介護士は「給料が安い」「きつい」などネガティブな声が目立ちますが、働く場所を選べるという大きなメリットがあります。
今回は、通所介護(デイサービス)で働くメリットとデメリットを、現役の面接官である私が解説してまいります。
・通所介護(デイサービス)って他よりも給料は高い?低い?
・通所介護(デイサービス)の仕事内容は?
通所介護(デイサービス)に転職を考えている介護士は、ぜひ参考にしてみてください!
通所介護(デイサービス)で働く介護士の仕事内容

まず、通所介護で働く介護士の仕事内容からご紹介します。
通所介護で働く介護士の仕事内容は、大きく以下の5つです。
- 利用者に対する日常生活介助
- 安全に生活できるための配慮
- 送迎
- レクリエーション
- リハビリテーションの補助
利用者に対する日常生活介助
通所介護で働く介護士の主な仕事内容は、「利用者に対する日常生活介助」です。
通所介護に通っている利用者は生活の基本を在宅にしているため、寝たきりで日常生活全般に介助が必要な人からほとんど自立に近い人まで、幅広いケースを対応することになります。
介護施設は要介護が高い人が多いことからある程度一律の介助方法が通用するかもしれませんが、通所介護ではその人の身体機能に合わせた介助を選択していく必要があることを抑えておきましょう。
着替え介助、入浴介助、歩行介助、トイレ介助、オムツ交換、食事介助など
安全に生活できるための配慮
通所介護では日常生活の介助やリハビリなどを提供しますが、一番の役割は「安全に自宅に帰すこと」です。
ふらつきがある利用者が急に歩き出すこともあります。
食べ物ではないものでも食べてしまうかもしれません。
そのようなリスク管理をするのも介護士の仕事内容です。
常に転倒リスクがある利用者に目を配る、歩き出したら介護士が気付くような環境設定など
送迎
介護施設や訪問介護と最も異なるのが、「送迎業務がある」ということです。
専用のドライバーを雇っている事務所もあれば、介護士がドライバーを兼任することもあります。
走行中は転倒転落しないよう気をつけるのはもちろん、車の乗り降りの際も安全にできるよう介助をします。
レクリエーション
通所介護に来た利用者が、常に机に座ってボーっとしているのは望ましいものではありません。
楽しみを提供するためのレクリエーションを企画・実行するのも、介護士の仕事内容の一部です。
介護におけるレクリエーションは単なる娯楽だけではなく、QOL(生活の質)を向上させる目的で実施されます。
レクリエーションがあることで、生活に刺激や楽しさ、生きがいをもたらすことができます。
カラオケ大会、大玉ころがし、輪投げ大会など
リハビリテーションの補助
通所介護はリハビリ目的で来ている利用者も少なくありません。
施設にリハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など)が在中している場合はその指示のもと、リハビリテーションの補助を行います。
歩行練習、立ち上がり練習、車椅子への移乗練習など
通所介護(デイサービス)で働く介護士の1日のスケジュール

