、口腔ケアなど

朝食と同様、昼食でも配膳・食事介助・口腔ケアを行います。

13:00~14:00 休憩

1時間の休憩をとりますが、働いている介護士全員が同じ時間に休憩することはありません。

現場に出ている介護士がゼロにならないよう、交代で休憩をとっていきます。

14:00~15:00 カンファレンス

働いている病院にもよりますが、患者の情報共有を目的としたカンファレンスが開催されることが多いです。

看護師はもちろん、医師やリハビリスタッフが参加することもあるでしょう。

「Aさんの身体能力が上がってきて自分でできることが増えてきたので、転倒に注意をしましょう」

「Bさんが食事の時にむせる事が多いので、とろみをつけたほうが良いのはないでしょうか」

15:00~17:00 日常生活の介助、環境整備、リハビリへの付き添いなど

午前中に入れなかった患者の入浴介助や残っている掃除、リハビリがある患者は付き添いなどを行います。

17:00 申し送りをして退勤

患者の情報を夜勤の介護士に申し送りをします。

「昼食の時にむせる事が多かったので、夕飯注意してみてください」

「一人で歩く事が増えてきたので転倒注意です」

問題なく申し送りが終わったら退勤です。

トコル
トコル

夜勤との連携、他職種とのカンファレンスがあるのも、病院ならではの特徴だね!

病院で働く介護士の平均給料

次に、病院で働く介護士の平均給料です。

そのほかの形態(介護施設・通所介護・訪問介護)と比較をしてみましょう。

病院介護施設
(介護老人保健施設)
通所介護
(デイサービス)
訪問介護
平均給料222,500円323,770円275,670円286,920円
参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

実は、介護士が働く主要形態の中で、病院は最も低い給料を示しています。

あくまでも看護業務をサポートするという位置付け上、高給料を提示するのは難しいという現状があるようです。

介護士が病院で働くメリット

以上、仕事内容や平均給料を考慮した上で、介護士が病院で働くメリットは以下のようにまとめられます。

  1. 医療現場に関する知識を増やせる
  2. 次のステップアップに活かせる
  3. 世間体が良い

医療現場に関する知識を増やせる

介護施設や通所介護では、「目の前で起こっている現象に対する介護」にしか視点が向きません。

一方、病院で働く介護士は常に看護師や医師、リハビリ専門職と仕事をともにするため、医療現場に関する知識を増やす事ができます

「なぜこの患者は病気になってしまったのか」

「どういうリスク管理が必要なのか」

「また病気にならないためにはどのようなアドバイスが必要なのか」

このように、「介護になってしまった原因=過去」と「病気にならないために必要なこと=未来」といった、目の前以外の医療・介護知識を得る事ができます。

このような経験は介護施設や通所介護では得ることができず、病院ならではのメリットと言えるでしょう。

次のステップアップに活かせる

病院ではいわゆる介護士に必要な知識・技術以上のことを学べるため、次のステップアップを考えている人が多い印象です。

「ゆくゆくは看護師になりたい」「資格をとってスキルアップしたい」などを考えている人は、病院で経験を積むのはかなりの近道と言えるでしょう。

世間体が良い

特に超高齢化社会を迎える日本において介護士はなくてはならない職業ですが、「世間体は良くない」と思われることもあるようです。

その点、「〇〇病院で働いています」というのは世間体を気にする人にとっては武器となるでしょう。

私の友人でも、大病院で働いているという信用から住宅ローンに通った経験を持つ人もいます。

介護士が病院で働くデメリット

逆に、介護士が病院で働くと以下のようなデメリットが付随してくることも抑えておきましょう。

  1. 平均給料が低い傾向にある
  2. 看護師との関わりがストレスになる
  3. 介護士に特化した知識・スキルを付けるのが難しい

平均給料が低い傾向にある

前述した通り、病院の平均給料は低い傾向にあります。

やはり病院における介護士は「サポート」の側面が強いため、大きな給料アップは難しいかもしれません。

介護士でもしっかりと稼ぎたいという人は、介護施設で夜勤を取り組んでいくほうが確実といえるでしょう。

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看護師との関わりがストレスになる

病院で働く介護士は看護師のサポートが主な業務内容のため、嫌な看護師がいるとストレスになってしまいます。

中には「私の方が偉い」と思っている看護師も一定数おり、介護士を雑用のように扱うケースもあるようです。

人間関係に関する悩みはどの職場にも通ずる部分かと思いますが、病院では指示をする・受けるの構図がハッキリとしてしまうため、ドロドロになってしまう可能性も高いかもしれません。

煩わしい人間関係にウンザリしている人は、「訪問介護」を選ぶと良いかもしれません。

訪問介護は一人で移動をして一人で介護をするため、必然と一人でいる時間が多くなります。

そのため、嫌な上司や同僚との物理的な距離を作る事が可能になります。

【介護士の転職】訪問介護で働くメリットとデメリット【給料・仕事内容】

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介護士に特化した知識・スキルを付けるのが難しい

病院では患者に直接触れる行為は看護師が主に担当するため、介護士が触れる機会は少なくなってしまいます。

そのため、身体介護に特化した知識やスキルを身につけるスピードは遅くなってしまう事が想定されます。

また、看護師から指示されないと動く事ができないため、自ら積極的に知識・スキルを身につける事ができないのもネックと言えます。

失敗しない!介護士が病院へ転職するときに気をつけるポイント

このように、介護士が病院で働くのにはメリットもデメリットもあります。

まったくデメリットがないという職場は皆無だと思うので、両者を天秤にかけて判断する事が望まれます。

介護士が転職の時に失敗しないポイントは、介護士転職の専門サイトを利用する事です。

介護士専門の転職サイトには、転職のプロであるコンサルタントが在中しており、私たちの希望に会う転職先を代わりに探してくれます。

「人間関係がいい病院に転職したい」

「できるだけ給料が高い病院に転職したい」

このように、若干わがままに思えるような希望でも、できる限り希望に近づけた求人を提示してくれます。

また、職場の内情に強い転職サイトを利用すれば、事前に雰囲気や人間関係を教えてくれます。

「ここの病院は師長さんがすごく優しいので、離職率がかなり低いんですよ」

「正直、ここは人間関係が悪いって有名ですね…」

このように、一人では知り得ない情報をたくさん教えてもらうことができます。

そのほか、面接の日程調整や履歴書の書き方、給与交渉まで行ってくれるので利用しない手はないかと思います。

私がオススメする介護士専門の転職サイトは、「MC-介護のお仕事」と「マイナビ福祉・介護のシゴト」です。

MC-介護のお仕事:業界トップクラスの求人数。コンサルタントは直接現場に足を運んでおり、生の声を教えてくれる。非公開求人も多いことで有名。

マイナビ福祉・介護のシゴト:未経験者に嬉しい!採用担当者からのアドバイスつき「履歴書の書き方完全ガイド」をプレゼント中。登録をしておくだけでスカウトをもらえる可能性あり。

どちらも実際にお仕事をしたことがありますが、すごく丁寧で感じの良いコンサルタントが多い印象を持ちました。

もちろん、利用は完全無料なので、良い待遇で働きたい!と思っている介護士はとりあえず登録をして求人検索してみることをオススメします。

高待遇求人多数・未経験歓迎の転職サイト!

介護士が病院で働くメリットとデメリットのまとめ

メリットデメリット
医療現場に関する知識を増やせる平均給料が低い傾向にある
次のステップアップに活かせる看護師との関わりがストレスになる
世間体が良い介護士に特化した知識・スキルを付けるのが難しい

病院で働くのには、医療の最前線で経験を積めるといったメリットがある一方、確かなデメリットも存在します。

「自分にどの職場が合うのかまだ分からない」という人は、ぜひ介護士専門の転職サイトを利用してアドバイスをもらってみるのが良いと思います。

あなたにピッタリな職場にきっと出会えるはずです。応援しています!

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訪問看護ステーションでとあるコメディカル(理学療法士)兼人事をしています。併設の訪問介護ステーションでの面接もしており、数多くの方々をサポートしてきた経験から、介護士の転職ノウハウをお伝えしてまいります!

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