次に、紹介した仕事内容がどのような流れで行われるのか、通所介護で働く介護士の1日のスケジュールをお伝えします。
08:00 朝礼
朝礼で本日の仕事内容を確認します。
本日通ってくる利用者の数・送迎時間などの確認、入浴の順番、リハビリの有無など
08:00~09:00 送迎
朝礼が終わったら送迎に向かいます。
ドライバーを雇っていない施設では、介護士が運転することもあります。
一度に何人もの利用者を乗せるため、あらかじめ送迎ルートは確認しておきましょう。
利用者の家まで到着したらインターフォンを押して呼び出す。
→転倒に気をつけながら車までの付き添い、安全に乗車させる。
→走行中も危険な動作をしないか常に目を配る
09:00~10:00 トイレ介助、水分補給など
利用者数や送迎ルートによっては、1時間近く車に乗っている利用者もいるため、施設に到着をしたらトイレ介助を行います。
オムツを着用している人は、中を確認して必要に応じて交換を行います。
また、特に夏場だと脱水症状に留意をしなければならないため、水分補給を促すことも重要な役割です。
10:00~12:00 入浴の介助、リハビリの補助など
施設に入浴設備がある場合は、入浴の介助を行います。
浴室までの付き添い、浴室内の歩行介助、洗体・洗髪の介助、浴槽の出入り介助、着替え介助など
寝たきりなど自分で動く事ができない人は、機械を用いて入浴を行います(機械浴)。
機械浴への移乗、機械の操作、着替えの介助など
入浴担当ではない場合はリハビリの補助を行う事が多いです。
リハビリ専門家の指示のもと、歩行練習、立ち上がり練習など
12:00~13:00 昼食の配膳・介助、口腔ケアなど
昼食の配膳・食事介助・口腔ケアを行います。
半日デイなど昼食がない施設の場合は、午前の利用者を送り出し、午後の利用者を迎えに行きます。
13:00~14:00 休憩
1時間の休憩をとりますが、働いている介護士全員が同じ時間に休憩することはありません。
現場に出ている介護士がゼロにならないよう、交代で休憩をとっていきます。
14:00~15:00 レクリエーション
昼食をとり休憩を挟んだ後は、レクリエーションを行います。
レクリエーションの内容は介護士全員で考えることもありますが、担当制の施設では自分で考えなければなりません。
利用者全員を巻き込んだレクリエーションを行う事が多いため、人前に立って進行していくスキルも必要となるでしょう。
15:00~16:00 送迎
利用者の送り出しを行います。
迎えと同様、事前にルートの確認を行い、転倒しないよう安全に送り出します。
16:00~17:00 カンファレンス、記録の作成など
送迎から戻ったら、利用者の情報共有を中心としたカンファレンスを行います。
見守りが必要なAさんが、本日一人でトイレに行こうとしていました。より一層目を配りようにしましょう。
最近Bさんのふらつきが強くなっているため、入浴介助の際は常に脇を支えるようにしましょう。
17:00 施設内の掃除、退勤
施設内の掃除を行い、終わったら退勤をします。
通所介護(デイサービス)で働く介護士の平均給料

次に、通所介護で働く介護士の平均給料です。
そのほかの形態(病院・介護施設・訪問介護)と比較をしてみましょう。
病院 | 介護施設 (介護老人保健施設) | 通所介護 (デイサービス) | 訪問介護 | |
平均給料 | 222,500円 | 323,770円 | 275,670円 | 286,920円 |
通所介護は病院の次に給料が低い傾向にあります。
通所介護は介護施設のように夜勤で稼ぐことができないため、その点で低くなってしまいうと推察されます。
介護士が通所介護(デイサービス)で働くメリット

以上、仕事内容や平均給料を考慮した上で、介護士が通所介護で働くメリットは以下のようにまとめられます。
- 身体介護をしないという選択もできる
- リハビリの知識をつけることができる
- 夜勤がない
身体介護をしないという選択もできる
通所介護は在宅を生活の基本にしている、また家の外に出ることができる点から、ある程度日常生活が自立している人が多い傾向にあります。
そのため、身体介護が必要とならないケースも多々あります。
「オムツ交換が苦手」という人は、リハビリ特化型の通所介護に勤務をすればその機会は減るでしょう。
「入浴介助が苦手」という人は、半日デイのような入浴施設がついていない通所介護に勤務すればすることはありません。
このように、自分の苦手な部分を避けた働き方ができるのも通所介護の特徴といえます。
ただし、介護度が重い利用者を受け入れている通所介護ももちろんあるため、転職する際は介護士専門の転職サイトを利用して内情を教えてもらうと良いでしょう。
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リハビリの知識をつけることができる
昨今は「介護予防」という言葉が浸透しているとおり、介護にならない、介護が必要な人は悪化させないという視点が重要になります。
今後の介護士は、どこで働くにしても介護予防、つまりリハビリテーションの知識・スキルを身につけていくのが望ましいとされています。
その点、リハビリ専門職がいる通所介護で働けば、リハビリに対する知識やスキルを間近で学ぶことができます。
実際、「介護リハビリセラピスト給料アップを目指したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
夜勤がない
確かに夜勤をすると1回あたり5,000~10,000円程度の手当てがつくため稼ぎやすくなります。
ただし、2交代制勤務の場合は16時間続けて働かなければならないため、体力的にきついというデメリットがあります。
その点、通所介護は日勤のみになるため、生活リズムを整えたまま勤務することができます。
介護士が介護施設で働くデメリット

逆に、介護士が通所介護で働くと以下のようなデメリットが付随してくることも抑えておきましょう。
- 平均給料が低い傾向にある
- 職場の人間関係に左右されやすい
- レクリエーションの企画・実行能力が必要とされる
平均給料が低い傾向にある
前述した通り、通所介護の平均給料は低い傾向にあります。
介護士でもしっかりと稼ぎたいという人は、介護施設で夜勤を取り組んでいくほうが確実といえるでしょう。
通所介護で高給料を目指したいという人は、資格の取得や役職に就くといった行程が必要になってきます。
その中でも資格取得は即効性があるため、介護士にオススメの資格は積極的に取得するようにしましょう。
職場の人間関係に左右されやすい
この点に関してはどの職場にも言える事だと思いますが、横柄な上司や性格が悪い同僚がいたら楽しく働けません。
特に通所介護は同じ箱の中で常に一緒にいるため、煩わしい人間関係は常につきまといます。
このような人間関係が嫌だという人は、「訪問介護」の転職も視野に入れると良いでしょう。
訪問介護は利用者の家に直接伺って介護をするため、ほとんど一人行動です。
必然と一人でいる時間が多くなり、嫌なあの人とも物理的な距離を開ける事ができます。
レクリエーションの企画・実行能力が必要とされる
通所介護では、いわゆる介護のスキル・知識以外にも、レクリエーションの企画・実行能力が必要とされます。
企画では利用者が楽しめるアイデアを出さなければならず、本番ではみんなの前に立って司会進行をしていかなければなりません。
得意な人には得意な部分だと思いますが、苦手な人はとことん苦手に感じる仕事内容かと思います。
「レクリエーションはやりたくありません…」という要望は通じないと考えたほうがいいので、苦手な人は「病院」や「訪問介護」への転職を視野に入れると良いでしょう。
ちなみに、介護施設も同じようなレクリエーションがあるので注意が必要です。
失敗しない!介護士が通所介護へ転職するときに気をつけるポイント

このように、介護士が通所介護で働くのにはメリットもデメリットもあります。
まったくデメリットがないという職場は皆無だと思うので、両者を天秤にかけて判断する事が望まれます。
介護士が転職の時に失敗しないポイントは、介護士転職の専門サイトを利用する事です。
介護士専門の転職サイトには、転職のプロであるコンサルタントが在中しており、私たちの希望に会う転職先を代わりに探してくれます。
「夜勤はしたくない」
「できるだけオムツの介助はしたくない」
「認知症の対応に自信がない」
このように、若干わがままに思えるような希望でも、できる限り希望に近づけた求人を提示してくれます。
また、職場の内情に強い転職サイトを利用すれば、事前に雰囲気や人間関係を教えてくれます。
「ここの職場は所長さんがすごく優しいので、離職率がかなり低いんですよ」
「正直、ここは人間関係が悪いって有名ですね…」
このように、一人では知り得ない情報をたくさん教えてもらうことができます。
そのほか、面接の日程調整や履歴書の書き方、給与交渉まで行ってくれるので利用しない手はないかと思います。
私がオススメする介護士専門の転職サイトは、「MC-介護のお仕事」と「マイナビ福祉・介護のシゴト」です。
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どちらも実際にお仕事をしたことがありますが、すごく丁寧で感じの良いコンサルタントが多い印象を持ちました。
もちろん、利用は完全無料なので、良い待遇で働きたい!と思っている介護士はとりあえず登録をして求人検索してみることをオススメします。
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介護士が通所介護で働くメリットとデメリットのまとめ

メリット | デメリット |
身体介護をしないという選択もできる | 平均給料が低い傾向にある |
リハビリの知識をつけることができる | 職場の人間関係に左右されやすい |
夜勤がない | レクリエーションの企画・実行能力が必要とされる |
通所介護で働くのには、身体介護をしないという選択もできるなどのメリットがある一方、確かなデメリットも存在します。
「自分にどの職場が合うのかまだ分からない」という人は、ぜひ介護士専門の転職サイトを利用してアドバイスをもらってみるのが良いと思います。
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